【世界初】スマートウォッチ『Amazfit(アマズフィット)』米OpenAI社最新AI「GPT-4o」搭載モデルを使ってみた

生成AI

筆者が愛用しているスマートウォッチ「Amazfit Cheetah Pro(アマズフィット チーター プロ)」。このサービスにOpenAI社の大規模言語モデル「GPT-4o」を統合した世界初のAI音声操作「Zepp Flow」登場。音声入力操作により、使い勝手が劇的に向上したので、その実際をレポートします。

齋藤千歳(フォトグラファーライター)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9㎡の仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。北海道の美しい風景や魅力を発信できればと活動中。

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音声通話ができるスマートウォッチにしたかった

運動中に電話が鳴ったとき、だれかを確認して出たいわけで

「Amazfit Cheetah Pro」(実勢価格29,900円税込)。バンドを含む全体重量はわずか43g。ランニングなどの運動に最適なモデルになっています。

 

みなさんはスマートウォッチを使っていますか? 筆者は普段から運動をするようになって、10年以上ぶりにほぼ毎日腕時計(スマートウォッチ)をするようになりました。おそらく普段から、ジョギングやランニングを趣味にしている人でスマートウォッチを使っていないという人はほとんどいないのではないでしょうか。筆者も走るためにスマートウォッチをするようになった1人です。

 

そして、最初にランニング用に導入したスマートウォッチが「Amazfit Cheetah」(実勢価格24,900円税込)で、この使い勝手については、特選街WEBの「【レビュー】AIランニングコーチ機能付きランナーモデル「Amazfit Cheetah(アマズフィットチーター)」を使ってランニングをレベルアップ」(https://tokusengai.com/_ct/17658848)でも紹介しており、1kmごとのタイムであったり、心拍数であったり、ルートの勾配分布、1分あたりの歩数、歩幅など、さまざまなデータを計測してくれるので、走るのが楽しくなりますし、継続するモチベーションも保ちやすくなります。なんの不満もなかったのですが、ある日のランニング中に気付いてしまったのです。

 

 

行う運動を選択するだけで、運動を記録できるのが、とても便利。筆者がいちばん使っているスマートウォッチの機能になっています。

 

筆者の場合、走っているときはだいたいスマートウォッチをしているのはもちろん、スマートフォンをランニングベストのポケットに入れて、Bluetoothイヤホンをして、新書などを聞いています。そのため、走っているときに電話がかかってきても、Bluetoothイヤホンで特に問題なく通話ができるので、スマートウォッチに音声通話機能はいらないと考えていました。

 

しかし、当たり前ですが、スマートフォンの画面を確認してから電話に出るときは、相手や電話番号を確認してから着信を受け入れるのですが、ランニング中の着信は無防備に電話が鳴れば受け入れることになるのです。それでなければ、立ち止まるなどして、ポケットからスマートフォンを取り出して発信元などを確認する必要があります。

 

結果、わざわざランニング中に着信を受け入れる必要のない電話に出たり、完全な迷惑電話に出てしまったりと、かなり不愉快な思いをしたのです。そこで、マイクとスピーカーを搭載しBluetooth通話に対応した上位機「Amazfit Cheetah Pro」(実勢価格29,900円税込)に乗り換えました。

 

「Amazfit Cheetah Pro」をスマートフォンとリンクさせておくとスマートウォッチに着信している電話番号などが表示されるので安心です。

 

Bluetoothによる音声通話ができないことを除くと特に不満のなかった「Amazfit Cheetah」が本体32g、バンドを含むと47gなのに対して、上位機の「Amazfit Cheetah Pro」はマイクとスピーカーを内蔵しているので本体は34gとわずかに重いですが、バンドを含む全体重量はわずか43gと逆に軽くなるのもうれしいところです。

 

当たり前ですが、「Amazfit Cheetah」よりも高機能で、Bluetoothによる音声通話が可能なので、ランニング時に着信があると、登録済みの番号であれば発信者などが表示され、登録されていない番号でも番号などが表示されるので、無防備に着信を受け入れて、不愉快な思いをすることもなくなりました。

 

基本的にこれだけで目的は達成しており、かなり満足したのですが、電話の充電中など手元のスマートフォンがないときでも、必要な電話にスマートウォッチで出られるのは予想以上に便利。音声については、さすがにスマートフォン本体やBluetoothイヤホンに比べると落ちるので、会話が長くなりそうなときには、Bluetoothイヤホンを使うようにしていますが、それでもかなり使い勝手は向上しました。

 

この乗り換えには、かなり満足していたのですが、さらに「Amazfit Cheetah Pro」を手放せなくなるシステムのバージョンアップがありました。

 

世界初、OpenAI社最新AIモデル 「GPT-4o」を統合した音声操作サービス「Zepp Flow」開始!

