災害時に役立つのはもちろん、ふだんの行列時に重宝するのが「モバイルチェア」。普通の折り畳みイスは場所を取って周囲の目が気になるが、これなら立っているスペースの中で使えるから気兼ねなく座れていい。列が進んでもそのままスムーズに移動可能だ。折り畳み時は、高さ17.5センチ×直径7.5センチ。重さは約500グラム。
ここまで進んでる!防災アイテム最前線
今回は「モバイルチェア」
数々の被災体験を教訓に、防災用アイテムや防災システムは日々進化を遂げている。ここでは、防災関連の最新事情をクローズアップする。
ふだんから便利に使えて、災害時にも役立つ折り畳みイス
防災アイテム最前線とはいえ、ふだんから使える物取り上げても今回は取り上げてみます。それが、この「モバイルチェア」です。
携帯用の折り畳みイスなのですが、収納時はペットボトルほどの大きさしかなく、非常にコンパクト(重さは約500グラム)。
私も、最初に見たとき、これがイスだとは思いませんでしたが、使ってみると、ものすごく便利です。
持ち運びやすいのはもちろん、組み立てるのも実に簡単。
筒の側面をパカッと開いて座面を作り、脚の部分を伸ばして固定するだけですぐに使えます。
T字型のシンプルな形状ですが、座面の幅は30センチ以上あって、座り心地も悪くありません。
歩き疲れたときなどにこれがあれば、ホッと一息つけること間違いなしです。
SIMPS
モバイルチェア
また、ディズニーランドなどのアトラクションや人気の飲食店などで長い列に並ぶ際にも重宝します。
普通の折り畳みイスだと、場所を取って周囲に迷惑をかけてしまいますが、このモバイルチェアなら、立っているスペースの中で使えるので、気兼ねなく座れるのがいいですね。
列が進むときも、そのままスムーズに移動できます。
そして、この便利さは、非常時にもそのまま役立ってくれます。
地震などで交通機関がストップし、ホームや電車の中で長時間待たされたときなども、これ一つあれば疲労がまるで違います。
避難所生活になって、疲れた体で配給や入浴の列に並ぶときにも、きっと助けてくれるはずです。
防災生活の心得
人が集まる公共の施設で地震に遭遇したら?
今回は、地震発生時にデパートや映画館、スタジアムなどの公共施設にいた場合です。
こうした大勢の人が集まる場所で最も心配なのは、集団パニック。
みんなが我先にと出口に殺到すると、将棋倒しで多くのケガ人を出すおそれがあります。
ですから、人の流れや勢いに飲まれることなく、どう行動すべきかを落ち着いて考えることが大切です。
もし火災が起きているなら、すぐに施設の外に避難すべきですが、津波の危険があるなら、上の階に避難するのがベター。
館内放送や係員の指示がある場合は、それに従って行動しましょう。
また、揺れが収まっても、エレベーターを利用して避難するのは絶対にやめてください。
乗った直後に大きな余震などで停電すると、閉じ込められて身動きが取れなくなってしまいます。
【監修】国崎信江(危機管理アドバイザー)危機管理教育研究所代表。女性・母親として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱。テレビ出演・講演など、精力的な活動を行っている。
取材・文/生島保(フリーライター)
イラスト/早川修