「パソコン用のプリンターを10年近く使用中。メーカーでは、そのインクカートリッジの販売期間が気になる」という読者からの質問に、専門家が回答する。基本的には、そのプリンターの製造が終了しても、修理対応期間中であれば、インクを供給し続ける。修理対応期間が終わった機種でも、販売台数に応じて一定期間インクの製造・供給を続けたのち、販売終了についてアナウンスしてくれる。
あなたの疑問にズバリお答え!
インクカートリッジはいつまで売られてる?
読者から質問
パソコン用のプリンターを10年近く使用していますが、メーカーは、そのインクカートリッジを何年くらい販売しているのでしょうか? プリンターの新製品が出ると、カートリッジも新型になっていることが多いので、気になります。 (K.Oさん 埼玉県 70歳)
専門家の回答
編集部:
これは、ガジェットライターの篠原義夫さんに聞きます。
専門家:「インクカートリッジの販売期間は、メーカーによって状況が異なるというのが正直なところです。基本的に、そのプリンターの製造が終了しても、修理対応期間中であれば、インクを供給し続けます。修理対応期間が終わった機種でも、販売台数に応じて一定期間インクの製造・供給を続けたのち、販売終了をアナウンスします。ただこれも、実際に販売が終了するまでの間に約半年の猶予があるとされています。この期間にインクを購入しておけば、インク自体は2~3年は保管がきくので、所有しているプリンターを使い続けられます。
ちなみにエプソンの場合、プリンターの修理対応は製造終了から5年間。インクの供給は、プリンターの修理対応終了から10年程度は行われているようです。つまりインクの供給は、プリンターの製造終了から15年ほどです。ただ、たくさん売れたプリンターであれば、供給期間が延びる傾向にありますし、不人気製品であれば、もっと早く供給が終わる可能性もあります。また、後継機が同じインクカートリッジを使っている場合は、最後の機種の製造終了を起点にインクカートリッジの供給期間が決められます。前述した期間を目安に、お手持ちのプリンターのインク供給が終わる時期を大まかに把握しておくといいでしょう」
編集部:
手持ちのプリンターの製造終了時期と人気度を調べれば、ある程度推測できるわけですね。
専門家:
「そうです。ただ、購入後10年以上が経過した家庭用プリンターが今後も実用に耐えるのかという問題もあります。現在では複合機が主流でインクの多色化が進み、クラウド機能なども当たり前のように付いていますが、以前は単機能のプリンターが主流で、SDカードスロットの有無や、顔料インクか染料インクかというのが話題になっていましたね。もし今買い替えたら、性能が飛躍的に増して、それでいて安価に高品質な印刷が楽しめるはずです。
それでも『長い期間インクを供給してくれないと困る』という人は、プロ向けモデルを購入する手もあるでしょう。私が所有しているエプソン・PX-G930は、2006年発売ですが、製造終了が遅かったこともあり、修理対応期間は2023年まで。もちろん、インクも供給されています」
編集部:
長く使うことを優先したいなら、プロ向けの製品も選択肢として浮上してくるわけですね。ありがとうございました!
文/特選街編集部
イラスト/はやし・ひろ
参考サイト
以下のサイトでは人気のキヤノン PIXUS-TS3530やエプソン EW-052A対応の互換インクはもちろん、
現在メーカーでは生産終了してしまっているインク型番まで幅広く取りそろえています。
<参考サイト>インク革命.COM