【年代別】10歳若返るスキンケアのやり方【小林照子×小林ひろ美 母娘対談】

美容・ヘルスケア

美容研究家の第一人者として、83歳の現在も現役で活躍されている小林照子先生と、日常できるスキンケアを発信する人気美容家の小林ひろ美先生。若い顔を保つ秘訣、そして年代別のスキンケアのコツをお二人に伺いました。

プロフィール

小林照子(こばやし・てるこ/母)
1935年生まれ。美容研究家、メイクアップアーティスト。58年、小林コーセー(現KOSE)に就職、35年以上にわたり美容について研究、時代をリードする数多くのヒット商品を生み出し、一世を風靡する。91年、美・ファイン研究所を設立。独自の理論で開発した「ハッピーメイク」がマスコミの話題になる。94年、「フロムハンド」小林照子メイクアップアカデミー(現「フロムハンド」メイクアップアカデミー)を開校、2010年、青山ビューティー学院高等部をスタート。未来の担い手である人材の育成に力を注いでいる。著書に『人を美しくする魔法』(マキノ出版)、『これはしない、あれはする』(サンマーク出版)などがある。

小林ひろ美(こばやし・ひろみ/娘)
1964年生まれ。美容家。大学卒業後、輸入業や翻訳、通訳業に携わる。91年、母・照子とともに美・ファイン研究所を設立。98年、リバイタライズサロン「クリーム」をオープン。心とからだのバランスを調整し、活力を取り戻すトータルビューティサロンとして、一般女性から女優、政治家にリラクゼーションを提供する。身近な物を使った美容法に定評があり、テレビや女性誌を中心に活躍。著書に『今から始めれば大丈夫 小林ひろ美式 毎日3分美肌ケア』(主婦の友社)、『小林ひろ美のすべてがつまった 美肌図鑑』(ワニブックス)などがある。

更年期のトンネルを抜けてまだまだ輝ける

編集部 お二人は、それこそ10歳以上も若く見られることが多いと思います。その若さを保つ秘訣はなんでしょうか?

ひろ美 娘の私から見ても、母はほんとうに若いと思います。母を基準にして同じくらいの年齢の人を見ると、辻褄が合わない感じがしますね。

照子 若さというのは、心の持ち方が一番じゃないかと思います。昨年末に『これはしない、あれはする』(サンマーク出版)という本を出版しました。それをきっかけに、さらに自分の心の持ち方や行動を意識するようになって、ポジティブになっているのかもしれません。

ひろ美 そう、ますますポジティブ! その姿を見ていると、逆に気をつけなきゃ、と思うときがあります。

照子 それって、どういうこと?

ひろ美 私は今54歳ですが、今の母の年齢までまだ30年ある。「60歳まであと6年もあるのか~」と思うと、年齢に対しのん気に構えちゃうんです(笑)。

照子 私は60代以上のかたに講演をする機会がよくあるじゃない? そういうときによくお話しするのは、「60歳過ぎたら、美意識を持っていないとダメよ」ということ。更年期のトンネルを抜けてまだまだ輝けるのだから。

「どうせ私なんて……」とか、「もういいや」とかと、あきらめて美意識を失うと、一気に老けてしまう。それではもったいないし、見苦しい。

ひろ美 「私なんて……」という思いを持っていると、思考や姿勢が縮こまっちゃう。若さを保っている人は、縮み志向になっていない人、のびのびしている人だと思います。

照子 あきらめる、というのは未来を捨ててしまうことなのね。そうではなくて、今を楽しくワクワク生きる。それがたいせつです。

ひろ美 そうそう、若さを感じる人ってライブ感がある。具体的にいうと、声や目に力、ツヤがある。背の高さに関係なく、姿勢がしゃんとしていて、エネルギーを前向きにバーンと出している感じ。

自分の顔の特徴を魅力として表現する

編集部 お二人から見て、「この人は若い!」と思われる有名人はいますか?

ひろ美 大地真央さんはライブ感があって若い、すてきだなあと思います。生き生きしていて、姿勢がよくて、髪も肌もツヤツヤ。全然年齢を感じさせなくて、今でも娘役ができるんじゃないかと思ってしまう。すごいと思いますね。

照子 ピンク・レディーのケイちゃん(増田恵子さん)には、私は若いころにメイクをしたことがあるのね。今も時々お会いするけれど、若いなあ、老けないなあと思いますね。あと、草笛光子さんも。

ひろ美 草笛光子さんは、最近お出しになった本『草笛光子のクローゼット』(主婦と生活社)の表紙がとにかくかっこよかった。グレイヘアで、ニューヨークのキャリアウーマンみたいにクールに新聞を広げて。姿勢がよくて凛としていて、自分自身の命を楽しんでいる!というのが伝わってきて憧れます。

照子 やはり、芸能界で長く活躍されているかたは、美しさを維持する努力をきちんとされていますね。

ひろ美 私は30~50代くらいのかたに美容の提案をすることが多いけれど、やはり年代に応じたお手入れをしていくことは大事だと思います。

照子 ほんとうにそうです。「自然のままが一番だから、何もしなくていい」というのは間違い。例えばお庭の草木だって、何の手入れもしなかったら美しくならないものね。

40代から本格的なエイジングケアが必要

ひろ美 ここからは、年代別に美容のポイントを紹介しましょう。

30代は、自分では「老けたな~」と思っても、まだまだ肌に底力がある。”初期老化”の段階なので、ぐっすり眠れば復活するんですよ。お勧めは、乳液を使った角質ケア。部分にこだわるより、肌という面全体を磨くと清潔感がアップして、フレッシュな印象になりますね。

