【iPhone】ショートカットとは?アプリの使い方とおすすめの作成方法を簡単図解!

iPhone

iPhoneの「ショートカット」アプリは、複数のアプリや操作を組み合わせた一連の動作をボタンひとつでこなせる「自動化アプリ」だ。例えば、目的地までの経路を始め、定型文のメッセージ送信や、予定のメール送信など、本来は複数の操作を必要とする処理もワンタッチでこなせる。スマホ操作の効率化に極めて役立つが、自由度が高すぎるせいもあり、ビギナーにはとっつきにくいという問題がある。そこで今回は、アプリの導入から活用方法までをわかりやすく解説していく。

iPhoneのショートカットアプリとは?

「ショートカット」アプリとは、複数の操作やアプリを必要とする一連の動作をあらかじめ登録しておくことで、いつでもワンタッチで呼び出せる「自動化アプリ」だ。

もっとも、アプリの操作を自動化するという、特殊な使いみちのアプリということもあり、杓子定規な説明だけはなかなか理解し難いことだろう。

そこで、もう少し身近な例で説明すると──例えば、誰でも普段からよく利用する「お決まりの操作」があることと思う。

自宅までの経路、プレイリストやアルバムの再生、キッチンタイマーや選択タイマー、知人への電話など、例を挙げればきりがないほどだろう。ただし、こうしたお決まりの処理でも、いざ実行しようとすると思いのほか手間がかかるものだ。

例えば、「自宅までの経路」なら

・「マップ」を起動
・スポット検索から「自宅」の場所を指定
・交通手段を選択

と最低でも3ステップの操作が必要となる。

一方、お手軽そうな「キッチンタイマー」だが、操作手順を紐解くと、

・「時計」を起動
・「タイマー」を選択
・タイマー時間を設定
・「開始」をタップ

実は最低4ステップも要する。

もっとも、これらはまだマシなほうで、さらに多くの操作が必要となる作業も決して珍しくはない。ほとんど決まりきった作業に対して、日々、これほどの手間を掛けているかと思うと、非常に馬鹿らしく思えてくるはずだ。

そこで出番となるのが、他ならぬショートカットアプリだ。実は、本アプリを使えば、前述した作業はすべてワンタッチ化することが可能だ。

しかも、作成したショートカットはホーム画面にアイコンとして登録もできる。
例えば、よく使う作業をあらかじめアイコン化しておけば、もはや個別のアプリを開く必要すらなくなるほどだ。これほど便利なアプリを使わない手はないだろう。

敷居がやや高いと感じる人もいるだろうが、その点はご心配なく。本記事では導入から活用方法までをビギナー向けに解説していくので、誰でも使いこなせるようになるはずだ。

ショートカットアプリの導入方法

「ショートカット」アプリを利用するには、iOS12以降のOS環境が必須となる。本節では、iOS12向けにアプリのインストール手順を解説していく。

なお、iOS13は標準アプリとしてプリインストール済みとなっているので、本節は読み飛ばしてもらって構わない。

まずAppStoreを起動し、「検索」をタップして開こう。

検索ボックスに「ショートカットアプリ」と入力して実行。

「ショートカット」アプリの名前部分をタップして詳細を開く。

「入手」をタップして、インストールを実行する。

画面にアイコンが追加される。

以上でショートカットアプリの導入は完了となる。
インストール手順は通常と変わった点はないので、特に難しいことはないはずだ。

「ショートカット」を使ってみよう

アプリの導入が済んだらさっそく「ショートカット」作成に取り掛かりたいところだろうが、それはちょっと待ってほしい。

作成方法ももちろん大事だが、まず初めにショートカットの使い方から覚えたほうがいい。そうしてショートカットの概念や操作をひと通り身につけてからのほうが作成もスムーズにこなせる。
それになにより、多種多様なショートカットを試すのは理屈抜きに面白いからだ。

とはいっても、まだアプリを起動しただけなんだから、使えるショートカットはひとつもないのでは?──と思うかもしれないが、その点は大丈夫。ありがたいことにアプリの「ギャラリー」内にはあらかじめ多種多様なショートカットのテンプレートがストックされている。

ここではギャラリーからショートカットを登録&起動する方法を詳しくレクチャーしていく。気になるショートカットがあれば気軽に登録して、片っ端から試してみるといいだろう。

「ギャラリー」のショートカットを追加する

下部のツールバーから「ギャラリー」をタップして、ギャラリー画面を表示する。

画面から好みのショートカットをタップして選ぶ。
ここでは例として「クイックショートカット」欄の「自宅への経路」を選択した。

ショートカットの説明が表示される。内容を確認し、「ショートカットを取得」をタップする。

ショートカットによっては「構成」と呼ばれる設定が別途必要な場合もある。基本的には、画面の説明に従って必要な情報を入力していけばいい。

ちなみに「自宅への経路」ショートカットの場合は、自宅の住所を入力する必要がある。

構成が完了して画面がギャラリーに戻ったら、画面下部の「ライブラリ」をタップ。

ショートカットが「ライブラリ」に追加される。

ショートカットの起動方法

ライブラリのショートカットを起動するには、目的のショートカットをタップすればいい。
ここでは、先ほど登録した「自宅への経路」のショートカットを例にとって説明する。

