ここでは、フォーカスエリアを全点に設定したり、ホワイトバランス「曇り」で夕焼けを強調する撮影方法。また、天気がイマイチのときはモノクロ撮影したり、迫力を出したいときは、低めから広角で撮るプロ技をBEFORE → AFTERでチェック!!
解説者
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フォトグラファー
大浦タケシ(おおうら・たけし)
キメ技 スナップ編(1)スナップはフォーカスエリアを全点に設定しよう
シャッターチャンスを逃したくないスナップ撮影では、フォーカスエリアモードをオート(全点選択)にするのも一手だ。
1点選択の場合は、被写体をフォーカスエリアと重ねてシャッターボタンの半押しを行い、フォーカスロックをかけた状態のままアングルを変える必要があるが、全点選択なら、最初からアングルを決め、そのままシャッターを切れる。
多少のピントのズレは、絞り込むこととワイドレンズの使用で解決できるので、一瞬をとらえたいスナップ撮影では、フォーカスエリア選択を上手に活用したい。
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いきなり撮ってもピントが合う!
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階段を降りている人が店に入る瞬間をパッと撮ったが、人物にも階段にもピントが合った。
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一瞬の出来事も確実に切り取れた
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夕方、斜光がバスを照らす。一瞬だったが、すかさずカメラを向けて撮り、高コントラストな写真になった。
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メーカーなどにもよるが、フォーカスエリアは基本的に1点/グループ/オート(全点)から選択できる。
キメ技 スナップ編(2)ホワイトバランス「曇り」夕焼けを強調しよう
ホワイトバランスは、光源の色かぶりを補正し、見た目にナチュラルな色合いにする機能だ。しかし、この機能を利用して意図的に色かぶりを発生させ、カラーフィルターの替わりとして使うこともできる。
中でも応用しやすいのが、夕焼けや朝焼け。ホワイトバランスを「曇り」に設定すると、赤みがより強調される。
「晴天日陰」でも度合いの差はあるものの、同様の結果が得られる。ちょっと赤みが足りないときなど、赤色系のカラーフィルターの替わりとして使ってみるといいだろう。
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殺風景な色合いから美しい色に変わった
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ホワイトバランスを「曇り」に設定すると、夕焼けらしい色合いの写真になった。ストロボで浮かび上がらせたヒガンバナも、その赤みが強調されている。
キメ技 スナップ編(3)天気がイマイチのときはモノクロで撮ってみよう
曇天での撮影は、輝度が低いため、どことなく眠くて地味な印象の写真になりやすく、露出や彩度などを調整しても解決できない。
そんなときは、思い切って仕上がり設定を「モノクロ」にして撮影してみるといい。メーカーによって異なるが、モノクロではコントラストなどの調整のほか、粒状感を付加できるものもあり、モノクロフィルムで撮影したような写りが楽しめる。
RAWとJPEGの同時記録で撮影すれば、RAWはカラーで記録されるため、「カラーで撮っておけばよかった」と後悔することもない。
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モノクロにすることで味わいのある写真に見える
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イマイチさえない風景も、モノクロにするとちょっと味わいある写真になるはずだ。
キメ技 スナップ編(4)迫力を出したいときは低めから広角で撮ろう
構造物などを迫力ある写真にしたいときは、広角レンズを使い、なるべく被写体に迫って低い位置から仰視するようなアングルで撮るといい。
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超広角レンズで迫力のある写真
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35ミリ判換算18ミリで撮影。超広角レンズならではの強い遠近感により、迫力のある写真となっている。
被写体本来の形とは違う見え方となるが、遠近感の強い、迫力のある仕上がりとなる。レンズの画角は広ければ広いほど、また、被写体との距離は近ければ近いほど、その効果は高くなる。
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手前の構造物に寄ることで遠近感を強調
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焦点距離20ミリのレンズで撮影。手前の排気口にグッと寄って、背景のビルとの遠近感も強調した。
なお、レンズの画角が狭く、被写体との距離が遠いほど、ワイドレンズを使ったような迫力はなくなるが、被写体本来の形をしっかりと見せることができるということも覚えておこう。
解説/大浦タケシ(フォトグラファー)