20万円台の高級クラスでは、ソニー「α 7R II」が4240万の高画素ながらこなれた価格でいい。ほかにもオリンパス「OM-D E-M1 Mark II」はAFと連写のパフォーマンスが高いだけでなく、防塵や防滴性もあり天候を選ばない撮影時の強い味方だ。
- ミラーレス20万円以上防塵・防滴のマグネシウム合金ボディに高機能を満載オリンパス 「OM-D E-M1 Mark II」
- ミラーレス20万円以上4240万画素の高解像度モデル。価格的にねらい目ソニー 「α7R II」
- ミラーレス20万円以上ISO40万の高感度モデル。AFはコントラストのみソニー「α7S II」
- ミラーレス20万円以上キヤノン初のフルサイズミラーレス。縦位置でも撮影しやすいキヤノン「EOS R」
- ミラーレス20万円以上スタンダードモデルながら、693点測距などハイスペックソニー「α7 III」
- ミラーレス20万円以上連写性能を高めたオールラウンド機。高感度にも強いニコン 「Z6」
- ミラーレス20万円以上画素数を抑え、20万の高感度を実現。人体認識AFにも対応パナソニック 「DC-GH5S」
- まとめ
ミラーレス20万円以上防塵・防滴のマグネシウム合金ボディに高機能を満載オリンパス 「OM-D E-M1 Mark II」
オリンパス
OM-D E-M1 Mark II
2016年12月発売
実売価格例:20万7070円(ボディ) | |||
有効画素数 | 最高感度 | AF測距点 | 最高連写速度 |
2037万 | ISO 2万5600 | 121点 | 15コマ/秒 |
幅134.1mm×高さ90.9mm×奥行き68.9mm・574g |
高速なハイブリッドAFと連写機能を備えたオリンパスのフラッグシップモデル。ハイエンドの防塵・防滴性を誇るマグネシウム合金ボディに、5.5段分の効果を持つボディ内手ブレ補正を搭載する。最新ファームでAF関連の機能と性能が大幅に向上している。
測距点選択用のジョイスティックがない。多機能なぶん、メニューが複雑でわかりづらい。値下がり幅が小さい。
採点表 満点は★5個 | |
実写性能 | ★★★ |
機能性 | ★★★★★ |
操作性 | ★★★★★ |
取り回し | ★★★★ |
コストパフォーマンス | ★★★ |
ミラーレス20万円以上4240万画素の高解像度モデル。価格的にねらい目ソニー 「α7R II」
ソニー
α7R II
2015年8月発売
実売価格例:20万6550円(ボディ) | |||
有効画素数 | 最高感度 | AF測距点 | 最高連写速度 |
4240万 | ISO 10万2400 | 399点 | 5コマ/秒 |
幅126.9mm×高さ95.7mm×奥行き60.3mm・625g |
プロやハイアマチュアに人気の高い高解像度モデルで、ローパスフィルターレス有効4240万画素の撮像センサーを搭載する。α7IIと同じく、4.5段分の効果を持つボディ内手ブレ補正を装備。後継モデルのα7RIII、RIVが登場しており、発売時の半額以下に値下がりしているのも見逃せない。
連写は5コマ/秒と遅く、電池のもちもよくない。モニターはチルト式でタッチ機能も備えていない。
採点表 満点は★5個 | |
実写性能 | ★★★★★ |
機能性 | ★★★★ |
操作性 | ★★★★ |
取り回し | ★★★ |
コストパフォーマンス | ★★★★ |
ミラーレス20万円以上ISO40万の高感度モデル。AFはコントラストのみソニー「α7S II」
ソニー
α7S II
2015年10月発売
実売価格例:24万20円(ボディ) | |||
有効画素数 | 最高感度 | AF測距点 | 最高連写速度 |
1220万 | ISO 40万9600 | 169点 | 2.5コマ/秒 |
幅119mm×高さ67.7mm×奥行き41.1mm・320g |
画素数を1220万に抑えて、ISO40万9600の超高感度を実現したモデル。ボディ内手ブレ補正や本体のみでの4K動画記録にも対応した。モデルチェンジが近いとの噂もあって、発売時の半額近くまで値を下げている。機能や性能に不満がないなら買い得だ。
速い動きが苦手なコントラストAFのみ。連写スピードの遅さや電池のもちの悪さ、タッチ機能がない点などはα7R IIと同じだ。
採点表 満点は★5個 | |
実写性能 | ★★ |
機能性 | ★★★ |
操作性 | ★★★★ |
取り回し | ★★★ |
コストパフォーマンス | ★★★★ |
ミラーレス20万円以上キヤノン初のフルサイズミラーレス。縦位置でも撮影しやすいキヤノン「EOS R」
キヤノン
EOS R
2018年10月発売