40代になると、シミやシワというお悩みが出てくる。本格的なエイジングケアが必要になってきます。特に冬の乾燥はお肌にダメージを与えるので、徹底的に保湿をすること。例えば、シートマスクの上からラップで覆うと、潤いが閉じ込められて肌がしっとりします。

照子 オイルやクリームなど油分のあるアイテムで、乾燥から肌をガードすることも必要ね。

ひろ美 50代になると、顔のたるみが気になります。フェイスラインが”もっさり”して、顔の余白が多くなる感じ。マッサージで筋肉に働きかけて、リンパの流れをよくすることをお勧めします。化粧品を乗せるだけでなく、自分の手で余分な水分を流してあげることですね。

照子 コンプレックスから早く抜け出す、というのも大事です。30代、40代と年齢を重ねるにつれて、やっぱり若いころに比べてあちこちに衰えが出てくる。だからといって、それを隠そう、修正しようという「欠点修正法」の考えに陥ると、その人らしさが、ないがしろになってしまう。

それより、自分の顔の特徴を受け入れて、魅力として表現していくこと。プラス発想で自己表現していくことがとてもたいせつです。

《小林ひろ美先生が勧めるスキンケアのコツ》

30代 角質ケアをしっかりと

肌の表面に残った古い角質は、くすみの原因になる。湯ぶねに浸かって、顔の水分を拭き取り、乳液をティースプーン1~2杯程度、肌になじませる。その上にホットタオルを乗せて30秒。こすらないように、内側から外側に向かって拭き取る。

40代 保湿を徹底的に

シミ・シワの原因となる乾燥。そこで、角質ケアにプラスしたいのが、徹底的な保湿。シートマスクをしたら、ラップを鼻の上に1枚、鼻の下に1枚巻く。首まで、しっかり保湿をする。

50代 マッサージで老廃物を流す

顔のたるみが気になる年代。マッサージで老廃物を流すことが重要。角質ケアをしたら、リンパの流れを意識して、額、側頭筋、こめかみ、眉の上、鼻の横、頬の下、耳の下、フェイスラインからデコルテ、鎖骨、というようにマッサージをしていく。

60代以降は美容法の見直しを

照子 60代以降は皮膚の変化に伴って、これまでの美容法を見直すことも必要です。その一つは、頭皮をお手入れするときは生え際から頭頂部へ「下から上へ」手を動かすこと。

ひろ美 それ、意外に知らないかたが多い。

照子 加齢とともに、重力で皮膚が下がってくるわけだから、上へ上へと手を動かして上げていくほうがいい。髪をブラッシングするときも、シャンプーするときも、下から上へ、下から上へと手を動かしていきます。頭皮の血行がよくなって、髪にも栄養がよく行き渡るし、顔色もよくなります。

ひろ美 髪が元気だと、若々しく見えますよね。

照子 クレンジングをするときは、ゴシゴシ洗わないこともたいせつです。洗顔料を緩衝剤にして、肌は直接動かさない。

メイクに関しては「粉を使い過ぎない」ことがとっても大事。特に60代以降は、皮脂の分泌が減って肌が乾きやすくなるから、仕上げのフェイスパウダーを使い過ぎると肌がカサついてしまう。

これまでの”クセ”をやめて、新しい習慣を身につけることがたいせつですね。

《小林照子先生が勧めるスキンケアのコツ》
〜手についた”クセ”を変えることが重要〜

60代〜 ブラシは「下から上に」使う

髪をとかすときは、下から上に、髪の毛を立てるようにするとボリュームが出る。クッション性のあるブラシなら、頭や肩もたたくと血流がよくなる。シャンプーも下から上に、頭皮をよくもむように行う。

60代〜 洗顔のときは、ゴシゴシ洗わない

クレンジングの泡を緩衝剤として、手を顔に添え、皮膚の表面を動かさないようにやさしく洗う。

60代〜 フェイスパウダーを大量にはたくのをやめる

メイクのときは、フェイスパウダーを控えめに。肌の分泌物が減る60代以降は、フェイスパウダーが顔の水分を吸ってしまい、ツヤのない顔になってしまう。

若い人とのつながりも刺激をもらえる

編集部 お二人が、若くあるために実践していることはありますか?

ひろ美 スキンケアやメイク以外に実践しているのは、呼吸を整えること。朝起きたら、ストレッチポールを使って肩甲骨をゆるめ、深呼吸をします。声が軽やかに出るようになって、コミュニケーションが取りやすくなります。

照子 ファッションでいうと、大きめでインパクトのあるアクセサリーをつけたり、これまであまり着たことのない色の服を着てみたり。控えめにしないで、堂々と自分を表現するのもお勧めです。

ひろ美 謙虚過ぎるよりも、冒険する、チャレンジする感覚がある人は若いと感じます。若い世代と交流するのもいいですね。刺激をいっぱいもらえるし、自分の視野を広げる、枠組みを外すことにつながります。

照子 私は原宿と京都で美容に特化した高校を運営しているから、10代の子たちとも日常的に交流があります。今の若い人たちは「年寄りだから嫌」という感覚はあまりないのね。年齢よりも、その人がかっこいいかどうか、感覚が合うかどうかが大事。

ひろ美 そう、若い人って、とっても感覚的。五感で判断するところがある。

照子 若く見えることだけに執着するのは、単なる若作り。若いころのピーンと張った肌も素敵だけれど、肌がしなやかになって、シワやゆるみが豊かな表情を作るのも大人の魅力の一つだと思います。

でも、若いからできることも存分に楽しんでほしいと思います。ひろ美は二の腕がきれいだから、今のうちにノースリーブをどんどん着てほしいわ。

ひろ美 それ、いつも言われる(笑)。確かに、この先のことを考えたら、今日の自分がいちばん若い。今だからできるおしゃれを満喫したいですね。

この記事は『ゆほびか』2019年2月号に掲載されています。

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