100%モーター駆動と高速道路自動制御を採用した先進ミニバン
日産
セレナ e-POWER
価格:340万4106円(e-POWER ハイウェイスターV)
電気自動車(EV)のリーフで培った電動化技術を応用した「e-POWER」。コンパクトカーのノートに搭載され大人気だが、新たにセレナにも設定された。
セレナが属するMクラスミニバン市場は激戦区で、ライバルがフルハイブリッドをラインアップする中、e-POWER投入は、販売現場の要望にもこたえた形だ。
システムは、基本的にはノートe-POWERと同じで、発電用の直列3気筒1.2リットルにモーターの組み合わせだが、車両重量が重く、乗車定員も多いセレナに合わせて最適化。
発電用とはいえミニバンに1.2リットルと聞くと、「本当に走るのか?」と疑問を持つ人もいると思うが、実際に乗ると、2リットルのガソリン車がトロいと感じてしまうくらいの力強さ。
ドライバーの操作に忠実かつスムーズな走りなのだ。
また、ノートe-POWERやリーフと同様、アクセル操作のみで加減速可能な「e-POWERドライブ」を採用するが、減速/停止時のコントロールはプロドライバー顔負けの滑らかさで、積極的に使いたくなる。
シフトノブは軽い力で操作可能
バッテリー走行を積極的に行う「マナーモード」や、マナーモードをフル活用できるように事前に充電する「チャージモード」も用意。
バッテリー走行は約3キロ可能で、早朝や深夜の住宅街でも役に立ちそうだ。
静粛性に関しては、ガソリン車に対し、25アイテムの遮音仕様をグレードアップ。日常走行ではアクセルを全開にしない限り、騒がしいと感じることはないと思う。
高速道路の同一車線自動運転技術「プロパイロット」をオプションで用意。ガソリンエンジンより応答性に優れるモーター駆動とのマッチングも良好で、快適なクルージングを可能にしている。
2列めにキャプテンシートを採用した7人乗り仕様
フットワークは、ガソリン車より100キロの重量増や低重心化、システム搭載に伴う補強がいい方向に効き、直進性アップや安心感のあるコーナリング性能、しっとりとした乗り味など、ガソリン車よりレベルアップしている。
セレナが持つ使い勝手やユーティリティのよさに加え、”電動化”という武器をプラスしたセレナe-POWER。個人的には、「これがセレナの本命」と思うくらいの仕上がりだった。
解説/山本シンヤ(自動車研究家)