「GPT-4o(ジーピーティフォーオムニ)」を統合したAI音声操作が可能に

「世界初、OpenAI社最新AIモデル 「GPT-4o」を統合した音声操作サービスZepp Flow開始!」(https://www.amazfit.jp/blogs/news/zeppflow)のニュース。

 

Bluetoothによる音声通話機能の対応した「Amazfit Cheetah Pro」を入手したことで、筆者のスマートウォッチに対する満足は、かなり向上し、不満もほとんどなかったのですが「Amazfit Cheetah Pro」に搭載されているものを含むZepp Health Corporationのスマートウォッチ用OS「Zepp OS」が2024年7月にアップデートされました。

 

なんと、これによって米国OpenAI社の最新の大規模言語モデル(LLM)「GPT-4o(ジーピーティーフォーオムニ)」を統合した世界初のAI音声操作サービスである「Zepp Flow(ゼップ フロー)」のサービスを受けられるようになったのです。

 

2024年8月後半で対応するスマートウォッチは「Amazfit Balance」「Amazfit Active」「Amazfit Cheetah Pro」、さらにマイクやスピーカーが搭載されていないため、Bluetoothイヤホンなどへの接続が必要ですが「Amazfit T-Rex Ultra」「Amazfit Cheetah」「Amazfit Falcon」と合計6機種です。

 

スマートウォッチに直接Bluetoothイヤホンなどを接続してマイクを使用するのは現実的ではないので、事実上「Amazfit Balance」「Amazfit Active」「Amazfit Cheetah Pro」の3機種で「GPT-4o」を利用した音声入力によるスマートウォッチの操作が可能になったといえるでしょう。

 

「GPT-4o」を統合した音声操作サービス「Zepp Flow」の開始は、かなりすごいことなのですが、おそらくとてもわかりづらい。

 

ですが、多くの方が「それがどうしたの?」と思うことでしょう。なお、Amazfitの公式ページに掲載されている「Zepp Flow」の代表的な機能は下記のとおりです。

 

1.ワークアウト・スポーツモードの起動と操作

2.明るさ、音量、Do Not Disturb(通知オフ)モードの切り替えなど、時計の各種設定の調整

3.睡眠データ、心拍数、血中酸素、フィットネスデータなどの個人データへのアクセス

4.アラームやカウントダウンタイマーの設定、スケジュールの確認など、日常生活のアシスタントとしての機能

5.天気についての質問

6.日常的な質問にChatGPTと同様の回答可能(※一部の質問には回答できません。)
(例)簡単な英会話の翻訳、簡単な計算(四則演算レベル)等

 

さらに音声によるメッセージ返信機能。AndroidOSのスマートフォンをお使いの場合、音声でLINE等のメッセージの返信が可能だそうです(※既存のLINE返信機能と同様にIOS版には非対応)。Bluetooth通話については、音声でBluetooth通話が直接できるようになったとのこと。事前に登録したお気に入りの連絡先に電話をかけたり、任意の番号に電話することが可能です(※受発信通話機能搭載機種のみ対応)。

 

1.〜5.までは基本的にスマートウォッチの操作。これが音声でできるだけでスマートウォッチの操作自体が苦手な人にとって非常にありがたい機能です。筆者のように老眼でスマートウォッチの画面が見づらいこともある世代にとっては大きなメリットといえるでしょう。しかし、筆者が注目したのは、当然6.の「日常的な質問にChatGPTと同様の回答可能(※一部の質問には回答できません。)(例)簡単な英会話の翻訳、簡単な計算(四則演算レベル)等」です。この内容によっては、まさに身に付ける専用コンシェルジュ、「ナイトライダー」における「ナイト2000」のような性能を発揮してくれるはずです。腕時計に話しかけるだけで、AI(人工知能)が応答してくれるなんて、特定の世代の人々にとってはまさに夢の機能といえます。

 

「GPT-4o」を利用したAI音声入力コントロール「Zepp Flow」を使ってみた

「Zepp Flow」を起動したところ。上ボタンの長押しで簡単に起動するので、使い方はとても簡単です。

 

まずは「GPT-4o」を利用したスマートウォッチの操作をテスト

「GPT-4o」を利用したスマートウォッチのコントロールを可能にする「Zepp Flow」の起動は、さまざまな設定が可能ですが、筆者は「Amazfit Cheetah Pro」の上ボタン(リューズボタン)の長押しに設定しています。

 

長押しをして「タイマー5分」、「ライトオン」などと話しかけると「聞き取り中です」が表示されたあと「思考中」に表示が変わり、各コマンドが実行されます。このときの所要時間は筆者が実測したところ、だいたい5秒程度、十分に実用可能な反応速度で動いてくれます。素晴らしい。

 

音声入力の「聞き取り中です」の表示。「空はどうして青いの?」と質問しました。聞き取り中の表示が出るのは3秒前後の印象です。

 

当然、「Zepp Flow」を使うには「GPT-4o」を利用するのでスマートフォンがインターネット接続している必要があり、このインターネット接続されているスマートフォンにスマートウォッチ自体がBluetooth接続している必要があります。そのため「Zepp Flow」の反応速度はインターネット回線の状況などにも影響を受けるようです。

 

