4Kビデオカメラで撮った4K映像をDVDに保存するには、まず書き換え型DVDドライブを備えたパソコンが必要。さらに、保存した4K映像を再生するには、4K映像を再生できるパソコンと4K解像度のモニターが必要なのだ。もし、手軽にさまざまな機器で再生したいのなら「USBメモリーに保存する方法」もある。AVライターの鳥居一豊が読者の疑問に詳しくお答えする。
【読者から質問】
4Kビデオカメラで撮った4K映像をできるだけ画質を落とさないで、DVDに保存する方法を具体的に教えてください。(F・Sさん 青森県 63歳)
編集部:これは、AVライターの鳥居一豊さんに聞きましょう。
【専門家から回答】
専門家:「4Kビデオカメラで撮った4K映像をDVDに保存するためには、書き換え型DVDドライブを備えたパソコンが必要です。4K映像をBDに保存できるBDレコーダーがパナソニックから発売されていますが、DVDには保存できません。
パソコンを使ってDVDに4K映像を保存するには、まずパソコンで4K映像の取り込みを行います。これは、4Kビデオカメラに付属の取り込みソフトを使えば簡単に行えます。付属ソフトがない場合でも、パソコンにUSBで接続すると、ビデオカメラの内蔵メモリーにMP4形式で4K映像が保存されているのがわかりますので、そのままファイルをコピーする方法でも取り込み可能です。あとは、同じファイルをDVDにコピーすればOKです。
こうしたファイルのコピーは、画質などを変更しませんので、4K解像度のままです。しかし、4K映像をDVDに保存することは、一つ難点があります。情報量が大きいため、ごく短い時間の映像しか保存できないのです。一般的な4Kビデオカメラで撮影した4K/30pの映像は1分当たり約0.6Gバイトの情報量があるため、4・7GバイトのDVD(片面1層)だと、8分弱ほどの4K映像を収録するのが精一杯。そのため、パソコンを使うやり方でも、より大容量のBDを使ったほうが超時間の映像が収録できます」
編集部:そうやって作ったDVDやBDは、何で再生するのでしょうか?
専門家:「パソコンで作った4K映像入りのDVDまたはBDは、一般的なDVD/BDレコーダーなどでは再生できません。DVDレコーダーなどで再生するには、パソコン内で2K画質かSD画質に変換するしかなく、高価な編集ソフトが必要で、手間がかかり、しかも画質は落ちてしまいます。また、DVDにコピーした4K映像ファイルをそのまま4K画質で楽しむためには、4K映像を再生できる性能を持つパソコンと4K解像度のモニターが必要で、誰でも手軽に楽しめるものではありません。
長期間の保存ではなく、手軽にさまざまな機器で再生したいのでしたら、USBメモリーに保存する方法があります。USBメモリーはディスクより割高ですが、64Gバイトや128Gバイトといった大容量のものもあり、サイズもコンパクトです。4K映像の保存方法も、パソコンに接続したUSBメモリーにファイルをコピーするだけなので、簡単です。
USBメモリーへの保存ならば、4Kテレビの多くの製品が4K映像をそのまま再生できます。また、UHD BD対応のBDプレーヤーなどでも再生可能なモデルがあり、パソコンだけでなく、より多くの機器で再生できます。用途に応じて、最適な記録メディアを使えば、より快適に4K映像を活用できるでしょう」
編集部:4K映像はディスクを使うよりも、USBメモリーに記録するほうが使い勝手がいいということですね。ありがとうございました!
イラスト/はやし・ひろ