意外と簡単なのに知ってると速攻で中上級者になれる?ポイントがある。撮影する被写体や状況に合わせて、絞りやシャッター速度を自動で最適な設定にしてくれる各種のシーンモードを活用したり、連写は「ドライブモード」から設定するなど一通り使いこなしたい。
特定の被写体に合わせて撮れる「シーンモード」を活用
ここがポイント! シーンの種類を選択
カメラの設定に不慣れなうちは、撮影する被写体や状況に合わせて、絞りやシャッター速度を自動で最適な設定にしてくれる各種のシーンモードを活用するといい。
例えば、キヤノン・EOS Kiss Mのシーンモードには、「ポートレート」「風景」「クローズアップ」「スポーツ」「スぺシャルシーン」などがある。使い方は、モードダイヤルで撮りたい被写体やシーンの種類を選ぶだけ。スポーツなど、動きの速い被写体ならシャッタースピードを速く、逆光で被写体が暗くなりそうな場合は露出を明るめに、などと適切な設定にしてくれる。
試しにいろいろ撮って自分好みの設定を探そう!
写真の色の濃さや階調、色調などを自分好みに調整する「仕上がり設定」という機能がある。メーカーによって呼称は違う(キヤノンでは「ピクチャースタイル」)が、調整できる項目は、ほぼ同じだ。
プリセットモードも用意され、「風景」では色鮮やかでコントラストが強く、「ポートレート(人物)」では階調が柔らかく肌がきれいになるよう調整される。さらに、「詳細設定」でそれぞれの設定値を細かく調整することも可能だ。ただし、仕上がり設定の調整は好みによって異なるので、まずはいろいろ撮ってみて、自分に最適な調整値を見つけよう。
人物撮影ならピント合わせは「顔認識AF」や「瞳AF」に任せよう
人物の顔を認識し、自動的にピントを合わせてくれる「顔認識AF」。カメラ任せのオートモードや、シーンモードを人物などに設定すれば、顔認識AFがオンになる。また、各種のAEモードなどでは、メニューのAF方式から顔認識が可能なAFモードを選択すればいい。
最新のミラーレス一眼では、顔だけではなく瞳まで認識し、より精細にピントが合わせられる「瞳AF」がトレンドになっている。瞳AFは顔認識AFとは別の設定になっているので、メニューから瞳AFの項目がオンになっているか確認しよう。
一眼レフを光学ファインダーで撮影するときに、顔認識AFが使用できる機種は少数しかない。とはいえ、一眼レフでも、ライブビューで撮影することで顔認識AFが可能になる。
HDR機能を使えば逆光などで明暗差があっても階調豊かな写真に仕上がる
日差しが強い晴天など、明暗差の激しい状況では、日が当たる部分は真っ白に、陰の部分は真っ黒に写ってしまうことがある。そんなときに役立つのがHDR(ハイダイナミックレンジ)機能。シャッターボタンを押すと、明るさを変えた複数の画像を連写で記録し、それを合成することで、明暗の階調が豊かな写真に仕上がる。
HDRの設定は機種によって異なるが、シーンモードもしくは撮影メニューから選択するのが一般的。中~上級機になると、合成する画像の枚数や、変える明るさの度合いなどを細かく設定することもできる。
ただし、HDRは連写画像を合成するので、動きの速い被写体はブレた写真になってしまう。手ブレにも注意して撮影することを心がけよう。
ここがポイント! 設定は機種により異なる
AFやAEなどが追従する連写モードを選ぶことが大事
シャッターボタンを押している間、連続して撮影し続ける連写は、「ドライブモード」から設定する。連写は○コマ/秒というスペックで表され、数字が大きいほど、被写体の動きを細かく撮影できる。
連写撮影で注意したいのが、AFとAEも追随するかどうか。機種によっては、最高連写速度ではAFとAEが1枚めに固定される場合もある。電車など動き続ける被写体を撮影するときは、AFなどが追従する連写モードを選ぶこと。もちろんAFモードも、AFが動き続けるコンティニュアスAF(36ページ参照)に設定する。
●動いている被写体を連続して撮影
なお、連写には、連続して撮影できる枚数の上限があり、それを超えると連写速度が遅くなる。AF・AE追随と合わせてチェックしよう。
解像度やフレームレートなど静止画とは違う設定が必要
現在発売されているほとんどの一眼カメラは、動画撮影にも対応している。ただ、操作面でいえば、一眼レフで動画を撮影するには必ずライブビューに切り替えなければならないのに対し、ミラーレスはEVFをのぞいて静止画撮影をしている最中でも、動画撮影用のボタンを押すだけで、即座に動画が撮れる。
とはいえ、静止画と動画では縦横比が違っており、機種によっては画角が変わる場合もある。しっかり構図を決めて本格的に撮りたいなら、撮影モードを「動画」に設定し、画角を確認して撮影したほうがいい。
また、動画撮影では4KやフルHDなどの解像度や、動きの滑らかさに影響するフレームレートなど、静止画とは違う設定が必要なので、撮影前に必ず確認するようにしよう。
解説/岡田清孝(カメラマン)