プロバイダーを選ぶとき、回線の種類や速度、料金が同じようなところが複数あり、悩む人も多いだろう。プロバイダーによる違いが出るのは「速度」。例えば、ネット動画配信サービスで4K動画をたくさん見る人なら速度の速い大手を選ぶとよい場合が多いが、乗り換えは慎重に。自分の使い方に合わせて検討したい。
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プロバイダーによる違いって、何がある?
読者から質問
インターネットのプロバイダー選びで悩んでいます。回線の種類や速度、そして料金が同じプロバイダーが複数ありますよね。ウェブページを見たり、SNSを利用したりするとき、プロバイダーによって何か違いがあるのでしょうか?(A・Oさん 大阪府 35歳)
専門家の回答
編集部:
この質問は篠原義夫さんに聞きましょう。
専門家:
「結論からいえば、プロバイダーによって最も違いが出るのは『速度』です。各社が標榜する速度は一見すると横並びですが、これは『ベストエフォート』といって、最良の条件がそろったときのみ実現可能なもの。実際には、プロバイダーによって速度は変わります。
なぜプロバイダーによって速度差が生じるのかというと、まず『ネットワーク設備』の違いが挙げられます。充実した設備を持つプロバイダーはアクセスが集中しても速度が大幅に遅くなることはさほどありませんが、設備が貧弱だと、速度低下が頻繁に生じやすくなるといわれています。
それと、『契約ユーザー数』も重要。ユーザー数が多いほど速度低下を招きやすく、逆に、数が少なければ、速度が遅くなりにくいのです。
ただ、現実には、設備が充実していればユーザー数が多くなり、ユーザー数が少なければ設備が貧弱になりがちと、良好な条件にはならない場合がほとんどです。
それなら、どのプロバイダーを選んでも大差はないと思うかもしれませんが、決してそういうわけではありません。やはり少しでも設備が充実している大手のプロバイダーを選んだほうが、速度も速くなる可能性が高くなります」
編集部:
どんな人でも、大手にしたほうがいいのでしょうか?
専門家:
「そうですね、速度的には大手ほど有利といえますが、誰もが大手じゃなければダメとはいえません。A・Oさんが書かれているように、ウェブページを見たり、SNSを利用したりというだけだったら、速度的にそれほどすごいものは必要ありません。
逆に、ネット動画配信サービスで4K動画をたくさん見るという人は、大手にしておくほうがいいでしょう。
また、現在の自宅のネット回線が遅くて困っているという場合、今契約しているプロバイダーを解約し、別の大手プロバイダーと契約するのがいいかというと、これも、必ずしもそうではありません。
もし、光回線なのに1Mbpsくらいしか出ていないなど、極端に遅い場合、何かのトラブルが起こっていることも考えられます。そのようなときは、今契約しているプロバイダーのカスタマーセンターに相談するのが先です。解約やプロバイダーの乗り替えは、相談しても解決できなかったときに検討するのがいいでしょう」
編集部:
なるほど。了解しました!