痛くてツラい外反母趾(がいはんぼし)。治したいとは思っていても、手術には勇気がいるし、道具もうまく使いこなせるかわからない。結局そのまま耐えるばかり……、という人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、手術も道具も不要で歩き方を変えるだけで治る、ゆりかご歩き外反母趾根絶協会考案「ゆりかご歩き」のやり方をご紹介します。
手術、施術、テーピング、靴選びなどの一時的な対処ではなく、「ゆりかご歩き®」という歩行指導法を通じて、外反母趾の再発まで防ぐ根本改善を全国で広める。「世界中の外反母趾を根絶!」をミッションに掲げ、子どものうちから正しい歩き方を教育し、日本から、世界から、外反母趾に悩む人をゼロにすることを目標とする協会。「ゆりかご歩き®」は、名誉会長の古屋達司氏が接骨院での多くの臨床経験を経て、リハビリテーション医学の視点から歩行改善に取り組み、考案。1999年、古屋氏によって当協会の前身となる外反母趾研究所が設立され、外反母趾の再発防止に本気で取り組む治療法を確立した。現在では、国内外から多くの指導依頼を受け、全国の認定院や足の問題に取り組む企業と連携しながら、多くの患者さんの足元の健康を支えている。ゆりかご歩き外反母趾根絶協会ホームページ https://www.gaihan-boshi.jp/
外反母趾(がいはんぼし)を治すための、まったく新しい方法
ゆりかごが揺れるように歩くこと
外反母趾を治すには「歩き方」を変えることです。
手術は必要ありません。
道具も必要ありません。
外反母趾を治す歩き方、それが「ゆりかご歩き」です。

歩き方のポイントは、かかと→足の裏→足指の裏へとなめらかに足を着地させて、体重を移動することです。さながら、ゆりかごが揺れるように歩くことから、この名をつけました。

外反母趾が治った人の前後写真①
外反母趾とは?
外反母趾とは、足の第1指(親指)がつけ根から第2指(人差し指)側に曲がって変形した状態を指します。進行するにつれて、つけ根の出っ張った部分が靴に当たって赤く腫れたり、痛みが出たりします。
指の変形が気になるのはもちろんですが、外反母趾の人にとってなによりつらいのは、親指のつけ根の痛みです。
ズキズキ、ジンジン、ズーンズーン。
痛み方はさまざまですが、症状が重くなるにしたがって生活に支障をきたすようになります。
でも大丈夫。安心してください。
ゆりかご歩きをマスターすると、数カ月後にはこうした痛みが「どこに消えたの?」というくらいまで改善するはずです。

外反母趾が治った人の前後写真②
なぜ外反母趾になるのでしょうか?
その原因は、「足指を使わない悪い歩き方」にあります。
正しい歩き方では、かかとから着地し、足の裏、足指の裏へと体重が移動して、最後に指が地面から離れます。
このようにきちんと足指を使っていれば、足の骨と骨をつなぐ筋肉が自然と強化されます。それにより足の骨格は、バランスの取れた本来の形を保つことができます。
無意識にしている悪い歩き方
一方の悪い歩き方とは「ペタペタ歩き」です。フローリングの上をはだしで歩くとペタペタと音がしませんか? もしそうなら、あなたはペタペタ歩きをしています。
そのほか、大きな足音を立てて歩く「ドスドス歩き」や、ダラダラと足をするように歩く「ダラダラ歩き」なども、悪い歩き方です。
こうした歩き方では、かかとと足の裏がほぼ同時にベタッと着地します。すると、体重移動が足指のつけ根で止まるため、足指は使われません。
足指を使わずにいると、足の筋肉はどんどん退化します。こうなると親指周辺の筋肉のバランスが崩れ、親指が人差し指側に引っ張られて曲がっていくのです。
こうした足の変形と痛みを一掃するのが、ゆりかご歩きです。「ゆりかご歩き」の効果は以下の3つです。
①地面からの衝撃を緩和する効果
②親指のつけ根に加わる体重の負荷を緩和する効果
③足指の筋力を強くして筋肉のバランスを回復させる効果

