いい写真を撮るには、魅力的な被写体や優れた撮影機材も必要だが、そこにテクニックが伴わないと残念な結果になる。「構図」「ピント」「露出」という3大要素をしっかりと押さえて、写真の出来栄えをアップさせよう!
第2回は、「ピント」がテーマだ。 第1回「構図」はこちら
ピントの基本
撮りたい被写体に確実にピントを合わせるのは、写真撮影の基本中の基本だ。
現在のカメラのAF性能は非常に優秀だが、そのAF機能をきちんと理解して使わないと、思わぬ(自分の意思とは違う)場所にピントが合ってしまうことが起こる。
“脱・カメラ任せ”。これが、正確なピント合わせのキーワードになる。
ピンボケ写真
合焦写真
被写体にふさわしいAFモードを選択し、どこに合わせるかが鍵!
最近のAFは、被写体が画面中央から外れていたり、動いていたりしても、正確なピント合わせが可能。
だが、意図した部分に合わせるには、AFモードとAFエリアモードの違いを把握し、被写体や状況に応じて適切に設定する必要がある。
Point1 「AFモード」の選択
▶ピント位置を保持するか、ピントを合わせ続けるか、などを選ぶ
AF(オートフォーカス)の挙動を選ぶのが、「AFモード」だ。
シャッターボタンの半押しでAFは作動するが、ピントが合ったあとに、ピント位置を保持するのか、被写体にピントを合わせ続けるのかなど、AFのモードによって、その挙動が違ってくる。
風景など動きのない被写体は、前者の方式が適している。
動く被写体の場合は、後者の方式でないと被写体にピントが合わないことがある。
Point2 「AFエリアモード」の選択
▶表示されたAFエリアのどこでピント合わせを行うかを選ぶ
最近のカメラでは、画面上に複数のAFエリアが配置されるが、どのエリアでピント合わせを行うかを選択するのが「AFエリアモード」だ(メーカーによって呼び名は異なる)。
AFエリアモードは、カメラが判断する自動選択と、撮影者が自分で判断する任意選択(手動選択)に大別できる。
一瞬のチャンスや動く被写体などをねらう場合には、自動選択のほうが威力を発揮する。
Point3 「ゾーンAF」「グループターゲット」
▶動く被写体でAFエリアから外れそうな場合に、任意選択エリアを拡大
AFエリアモードが自動選択だと、自分の意思とは異なる部分にピントが合うことがある。
だが、任意選択にすると、動く被写体ではエリアから外れる危険性がある。
そういう場合には、任意選択エリアが拡大される「ゾーンAF」や「グループエリアAF」「グループターゲット」と呼ばれるモードが便利。
解説/吉森信哉 (フォトグラファー)