デジタル・メディア評論家の麻倉怜士氏が特別寄稿。それによれば、注目は右旋のNHK BS 4K。午前6時から夜0時までの一日18時間にわたり、原則としてすべて4K制作番組。いかに高画質に力を入れているかがわかる。おすすめは、まず紀行もの。4Kがドラマを革命的に変える試金石になるという。さらに8Kでは、圧倒的な高画質と、22・2チャンネルの超立体的サラウンドで、究極の臨場感が得られるという。

4Kも8Kも注目の番組が目白押し!

究極の高画質で話題の新4K8K衛星放送が、ついに12月1日から始まった。高画質好きの人なら、絶対に見逃せない番組が目白押しだ。BS受信者なら手持ちのBSアンテナで、NHKをはじめ、日テレを除く在京キー局4社の4K放送が見られるし、右旋と左旋の両方を受けられるアンテナとブースターを新調すれば、8K放送まで堪能できる。わが家では、すでに11月初旬に2K/4K/8K放送対応アンテナ設置を完了し、同20日に80V型の8K液晶テレビを導入済みだ。

8Kの話は後にして、まず注目は右旋のNHK BS 4Kだろう。午前6時から夜0時までの一日18時間にわたり、原則としてすべて4K制作番組。いかに高画質に力を入れているかがわかる。

おすすめは、まず紀行もの。ドローンで日本の名所を巡る「フロム・ザ・スカイ~4K空紀行~」。高精細、HDR、広色域という高性能が、圧倒的な高画質を見せるだろう。

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また、4Kは、ドラマに新たな表現力を与える。4Kの質感表現力が最もメリットを発揮する分野がドラマなのだ。NHK BS 4Kで来年1月にスタートする大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」は、4Kがドラマを革命的に変える試金石になろう。

民放でもドラマに期待。シネレンズを使った奥行き表現、カラーグレーディングによる色表現など、制作者のこだわりが、縦横に発揮される。BSフジ4Kが時代劇専門チャンネルと共同制作した「三屋清左衛門残日録」は、俳優の表情に表れる心理の機微や自然描写にも期待だ。

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さらに、BS朝日4Kのグルメ番組「土井善晴の美食探訪」も、高画質な4Kならではの「おいしい味わい」が楽しめよう。

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8Kもオススメだがまずは右旋を堪能しよう

では、いよいよ左旋のNHK BS 8Kだ。私はすでに自宅で8Kを導入したこともあり、解説にも自然と熱が入る。8Kでは、圧倒的な高画質と、22・2チャンネルの超立体的サラウンドで、究極の臨場感が得られる。「最高の映像、最高の音響、最高の素材」が8Kのモットーだ。

NHKでは、毎日午前10時から午後10時10分まで12時間10分、 8K番組を放送。すべて、地デジとの一体制作ではなく、ピュア 8K制作の番組だ。定時枠を設けず、素晴らしい作品をノンジャンルで届けるという。新作は日曜日に放送し、ウイークデーは、ほとんどがその再放送となる。

例えば、「ルーブル美術館 美の殿堂の400年」は、8Kのすさまじい実物感表現が、これまでに見たこともない細密なドラマを見せる。

また、ウィーン・フィル、ベルリン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウの世界最高オーケストラの8K饗宴「世界三大オーケストラの響き」もすごく楽しみだ。すでに試写で見たが、「マリンスキー・バレエくるみ割り人形」は、世界最高の舞台の迫力が満点だった。

大晦日の「紅白歌合戦」の4K・8Kライブ(8K撮影)は、地デジの総合テレビ(2K)とはまったく違う制作。ふだんの地デジでは見せないダイナミックな舞台転換も、4K/8Kでは放送するという。

なお、これらはすべて22・2チャンネルで放送される。AVアンプのドルビーアトモス形式などに変換する技術もすでに開発されているので、早期の実用化を望みたい。

4K/8K高画質ライフを始めるのは、難しいことではない。まずは、既設のBSアンテナで簡単に見られるBS右旋チャンネルの視聴から始めよう。左旋対応機を導入するのは、右旋チャンネルを堪能してからでも決して遅くない。今は高価な8Kテレビも、近い将来、必ず値下がりするだろうから。

さらなる充実を期待し三つの提言を!

新4K8K衛星放送をさらに充実させるため、大きな課題が三つある。提言という形で書かせてもらおう。

❶民放4K局の4K制作率(放送時間に占めるピュア4K制作番組の割合)を急速に増やすこと。
NHKは4Kも8Kも限りなく100%に近いが、民放は数%。つまり、ほとんどの番組が2K番組からのアップコンバートということになり、これは大いに問題だ。4Kならではの高画質番組が見たい。ぜひ民放各社は、一刻も早く、4K番組の拡充に取り組んでほしい。例えば、テレビ東京は、「東京センチメンタル」「孤独のグルメ」「こえ恋」などの4Kドラマをすでに多く制作しており、地デジでは2Kにダウンコンバートして放送しながら、4K画質のものを「ひかりTV 4K」に供給している。それをぜひ、新4K8K衛星放送で見たい。

❷画質はいいが、音質がよくない。
画質は4K/8Kとかなり向上しているが、音は従来の圧縮方式(AAC)とほぼ同じで、サンプリング周波数や量子化ビット数も48kヘルツ/16ビット。これでは画質と音質の質的乖離が甚だしい。世の中、ハイレゾ時代というのに、これでは残念だ。新4K8K衛星放送は、ネットからのデータも使うMMT多重方式が採用されているので、ネット配信の音声を加えた「ハイレゾ音声サービス」を、ぜひ実現してほしい。

❸プレミアムな高画質・高音質コンテンツを。
新4K8K衛星放送は「プレミアム放送」、つまり「楽しむ」ために存在する。地デジや既存のBSで見られるような番組は、必要ない。心を揺り動かし、大いなる感動に浸れる番組を作ってほしい。自然、紀行、音楽、ステージ、エンターテインメントなど、あらゆるジャンルで、これまでにない新鮮な切り口とハイクオリティが欲しい。私は、大いに期待している。

画像: さらなる充実を期待し三つの提言を!

本文/麻倉怜士(デジタル・メディア評論家)CD、BD、ハイレゾ、4Kなどのコンテンツを毎月100タイトル以上チェックしている。津田塾大学で音楽学の講師も務める。

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