写真がうまくなるコツをプロが指南!【実践編】第3回/花

文具・ホビー・カメラ

いい写真を撮るには、魅力的な被写体や優れた撮影機材も必要だが、そこにテクニックが伴わないと残念な結果になる。「構図」「ピント」「露出」という3大要素をしっかりと押さえて、写真の出来栄えをアップさせよう!

「実践編」の第3回は「花」だ。
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第2回「自然風景」はこちら

「基本編」はこちら→
第1回「構図」
第2回「ピント」
第3回「露出」

テーマ❶ マクロレンズで花を主役に大きく描写

【構図】▶「日の丸構図」でも単調さはないが……

主役にした花の周囲には、別の花や葉もあるため、あまりアップに写さなくても、単調な「日の丸構図」とはいえない。

しかし、ねらった花の大きさが十分でなく、画面の下や左には、間延びした空間が生まれている。

それとは反対に、画面右上あたりは窮屈な印象がある。

【ピント】▶ピントが画面端ではピンボケの印象

花のピントは”シベの先端”が基本。

だが、複数のシベが広がっていると、どのシベに合わせるか迷うところ。

これは、「AFエリア自動選択」で撮ったもので、比較的近くにある画面端のシベにピントが合った。

その結果、中央付近のシベが大きくボケて、全体にピンボケの印象を与える。

【露出】▶悪くはないが、実際の印象に近づけたい

白っぽい印象があるスイレンだが、実際には花弁の先端が青く、シベは全体的に鮮やかな黄色。

だから、露出補正なしでも悪くない露出レベルになった。

とはいえ、実際のこの花や周囲の印象は、もう少し明るくて爽やか。その雰囲気を再現するには、プラス補正が必要だ。

☆☆☆成功のポイント!

▶構図を整え、「任意選択AF」で中央奥のシベにピントを合わせた

ねらった花を大きく写しながら、右奥の花も一部分入れて構図を整える。

ピント位置は、「任意選択AF」で中央奥のシベ。

そして、プラス0.7補正で明るい雰囲気にした。

撮影DATA
60mm/AF-S/絞り優先AE/1/640秒/F4/+0.7露出補正/WBオート/ISO200

テーマ❷ 花壇の群生を存在感たっぷりに写す

【構図】▶状況や雰囲気はわかる写真だが……

弧を描く花壇の群生と、広場の様子を広角で写し込む。

状況や雰囲気がわかる写真だが、そのぶん主役である”花壇の群生”の存在感が弱まる。

また、広い範囲を写し込んだことで、芝生内の四角いふた(散水栓?)など、写真にとっては目障りな物も写り込んでしまった。

【ピント】▶「自動選択AF」だと、別の花にピント

下の写真は、AFエリアモードを「自動選択」に設定して撮影したカットから、画面中央部分をトリミングしたものである。

撮影時には、ピンク色のポーチュラカにピントを合わせたいという意識があったが、結果的には手前の紫色のサルビアに合ってしまった。

撮影後の拡大再生でがっかり……。

【露出】▶明るくしたが、全体に軽い印象になった

強い日差しを浴び、けっこう明るい場面だったので、少し明るめの画面のほうが爽やかになると思い、プラス0.7の露出補正をして撮影してみた。

その結果、明るい雰囲気にはなったが、花や緑の色が薄まってしまい、全体的に軽い印象の写真になってしまった。

☆☆☆成功のポイント!

▶標準ズームの望遠域でピンクの群生を主役。少し絞って全体をシャープに

標準ズームの望遠域にズームして、ピンクの群生を主役にした画面構成。

AFエリアモードは「任意選択」で、中央を選択。

さらに、少し絞って、全体をシャープに描写した。

撮影DATA
50mm/AF-A/絞り優先AE/1/100秒/F11/露出補正なし/WBオート/ISO100

解説/吉森信哉 (フォトグラファー)

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