外反母趾が治った人の前後写真⑦
※症状の改善には個人差があります。
「ゆりかご歩きのやり方」3つのステップ
ゆりかご歩きは、かかと→足の裏→足指へと、ゆりかごが揺れるようになめらかに体重を移動させる歩き方です。3つのステップに分けて説明します。
それでは、始めましょう。
【ステップ①】かかとから接地する

ひざを伸ばす
最初の一歩はかかとから着きます。ひざをしっかり伸ばして足を前方に出し、足首を反らしてかかとから地面に着くように意識しましょう。
その際、股関節から歩くようにイメージするのがポイントです。
すると、骨盤が足から前方に引っ張られるようになり、ゆりかご歩きで最も重要な「重心の前方移動」がスムーズになります。
かかとを叩きつけない
今まで足裏からベタッと接地してきたかたが、かかとからの接地を意識しすぎると、かかとをきつけるように接地する傾向が見られます。
フローリングの上を素足で歩いて「ゴン」と音が出たら、かかとを叩きつけているということです。
こうした歩き方は、地面からの衝撃でかかとを痛めるだけでなく、ひざや腰にもストレスを与えるので要注意です。
かかとを叩きつけてしまう原因は、足の裏から足指への体重移動がスムーズにできていないことと、かかと接地を意識しすぎることにあります。
重心がスムーズに前方移動できるようになると、この問題は解決します。
上半身を後方に反らさない
今まで悪い歩き方をしてきたかたは後ろ重心で歩いてきたので、「重心を前方に移動しながら歩く」という身体感覚がありません。
そのため、かかとから着こうと意識して足を前方に出したとき、体がいっしょに前方に移動せず、反射的に上半身を後方に反らしがちです。
後ろ重心のままでは、かかとから接地しても体重が前方へ移動しないため、ゆりかご歩きができません。
次項の≪ステップ2≫を参考にして、上半身を後方に反らさないように注意しましょう。
指先(足の人差し指)は前方に向ける
かかとで接地する際、足の第2指(人差し指)の指先はまっすぐ前方に向けることを意識してください。
がに股や内股などで指先が内側あるいは外側に向いていると、体重が内側や外側に片寄りすぎることになるため、足の第1指(親指)の裏まで体重を移動させることができません。
【ステップ②】体の重心を前方に移動する

足の裏から親指方向へ
ゆりかご歩きで最も重要といえるポイントは、体の重心を前方に移動させることです。これによって、かかと→足の裏→足指へと、体重が自然に前方移動するようになります。
重心が正しく前方に移動すると、足の裏全体が地面に着いたときに、体は接地した足の真上に移動しています。
このときに意識したいのは、足の親指方向にしっかり体重を乗せることです。
具体的に説明しましょう。
5本の足指に体重を乗せるとき、体重の半分が親指に乗るようにイメージし、足の裏から足指に体重を移動させて歩きます。これにより、親指の筋肉を強化することができます。
体重を前方へ移動するとき、ゆりかごの動きをイメージして、かかと→足の裏→足指へと、足裏の接地面がスムーズに移動するように歩きましょう。
よく見られる悪い例は、足の裏の体重移動が親指のつけ根の付近で止まるケースです。こうした歩き方を続けていると、やがて親指のつけ根付近が腫れて痛むようになります。
また、体重移動が小指のつけ根で止まるケースもしばしば見られます。
このように親指以外の方向に体重が移動すると、指のつけ根の痛みなどのトラブルを招くので気をつけましょう。
骨盤から歩くイメージで
ゆりかご歩きを行うときは、骨盤を中心にして体を前方に移動させるイメージで歩きましょう。
実際に私がクライアントさんに歩行指導をすると、初めのうちはほとんどのかたが「こんなに前のめりで歩くのですか!」と非常に驚かれます。普段それだけ、後ろ重心で歩いているということです。
自分の両手で、骨盤を後ろから押しながら歩行練習をすると、コツがつかみやすいでしょう。
上半身や骨盤だけで前方移動しない
重心を前方に移動させるとき、上半身だけ移動させるかたがいますが、これはNGです。
このような歩き方では、重心の前方移動がスムーズにいかず、見た目もよくありません。
≪骨盤〜肩〜頭≫を結ぶライン全体が、水平に前方移動するような意識を持ちましょう。
また、骨盤だけを前方に出すのもNGです。
骨盤で歩くイメージを持つことは重要ですが、それを意識しすぎると、頭や肩が骨盤より後方に残り、ふんぞり返って歩くようになります。
骨盤が前方移動しても、上半身の前方移動が伴わないと、足指に体重が移動しません。
ゆりかご歩きをくり返し練習して、重心の前方移動を身につけましょう。
【ステップ③】足指で体重を支える

