いい写真を撮るには、魅力的な被写体や優れた撮影機材も必要だが、そこにテクニックが伴わないと残念な結果になる。「構図」「ピント」「露出」という3大要素をしっかりと押さえて、写真の出来栄えをアップさせよう!
第1回は、「構図」がテーマだ。
構図の基本
何を撮りたいのか? どう表現したいのか? それらを明確する重要な要素が「構図」である。
同じ被写体でも、構図のよしあしによって、被写体の魅力や撮影テーマの伝わり具合が大きく変わってくる。
大切なのは、構図に被写体を当てはめるのではなく、被写体やテーマに合った構図を見つけることだ。
日の丸構図
三分割構図
メインの被写体と背景との関係や、空間の使い方を考えよう!
「構図」と聞くと、「多くの法則やパターンを覚えて当てはめる」といった難しいイメージがあるかもしれない。
だが、本当に重要なのは、被写体をよりよく見せるための基本的な考え方だ。
基本を意識すれば、自ずと構図力は上がる。
Point1 画面構成と背景選び
▶画面上に表示される格子線や水準器を活用して構成を決めよう
「背景の選択」と「画面内の被写体の位置」。この2点で写真の出来栄えや雰囲気は変わるものだ。
背景の選択は、カメラポジションの変更で行おう。
被写体が映えるシンプルな背景がベストだ。
被写体位置などの画面構成を決める際は、画面上に表示される格子線や水準器が役立つだろう。
格子線によるマス目や交点を目安に被写体位置を決めたり、水準器で不用意な画面の傾きを防いだりしたい。
Point2 横画面か、縦画面か
▶印象も異なるので、被写体の形状や写す範囲に応じて、適切に選びたい
カメラを普通に構えて撮影すると、横画面(横長の画面)になる。だから、構図を意識しないで撮ると、必然的に横画面の写真が多くなりがちだ。
結果として、被写体が小さめに写ったり、被写体よりも背景が目立つ写真になったりするわけだ。
だから、被写体の形状や写す範囲に応じて、横画面と縦画面を適切に選ぶ必要がある。
横画面と縦画面とでは、印象もまったく異なるので、そこにも着目したい。
Point3 撮りたい物を大きく写す
▶できるだけ被写体に接近して、ズームレンズの望遠側などでねらう
印象の薄い写真の原因としては、画面内で被写体が小さく写っているという場合が多い。
その結果、被写体よりも周囲に写り込む物のほうが目立ってしまうわけだ。
だから、細かい構図のよしあしを考える前に、”被写体を大きく写す”という単純なアプローチを心掛けたい。
まずは、できるだけ被写体に接近すること。
そして、ズームレンズの望遠側などで、画面内に大きくとらえよう。
解説/吉森信哉 (フォトグラファー)