Wi-Fiルーターの通信機能には「MU-MIMO」「ビームフォーミング」「トライバンド」の三つがある。MU-MIMOは、アンテナをグループに分けて端末に占有させ、ビームフォーミングは通信中のスマホに強い電波を集中させることで通信の速度低下を防いでいる。端末が2台以上ある家庭では、ほぼ必須といっていい機能だ。また、トライバンドは三つの周波数を効率的に使う方式だ。
スマホやタブレットが複数あるけど、ルーター選びの注意点は?
「MU-MIMO」「ビームフォーミング」「トライバンド」で複数機器も安心!
覚えておきたいのは、「MU-MIMO」「ビームフォーミング」「トライバンド」の三つである。
MU-MIMO
まず、MU-MIMOは、マルチユーザーMIMOの略で、Wi-Fiルーターに装備されている複数のアンテナをいくつかのグループに分けて、それぞれを個別の端末に占有させる。例えば、現在のスマホの多くは2×2(2ストリーム)のWi-Fiを採用しているが、MU-MIMO対応の4×4(4ストリーム)のWi-Fiルーターならば、アンテナを2本ずつのグループにして、2台のスマホと同時通信することが可能。これにより、両方のスマホともに通信速度が低下しにくくなる。
▼対応製品例
エレコム
WRC-2533GST2
ビームフォーミング
次に、ビームフォーミングは、Wi-Fiルーターのアンテナ出力を調整することで、通信中のスマホに強い電波を集中させる機能を指す。屋内で、Wi-Fiルーターからやや遠いところにあるスマホやタブレットであっても、強い電波で通信できるので、速度低下を招きにくい。
▼対応製品例
アイ・オー・データ
WN-AX2033GR2
MU-MIMOとビームフォーミングに関しては、Wi-Fiを使う端末が2台以上ある家庭では、ほぼ必須といっていい機能である。
トライバンド
そして、トライバンドは、同時通信できる三つの周波数帯(バンド)に対応していることを指している。通常、Wi-Fiルーターは、2.4Gヘルツ帯(主に11nに使用)と5Gヘルツ帯(主に11acに使用)の二つの周波数帯に対応しているが、トライバンドは、それに加えて、もう一つの5Gヘルツ帯を搭載している。二つの5Gヘルツ帯で、2台のスマホを同時通信したり、専用中継機で電波の到達距離を延ばしたりすることができる。
▼対応製品例
Linksys
VELOP
解説/福多利夫(フリーライター)イラスト/中山昭(絵仕事界屋)