体重を指に移動させる
ゆりかご歩きでは、歩行サイクルの最後に足指がしっかりと地面に着いて、体重を支えることが重要です。
足指に体重を乗せるコツは、≪ステップ2≫で説明した体の重心を前方に移動することです。
体の重心がしっかり前方に移動できるようになれば、かかとが自然に上がって足裏が後方から見えるようになります。
これで、自然に体重が親指方向に移動します。歩行中に足裏がきちんと見えているかどうか、周りの人に後方からチェックしてもらうといいでしょう。
地面をつかまない
歩行の指導などで「地面を足指でつかむように歩く」とよくいわれますが、これは足のトラブルの元なのでやめましょう。
地面を足指でつかむように意識すると、指の第1・2関節に力が入りますが、第3関節には力が入らないので、横アーチ筋を強化する効果はありません。
それどころか、靴の中で指は縮んだ状態になって、「ハンマートゥ」という変形を起こしたり、指どうしがすれ合って指の間にタコができたりします。
足指が体重をしっかり支えるには、靴の中で指が伸び、互いに開いている状態が理想です。
指に力を入れない
歩行時に指を使うことを意識しすぎると、指に力を入れて体重を支えようとしがちです。すると、ゆりかごの動きが止まり、体重の移動も指のつけ根で止まります。
その結果、指のつけ根が体重を支える「支点」となり、体重が最後まで指に移動しなくなります。
また、指に力を入れて歩くと、“背伸び”のような姿勢になることで、体が上下にグラグラと動いて不安定になり、重心の前方移動もじゅうぶんにできません。
「歩き方を変えたら、よけいに痛くなった」と訴えるかたの歩き方をチェックすると、ほとんどのかたがこのように足指に力を入れて歩いています。
足指ではなく、重心の前方移動に意識を向けると、体重はスムーズに前方に移動します。指のつけ根が「通過点」となり、自然に体重が指に移動していくからです。
その後は、体重が足の親指から抜けていくようなイメージで、指が地面から離れていくように歩きます。
このとき、歩行中に頭が上下せず水平に移動しているか、周りの人にチェックしてもらいましょう。
ここまでのポイントを意識して歩行すれば、足裏の接地面はゆりかごのように移動していることでしょう。
ハンディカメラやスマートフォンをお持ちのかたは、自分の歩行を動画撮影すると、自身で歩行状態のチェックができます。足元が映るようにカメラを床の上に置き、それに向かって1往復歩きましょう。
「ゆりかご歩き」を習慣にして、さよなら外反母趾!
「ゆりかご歩き」の効果により、外反母趾の痛みが改善し、変形の進行もくい止めます。もちろん、大人だけでなく、子どもの外反母趾の改善にも有効です。痛くない明日に向けて、ぜひ実践してみてください。

記事の抜粋元『外反母趾が改善!ゆりかご歩き』(ブティック社・税込定価 1,650円・2025年07月14日発売)「詳細なイラスト解説付き」公式サイト https://www.boutique-sha.co.jp/38460/
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