まず「自宅への経路」をタップする。
なお、ショートカットの設定が開いてしまうので、「…」部分はタップしないこと。

自動的に「マップ」アプリが起動して、現在地から自宅までの経路が示される。

なお、ショートカットによっては、初回起動時にアクセス権限を求めてくる場合がある。
その際は「OK」をタップして許可しよう。
いったん許可すれば、次回以降は同様のアクセス権限は要求されなくなる。

ショートカットの削除方法

ショートカットの削除は「ライブラリ」から行える。
まずライブラリを開いて、画面左上の「編集」をタップ。

編集モードに切り替わると、画面のパネルが振動を始める。

パネルをタップして、削除したいショートカットを選ぶ。
この際、複数のパネルを選択することも可能だ。

選択が完了したら、画面右上のゴミ箱アイコンをタップする。
これでショートカットがライブラリから削除される。

なお、編集モードでは、ドラッグ操作でパネルの並べ替えも可能だ。

ショートカットの複製方法

ライブラリのショートカットは複製もできる。例えば、ショートカットをカスタマイズする際などは、前もって複製を作っておけば、万が一、カスタマイズが失敗しても編集前の状態に簡単に戻すことができる。

複製を作成するには、まずライブラリ画面左上の「編集」をタップして編集モードを起動。
次に、複製したいショートカットを選択し、画面右上の「+」をタップする。

「ショートカット名+数字」という名称の複製が作成される。
さらに「+」をタップすると、そのたびに「2、3、4……」と連番で複製が生成されていく。

複製が完了したら、画面左上の「完了」をタップしよう。

「ウィジェット」からショートカットを起動する

ショートカットを起動するのに、いちいちショートカットアプリを開くのはやはり面倒だ。そこで出番となるのが、おなじみ「ウィジェット」だ。

ウィジェットに「ショートカット」を表示するように設定しておけば、ホーム画面から手間なくショートカットを起動できるようになる。

ショートカットをウィジェットで利用するには、まずホーム画面最左のウィジェット画面を表示。次にウィジェット画面の「編集」をタップする。

ウィジェットの登録画面が表示されたら、「ショートカット」項目左端にある「+」をタップ。

画面を最上部までスクロールさせて、「ショートカット」が登録されているか確認する。
無事登録されていたら、画面右上の「完了」をタップ。

ウィジェットにライブラリのショートカットが表示される。
ショートカットのパネルをタップすれば、もちろん、そのまま起動することが可能だ。

ホーム画面に「ショートカット」のアイコンを追加する方法

ウィジェットからショートカットを起動できるだけでも十分便利だが、実は、さらに手っ取り早く起動する手がある。それは、ホーム画面にショートカットをアイコンとして登録する方法だ。

毎日利用するような利用頻度の高いショートカットがあるなら、手間なく起動できるようにホーム画面に登録しておくといいだろう。

設定方法は、まずライブラリを開いて目的のショートカット欄にある「…」をタップする。

次に、画面右上の「共有」アイコンをタップ。

共有メニューの「ホーム画面に追加」をタップ。

Safariが起動したら、画面下の共有アイコンをタップ。

共有メニューから「ホーム画面に追加」をタップ。

「追加」をタップ。

ホーム画面にアイコンとして追加される。
アイコンをタップすると、そのままショートカットを起動することが可能だ。

「ショートカット」自作にチャレンジしよう

ショートカットの使用方法をマスターしたら、自作にチャレンジしてみるといいだろう。

ギャラリーのショートカットは完成度が非常に高いが、万人向けに作っていることもあってやや不満に感じることもあるだろう。それに、ギャラリーには多種多様なショートカットをあるといっても、当然限界はある。いくら探しても、目当てのショートカットが見つからない場合もあるはずだ。

しかし、自分だけのオリジナルショートカットを作れば、そんな歯がゆい思いをすることはない。

ただし、率直にいって自作のハードルは、決して低くはない。プログラミングそのもの、とまではいかないが、それに近い素養が必要となるのは確かだ。

それゆえ、ビギナーがいきなり高度なショートカットを作るのはやや無謀といえなくもない。まずはシンプルな内容から挑戦していき、徐々にスキルアップしていくといいだろう。

そこで今回は、参考までに2種類のショートカット作成方法を紹介する。

ひとつは誰でも覚えられるシンプルな内容、もうひとつは複数の操作を組み合わせた、やや高度な内容となる。まずはシンプルなショートカットの作成から覚えていき、ある程度慣れてきたら、高度な内容にもチャレンジしていくといい。

もちろん、自分には手に負えないと思ったら、無理に高度なショートカットの作成方法を覚える必要はない。シンプルなショートカットを作れるようになるだけでも、スマホ操作の効率化に十分役立つはずだ。

