ハイレゾ音源を購入できる国内の2大配信サイトといえば、ハイレゾ音源だけを扱う「e-onkyo music」と、洋・邦を問わず、親しみ深いアーティストの作品が多い「mora」の2つ。使い方は両サービスとも大きな違いはなく簡単。パソコンがなくてもスマホだけで利用することができる。
「ハイレゾ配信サービス」とは
圧倒的な情報量を持つ超高音質のファイルをダウンロードできる
ハイレゾ音源を購入できる国内の配信サイトは、ここ数年で、いくつかの参入や撤退があり、現在は5、6サイトがサービスを提供している。しかし、大手といわれるのは「e-onkyo music」「mora」の二つだ。現在、ハイレゾで配信されているメジャー作品は、ほとんどをこの2大サービスでカバーできる。
中には「OTOTOY」(※)のように、ほかではあまり見かけないインディーズの音源が豊富にそろうサービスもあるが、初心者は、とりあえず前述の二つを使ってみるのがいいだろう。※「OTOTOY」……国内アーティストを中心に高音質音源の提供を行う配信サービス
まずは2大サイトの特徴を押さえよう
日本のハイレゾ配信の草分け。ハイレゾの入門情報も充実
e-onkyo music
URL▶http://www.e-onkyo.com/music/
・パソコンの画面
・スマホの画面
ハイレゾ音源だけを扱う
「e-onkyo music」は、ハイレゾ音源だけを扱う配信サービス。2005年のサービス開始当初から、配信に利用するファイル形式は時代に合わせて変化させつつも、「非ハイレゾ音源は扱わない」という基本方針はぶれていない。
ほかのサイトでは、ハイレゾと非ハイレゾが混在しているため、ファイルの購入時には注意が必要だが、ここであれば、安心してハイレゾ音源だけを選ぶことができる。初期はクラシックやジャズが多いイメージもあったが、現在はオールジャンルといっていい充実ぶりである。
配信形式が豊富なことも特徴。実際の形式は作品によっても変わるが、ハイレゾの標準形式といえるFLACだけでなく、WAVやDSD、Dolby HD、そして新形式であるMQAまで用意されている。
中には同一作品でサンプリングレート違い、つまり音質違いが用意されている場合もあるので、環境や好みに合わせて選ぶことができるのだ。
洋・邦を問わず、親しみ深いアーティストの作品がズラリとそろう
mora
URL▶https://mora.jp/
・パソコンの画面
・スマホの画面
聴きたい曲が高確率で見つかる
一方、「mora」は、邦楽、洋楽を問わず、メジャーな楽曲やアーティストが豊富にそろう配信サービス。好きな曲、聴きたい曲が高確率で見つかるはずだ。
ただし、「e-onkyo music」とは違って、ハイレゾと非ハイレゾの作品の両方が販売されているので、注意したい。目的の曲を検索して「見つかった!」と思っても、それが非ハイレゾという場合がままある
もちろん、画面上では、ハイレゾ/非ハイレゾの違いは表示されているし、ハイレゾ作品だけを絞り込んで検索することもできるのだが、初心者の場合は「うっかり」が起こりやすいので、よく確認しよう。
逆にいえば、ハイレゾ/非ハイレゾを問わず、作品優先で音源を購入したい人にとっては、幅広い作品を検索できるので便利だ。
配信形式は、ハイレゾ作品の場合はFLACが基本。一部作品にはDSDもあるが、「e-onkyo music」のように幅広い形式を扱っているわけではない。
ハイレゾ配信サービスの使い方
スマホだけで利用することもできる
実際の使い方は、両サービスともそれほど大きくは変わらない。
初回は画面に従って無料の会員登録を行い、気になる曲を試聴しながら買いたい作品をカートに入れ、決済・ダウンロードを行う。ただし、試聴音源の音質はハイレゾではないので、あくまでも内容の確認と考えておこう。
どちらのサービスも専用のプレーヤーアプリが決まっているわけではなく、著作権保護もかかっていないので、好みのハイレゾ対応プレーヤーアプリで再生することができる。
例えば、ソニーの「Music Center for PC」なら、無料で対応形式も豊富なので、初めてでも使いやすいだろう。なお、「e-onkyo music」「mora」ともに、パソコンがなくても利用が可能。スマホを使ってサイトにアクセスし、そのまま購入・ダウンロードして聴くことができる。
パソコンやスマホではなく、自宅のオーディオ機器で聴くことが目的であれば、「e-onkyoダウンローダー」に対応する機器を使う手もある。
パソコンを使うことなく、対応オーディオもしくは、そこにつないだUSB HDDにハイレゾ音源を直接ダウンロードできるので、パソコンレスでシステムが完結する。
解説●大坪知樹(フリーライター)