一時は薄型テレビのほとんどが対応していた3D表示機能だが、今は3D対応のテレビはほとんどなくなった、といっていいだろう。けれども、映画館では3D上映も行われているし、3D映画のBDソフトも発売されている。自宅でも3D映像を楽しみたいという人は、どうしたらいいのか。そんな疑問にお答えしよう。
現在、ほとんどの薄型テレビは3D非対応に
3D映画の歴史は古く、ブラウン管テレビの時代から、赤と青の色のついたメガネを使って視聴する方式などで3D映画の上映が行われてきた。
現代では、デジタル技術を駆使した3D映画として大きな話題になったジェームズ・キャメロン監督の「アバター」(2009年公開)のことを覚えている人も多いだろう。
こうした3D映像は、映画館や薄型テレビでも採用され、BDソフトとして3D版も発売されるようになるなど、一時期ブームとなった。
しかし、主流であったアクティブシャッター式の3Dメガネは大柄で、いちいち3Dメガネを装着するのが面倒なことから、家庭ではあまり人気が盛り上がらず、現在ではほとんどの薄型テレビは3D非対応となっている。
映画ソフト、コンテンツは今も3D版の発売が続いている
だが、映画館での3D上映は3Dメガネの装着が必要であるにも関わらず、現在も多くの映画館で上映が行われているし、最新作の多くも3D版があり、3D版のBDソフトなどのコンテンツ発売も続いている。
熱心な3D映画好きの人の中には、3D対応の薄型テレビを大事に使っている人も多いだろう。
これから家庭でも3D映画を見たいという人はどうしたらよいのだろうか。
3D映像の表示に対応した映像機器には、プロジェクターがある。映画館のようにスクリーンに映像を投射するタイプの機器だ。
プロジェクターの世界も最新モデルでは4K対応機などの高級機もあるが、BDソフトの再生にマッチした、フルHDタイプの比較的安価なプロジェクターにも3D対応のモデルは数多くある。
向いているのはプロジェクター
別売の3Dメガネを購入し、BDプレーヤー(現行モデルも含めてほとんどが3D対応)で再生すれば3D映像を楽しめる。しかも、3D映像は大画面の方がより臨場感が増すので、プロジェクターのほうが3Dには向いている。
設置ができないなどの理由で、
3D対応の薄型テレビが欲しいという人には、
三菱のLCD-58LS3(実売価格23万8000円前後)がある。
生産完了モデルだが、今ならばまだ在庫が残っている貴重な3D対応薄型テレビだ。
しかも、画面の両サイドに高音質スピーカーを搭載したほか、レーザー光源バックライト搭載で画質・音質にこだわったモデルなので、3D映画にもぴったりだといえる。
4K・8Kの高画質もよいが3D映画の面白さも体験してほしい
3D対応の薄型テレビはほとんど発売されていない現状だが、3D映画やソフトは今も新作が発売されており、家庭で3D映画を見ることもできる。
今では、4K8Kの高画質が話題ではあるが、3D映画もまた違った面白さがある。
この機会に、ぜひともプロジェクターなどを導入して3D映画の面白さを体験してみてほしい。
◆鳥居一豊
オーディオ、AVの分野で活躍するAVライター。専門的な知識をわかりやすく紹介することをモットーとしている。自らも大の映画・アニメ好きで自宅に専用の視聴室を備え、120インチのスクリーン、有機ELテレビなどを所有。サラウンド再生環境は6.2.4ch構成。