そして、おもしろいのが、音声入力コマンドで「タイマー3分」でも当然3分のタイマーがセットされるのですが「カップラーメンの3分タイマーセットして」でも3分のタイマーがセットされます。このあたりの柔軟性はAIである「GPT-4o」を利用していることが大きいのでしょう。

 

「思考中」の表示が出るのは1秒前後。当然、質問の内容によっても異なるのですが、写真を撮るのに苦戦するほど短い時間でした。

 

また、スマートウォッチの入力操作で筆者が現状もっとも気に入っている機能はスケジュール入力。「Zepp Flow」を起動して「○月○日の○時のスケジュールに○○さんとのミーティングを追加して」などと話しかけると、iPhoneとの組み合わせでは、スマートフォンのカレンダーにもしっかりスケジュールが記載されます。これがメモやリマインダーなどとも連携して動いてくれると、さらに便利なのですが、筆者がテストした2024年8月後半には、残念ながら未対応のようでした。対応アプリの拡大が望まれます。

 

「6.日常的な質問にChatGPTと同様の回答可能」はどの程度なのか?

質問の「空はどうして青いの?」はしっかりと聞き取ってもらえました。予想以上に音声入力の聞き取り精度が高いのに驚きます。

 

「GPT-4o」を利用したスマートウォッチのコントロールを可能にする「Zepp Flow」の機能のなかで、少しでも「GPT」などのAIを使ったことのある方なら期待するのは、どこまで日常的な回答に対応できるかでしょう。

 

簡単な英会話の翻訳、簡単な計算(四則演算レベル)ということですが、確かに簡単な英単語の翻訳だけでなく、中国語への翻訳もできましたし、四則演算レベルということですが、√(ルート)や素因数分解も行ってくれました。

 

「Zepp Flow」の回答をざっくり要約するなら「太陽光が地球の空気分子に散乱されるさめ、そのなかでも青い光が強く散乱されるため、空は青く見える」といいます。

 

さらに筆者は「日本最古の書物は?」「源氏物語は全何巻?」「世界最大の肉食獣は?」「世界最大のクワガタムシは?」「イスラム国ってなに?」「世界三大宗教とは?」「世界最大のチョウチョは?」といった質問をしてみたのですが、かなりの確率でほぼ正解と思われる回答を行ってくれました。同じように質問しているつもりでも、音声入力がうまくいかなかったり、回答の内容に揺らぎが出るのはAIならでは、ということなのかもしれません。

 

しかし、スマートウォッチに話しかけるだけで、簡単に日常のちょっとした疑問を解決することができるので、とても便利です。筆者の場合、4歳の息子から発せられる素朴な質問に対して答える際にもとても役に立っています。おかげで、いままでは運動をするときしか、していなかった「Amazfit Cheetah Pro」をほぼ1日中するようになったことは大きな変化でしょう。

 

AI+スマートウォッチは相性が最高! 今後の展開に超期待!

腕時計からスマートフォンやパソコンなども操作できる未来にドキドキする

筆者の使っている「Amazfit Cheetah Pro」はマイクもスピーカーも搭載する「Zepp Flow」完全対応機種の1つ。対応機種の拡充にも期待したい。

 

15歳のときにノートパソコンを入手してから、筆者はいわゆるオタクといわれるレベルのガジェット好きなのですが、スマートウォッチについては「運動をするときに便利だな」程度でワクワクもドキドキもしませんでした。よくできた便利アイテムといった印象。しかし、スマートウォッチ+音声入力対応のAIというシステムガジェットである、今回のAmazfitのスマートウォッチ+AIを統合した「Zepp Flow」には10年ぶりくらいにワクワク、ドキドキしています。

 

なにせ、スマートウォッチに話しかけるだけで、現在はスマートウォッチのコントロールとAIによる回答が確認可能ですが、すでにスケジュールのようにスマートウォッチからの音声入力でスマートフォンのコントロールが可能になっています。これがスマートフォンのさまざまなアプリと連動すれば、例えば「オーディオブックのおすすめをスマートウォッチから検索、ダウンロード、再生」といったことも可能になるでしょう。さらに自宅のパソコンまでを連動して操作するという時代もやってくるのではないでしょうか?

 

腕時計に話しかけるという入力方法で、スマートフォン、パソコン、そして、それらにつながるさまざまな機器をコントロールできる時代が、すぐそこまでやってきているように感じるのです。

 

これらの可能性を感じ、ワクワク、ドキドキさせてくれるガジェットが、最安モデルなら19,900円の「Amazfit Active」から体験できるAmazfitのスマートウォッチはAI「GPT-4o」を統合した「Zepp Flow」のサービスが開始された今、筆者イチオシのガジェットとなっています。ぜひ、このAI+スマートウォッチの、腕時計に話しかけるだけでAIが自分のいうことを聞いてくれるワクワク、ドキドキを多くの方に体験いただきたい。

 

<公式サイト>Amazfit https://www.amazfit.jp/

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齋藤千歳(フォトグラファーライター)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9㎡の仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。北海道の美しい風景や魅力を発信できればと活動中。

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