高級モデルでは、同じデュアルカメラでも、各機種が工夫を凝らしている。サムスンのGalaxy S9+は、広角と望遠の二つのレンズを搭載、ソニーのXperia XZ2 Premiumは、カラーとモノクロのデュアルカメラとその信号を処理する専用プロセッサーの「AUBE」を採用。シャープのAQUOS R2は、2機種とアプローチが異なり、デュアルカメラのうち一つが動画専用としている。
Galaxy、Xperia、AQUOS……ハイエンドモデルのカメラ機能に違いあり!
同じデュアルカメラでも機種によって働きが違う
スマホの夏モデルは、デュアルカメラ搭載機が増えているが、ハイエンドモデルでは、同じデュアルカメラでも、各機種が工夫を凝らしている。主要な機種について、以下で解説していこう。
サムスンのGalaxy S9+は、広角と望遠の二つのレンズを搭載しており、光学2倍相当のズーム撮影が可能だ。デジタルズームとは異なり、画質を劣化させることなく被写体に寄れる。また、広角レンズは明るい場所と暗い場所で、自動的に絞りを変え、最適な写真が撮れるのが特徴。暗い場所ではF値1.5と明るいが、明るい場所ではF値が2.4になり、必要以上に背景がボケてしまわないようになっている。
ソニーのXperia XZ2 Premiumは、カラーとモノクロのデュアルカメラとその信号を処理する専用プロセッサーの「AUBE」を搭載。暗い場所での動画撮影に威力を発揮し、ISO感度を1万2800まで上げることができる。もちろん、静止画も最高ISO感度は5万1200と暗所に強い。また、4K HDRの動画撮影が可能で、再生も4K HDRのまま楽しめる。
シャープのAQUOS R2は、この2機種とアプローチが異なり、デュアルカメラのうち一つが動画専用となっている。動画カメラは画角を広くし、電子手ブレ補正を搭載するなど、用途に合わせてハードウエアを作り込んでいるのが最大の特徴だ。動画撮影中に、AIで自動的にシャッターを切って静止画を保存しておく機能も搭載されている。
このように、同じスマホのカメラでも、方向性はかなり異なるので、自分の目的に合わせて選ぶといい。
■明るい場所と暗い場所で絞りを変更
サムスン
Galaxy S9+
実売価格例:11万4560円
ドコモ/au
CPU Snapdragon845、ディスプレイ 6.2型有機EL1440×2960、背面カメラ 1220万画素/1220万画素
おサイフケータイ/防水・防塵
■カラーとモノクロ用のセンサー搭載
ソニー
Xperia XZ2 Premium
実売価格例:11万2752円
ドコモ/au
CPU Snapdragon845、ディスプレイ 5.8型液晶2160×3840、背面カメラ 1920万画素/1220万画素
おサイフケータイ/防水・防塵
■超広角カメラで迫力ムービーが撮れる
シャープ
AQUOS R2
実売価格例:11万4560円(ドコモ実質負担額)
ドコモ/au/ソフトバンク
CPU Snapdragon845、ディスプレイ 6.0型液晶1440×3040、背面カメラ 2260万画素/1630万画素
おサイフケータイ/防水・防塵
静止画重視ならライカ3カメラ搭載のファーウェイをねらえ!
静止画の撮影では、ライカカメラを三つ搭載したファーウェイのP20 Proが頭一つ抜けている。カメラ評価機関のDxOMarkが出したスコアも、ほかの機種を大きくリードしている。決め手となったのは、1/1.7型というコンデジ並みの大型センサー。そのため、暗い場所でたくさんの光を取り込めるため、非常にノイズの少ない写真を撮ることができる。陰影を精細に映し出すモノクロセンサーと、高画質なカラーセンサーを組み合わせた写真には、一見の価値がある。
手ブレ補正も優秀で、夜景モードでは「AI手ブレ補正」が効果を発揮する。4秒程度の長時間露光でも手持ちで撮影でき、しかもブレない。実際には合成を駆使した撮影モードだが、夜景の仕上がりは段違いだ。
三つめのカメラとして、光学3倍相当のレンズも搭載。前面カメラも2400万画素で、高精細なセルフィー撮影が楽しめる。
■背面デザインもデジカメふう
ファーウェイ
HUAWEI P20 Pro
実売価格例:10万3680円
ドコモ
CPU Kirin970、ディスプレイ 6.1型有機EL1080×2240、背面カメラ 4000万画素/2000万画素/800万画素
おサイフケータイ/防水・防塵
解説/石野純也(ジャーナリスト)
実売価格例は、キャリアのオンラインショップで新規契約・一括購入時のものです。