実売価格例:22万3300円(ボディ) | |||
有効画素数 | 最高感度 | AF測距点 | 最高連写速度 |
3030万 | ISO 10万2400 | 5655ポジション | 8コマ/秒 |
幅135.8mm×高さ98.3mm×奥行き84.4mm・660g |
キヤノン初のフルサイズミラーレス一眼。有効3030万画素撮像センサーを搭載する。競合するソニーやニコンと違って、縦位置でも便利なバリアングル式モニターを備える。最新ファームウエアでAF性能の向上や瞳AFのサーボAF対応などが行われた。
AFは快速だが、ピント追従での連写は5コマ/秒と遅い。ボディ内手ブレ補正がない。手ごろな価格の純正レンズが少ない。
採点表 満点は★5個 | |
実写性能 | ★★★ |
機能性 | ★★★★ |
操作性 | ★★★★★ |
取り回し | ★★★ |
コストパフォーマンス | ★★★ |
ミラーレス20万円以上スタンダードモデルながら、693点測距などハイスペックソニー「α7 III」
ソニー
α7 III
2018年3月発売
実売価格例:25万270円(ボディ) | |||
有効画素数 | 最高感度 | AF測距点 | 最高連写速度 |
2420万 | ISO 20万4800 | 693点 | 10コマ/秒 |
幅126.9mm×高さ95.6mm×奥行き73.7mm・650g |
スタンダードモデルながら、位相差693点のハイブリッドAFや10コマ/秒連写、5段分に強化されたボディ内手ブレ補正、動物の目にも対応した瞳AFといったハイスペックが魅力。タッチパネル内蔵などで操作性が向上し、大容量バッテリーで電池のもちも大幅に伸びた。
二つのカードスロットのうち下段が「スロット1」で混乱しがち。EVFの解像度は、236万ドットとα7R IIIには劣る。
採点表 満点は★5個 | |
実写性能 | ★★★ |
機能性 | ★★★★★ |
操作性 | ★★★★★ |
取り回し | ★★★ |
コストパフォーマンス | ★★★ |
ミラーレス20万円以上連写性能を高めたオールラウンド機。高感度にも強いニコン 「Z6」
ニコン
Z6
2018年11月発売
実売価格例:24万9980円(ボディ) | |||
有効画素数 | 最高感度 | AF測距点 | 最高連写速度 |
2450万 | ISO 20万4800 | 273点 | 12コマ/秒 |
幅134mm×高さ100.5mm×奥行き67.5mm・675g |
同時期に発表されたZ7に比べると、画素数を欲張らずに連写性能を高めたオールラウンダーという位置づけのフルサイズ機。有効2450万画素撮像センサーと、最新画像処理エンジンのEXPEED6を搭載。一方、測距点数はZ7より少ないものの、高感度が1段分強く、AFも暗いシーンに強い。
交換レンズの選択肢がまだまだ少ない。縦位置グリップが用意されておらず、電池のもちもいま一つ。
採点表 満点は★5個 | |
実写性能 | ★★★ |
機能性 | ★★★★★ |
操作性 | ★★★★★ |
取り回し | ★★★ |
コストパフォーマンス | ★★★ |
ミラーレス20万円以上画素数を抑え、20万の高感度を実現。人体認識AFにも対応パナソニック 「DC-GH5S」
パナソニック
DC-GH5S
2018年1月発売
フラッグシップのDC-GH5をベースに画素数を抑えてISO感度を最高20万4800にまで高めたモデル。実写では、ISO6400でも十分に実用的な画質が得られた。AFにはDC-G9からの人体認識も追加され、横向き、後ろ向きの人物にも対応する。
DC-GH5からボディ内手ブレ補正が省略された。フルサイズ機並みに大きくて重い。画素数が少ないので、風景などには不向き。
採点表 満点は★5個 | |
実写性能 | ★★ |
機能性 | ★★★★★ |
操作性 | ★★★★★ |
取り回し | ★★★ |
コストパフォーマンス | ★★★ |
まとめ
4240万の高画素ながら、こなれた価格のα7R II
20万円台の高級クラスでトップは、合計★20個を獲得したE-M1 MarkIIとα7R IIの2機種だ。
E-M1 MarkIIはAFと連写のパフォーマンスの高さ、カスタマイズ性のよさ(一方、メニューが複雑になったのは残念)、交換レンズを含めたシステムでの軽快さが魅力。防塵・防滴性も高いので、悪天候での撮影時には心強い。
α7R IIは、ローパスフィルターレス4240万画素の高画質とこなれた実売価格は見逃せない。フルサイズ機の中でも屈指の画質をこの価格で手に入れられるのはうれしい。
ローパスフィルターレスの高画質が売り!
ソニー
α7R II
◆解説/北村智史(カメラライター)
※価格は記事作成時のものです。