シンプルなショートカットの作成方法

シンプルなショートカットとして作成するのは、「3分間タイマー」をワンタッチで設定できる「ラーメンタイマー」だ。

まず「ライブラリ」の「ショートカットを作成」をタップしよう。

「名称未設定ショートカット」画面が開いたら、下部の「アクション」メニューから「App」→「Appを開く」を選択する。

「アクション」とは、ショートカットの構成要素で、特定の機能を呼び出すことが可能。例えば、「Wi-Fiの設定」や「ブルートゥースの設定」「メッセージの送信」「現在地の取得」など、多種多様なアクションが用意されている。
ショートカットの作成では、こうしたアクションを組み合わせることで実現したい一連の動作を構成していくというわけだ。複雑なショートカットを作るには複数のアクションを用いる必要があるが、当然、そのぶん難易度は高くなる。
ただし、Wi-Fiのオン・オフなど、簡単な内容なら1~2個程度のアクションでも十分実現可能だ。

ここで使用する「Appを開く」アクションは、「指定したアプリを起動する」という動作を実行できる。「Appを開く」の「選択」をタップしよう。

「時計」をタップ。

これで「時計が起動する」というアクションが設定されたことになる。

次は、3分間のタイマーを設定するアクションを定義していこう。
ここでは「時計」アクションを利用して、タイマーの設定を行っていく。

下部アクションメニューから「時計」→「タイマーを開始」を選択。

「タイマーを開始」の「継続時間」を「3分」に設定。
これで3分間のタイマーが設定されたことになる。

設定が完了したら、画面右上の設定アイコンをタップしよう。

この画面では、ショートカットの名称やアイコンなど、全般的な設定を行える。
「名前」欄に「ラーメンタイマー」と入力し、画面右上の「完了」をタップしよう。

画面中央上の「▶(再生ボタン)」をタップして、動作テストをする。

時計アプリが起動して、3分間のタイマーが起動すればOKだ。

「完了」をタップして、ショートカットをライブラリに保存しよう。

やや高度なショートカットの作成方法

ひと口に高度なショートカットといっても内容はさまざまだが、今回はビギナーにはなかなか理解しにくい「変数」や「スクリプティング」は使わずに、やや複雑な動作を実現してみることにした。

サンプルとして作成するショートカットは、「ボイスメモを録音し、指定したメールアドレスに自動送信する」というものだ。

作成したショートカットをホーム画面に登録しておけば、メッセージを書けないような緊急時などにも、ワンタッチで伝言を録音して指定した相手に送ることができる。

それでは、まずライブラリの「ショートカットを作成」をタップしよう。

アクションメニューから「オーディオを録音」をタップ。

ここでは、指定した秒数の音声を録音するアクションを設定できる。

「オーディオを録音」の「録音を開始」は「すぐに」、「録音を終了」は「時間経過後」にそれぞれ
変更。「継続時間」は「録音時間」のことだが、あまり長めに設定すると相手の受信可能なメールサイズを超過するおそれがあるので「5秒」程度に設定しておくといいだろう。

次は、録音したボイスメモを指定したアドレスにメール送信するアクションを作ろう。

使用するアクションは「メールを送信」だ。
アクションメニューから「メールを送信」をタッしようプ。

この際、ログインを求められたら、画面の指示に従って利用するメールアカウントを設定すること。

ログインが完了したら、「メール送信」の「作成シート」はオフ、「宛先」は「送信先のメールアドレス」をそれぞれ設定する。

件名は自由だが、「聞いてください」など相手にボイスメモが添付してあることがわかる内容にしておいたほうがいいだろう。

設定が終わったら、画面右上の設定アイコンからショートカットの名称を「ボイスメール」などとしておくといいだろう。

画面中央上の「▶(再生ボタン)」をタップして、動作テストを行おう。

オーディオ録音が起動して、録音完了後、指定したメールアドレスにボイスメールが届いていればOKだ。

ショートカットの作成画面に戻り、画面右上の「完了」をタップしてライブラリに保存しよう。

まとめ

iPhoneの「ショートカット」アプリは、アイデアとテクニック次第で面倒なスマホ操作を大幅に効率化できる、実に革新的なアプリだ。
高度なショートカットの作成にはアプリの操作を指定するだけではなく、「変数」を始め、プログラミングでいうところの「命令文」的な「スクリプティング」を用いる必要もあるなど、決してひと筋縄ではいかない。しかし、そのぶんやりがいもあるし、クリエィティブな楽しみも味わえるはずだ。
もちろん、難しいことは苦手というなら、あらかじめ用意された「ギャラリー」のショートカットを活用するだけでもまったく問題はない。手間の掛かる作業は操作はショートカットでどんどんワンタッチ化してしまおう。

◆篠原義夫(フリーライター)
パソコン雑誌や家電情報誌の編集スタッフを経て、フリーライターとして独立。専門分野はパソコンやスマホ、タブレットなどのデジタル家電が中心で、初心者にも分かりやすい記事をモットーに執筆活動を展開中。

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