車を手放す時に行われる「査定」を苦手とする人は多いのではないでしょうか。中古車業大手のガリバーが出した答えが、AI査定アプリ「ガリバーオート」。写真とちょっとした情報入力、後はチャットで査定してもらうと言うもの。この4月新しいサービスが加わり、人と会わないでもクルマをリーズナブルな価格で売ることができるシステムとなりました、コロナ禍下でも、安心の買取サービスと言えるのではないでしょうか。
車の査定は対人から対スマホへ
新型コロナウイルスが猛威をふるっている今、安全な移動は公共交通機関より「クルマ」に軍配が上がります。今まで、電車で十分だからと言っていたのですが、交通機関はとかく三密になりがち。実際にもクルマを使って移動する人が増えていますね。今後は首都圏もクルマ社会になるかもしれません。今回は、ポストコロナ・Withコロナ時代での「クルマ」の売り方を考えていきましょう。
車を手放す時にある「査定」は、売り手と買い手同士対面で行われるのがこれまでの方法でした。しかし、コロナ禍で注目されているのがガリバーのスマホ査定というものです。
写真とちょっとした情報入力、後はチャットで査定してもらうと言うもの。この4月新しいサービスが加わり、人と会わないでもクルマをリーズナブルな価格で売ることができるシステムとなりました、コロナ禍でも、安心の買取サービスと言えるのではないでしょうか。
多くの人は「査定」が苦手
手放す時、一番面倒くさいのが「査定」です。面倒だと言うより、嫌だと言う感じが正しいでしょうか?
査定は、こんなにも可愛がっていたのにというオーナーの思いとは違うところで付けられます。テストで言うと、こんなにも頑張ったのにという思いだけでは、テストで点が取れないのと一緒です。
また、中古車などキズの1つ2つあるのは当たり前。これも自分の思いと他人の判断は違います。
その上、査定人の前で変なことをすると値が下がるのではないかと、まるで就活の様に緊張を強いられたります。査定が終わっても、知人の方の査定が高く出た場合など、競争しているわけでもないのに、チョット悔しかったりします。
余り、イイ印象を持っている人は少ないのではないでしょうか?
査定を苦手とする心理は2つの理由から来ています。
1つめは、人が行うと言うことです。そして2つめは、出た査定結果に対し、気弱なためノーと言えないことがあると言うことです。
これは中古車屋の方の事情もあります。査定には、それなりの時間がかかります。クルマの状態を確認するのもそうですが、人気がないクルマは売れないからです。規模の小さい中古車屋だと在庫が持てませんから、売りやすいクルマ以外は、極めて世知辛い値を付けがちです。
そこまでに時間をかけていますので、別のところに話を振られるのをすごく嫌がります。こうしてみると、査定の問題は、人件費に問題であることが分かります。
「ガリバーオート」とは
これを打破するためにガリバーの実績とAIを組み合わせたのがスマホアプリ「ガリバーオート」なのです。
使用するツールは「スマホ」
まずツールは、今一番使いやすく、税務申告にすら用いられているようになった「スマホ」です。これはスマホが優れたコミュニケーションツールだからです。
まず、入力された情報をAI分析で大枠を固めます。今まで販売した膨大な情報を今に換算して算出します。大きな3点ポイントは、車種、年式、走行距離です。これに、事故の有無、キズの有無で判断します。
チャットで質問
そしてわからないところは、チャットでサポートです。
現物を見ながらの1つ1つ情報を確認することが不要なため、中古車屋の時間を取ることはありません。このため、タダで使えます。また、その値段で売るのも、売らないのも自由。安くできるため自由度が上がるのはAIが目指したところですが、それを具現化したシステムになっています。
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スマホ査定の流れ
ガリバーオート。アプリの名前にこそネーミングにセンスは感じられませんが、その分分かりやすい。
査定に必要な要素は、(1)年式、(2)車検満了日、(3)車台番号及び、型式、(4)型式指定番号及び、類別区分番号、(5)車種名、(6)走行距離、(7)ボディカラー(色)、(8)免許証以上の大きさの傷の数と箇所、(9)事故(7万円以上の修理)の有無、(10)カーナビ、電動スライドドアなどのセールスポイント、の10項目。
(1)〜(4)は車検証の写真、(6)はメーターパネル、(5)(7)はナンバープレートを含む正面写真でも事足ります。
これでとりあえず金額が出ます。が、まだ不安に思う人も多いと思います。そんな人にはチャット機能であれこれ聞くことができます。こちらは使っている人も多いLINE(ライン)を使いますので、安心してください。
実際に質問されるのは、クルマの種類「普通自動車、軽自動車」、次にクルマの写真撮影、ナンバープレートと本体が写っていればOK(写真は鮮明であることが必要なので夜間はNG、ナンバープレートを収める白枠が表示されます)、次がメーターパネルの撮影。
チャットでのやりとりの本当に便利な点は、すぐ写真に撮影し、送ってしまえるところ。文だけより、間違いがありません。
自宅から出なくても車が売れる
さて、査定で満足な価格がでて、売るとなると、実務が発生します。売却時に発生する書類への記入、実車両の確認が必要となります。
今回、ガリバーが行う代行取引サービスは、書類のやり取りを郵送で、実車両の確認はスタッフが行います。このため、ユーザーは自宅から出ずとも、クルマを売ることができます。
これを利用すると、査定からクルマを売り、お金を振り込んでもらうところまで、自宅でできます。今、コロナで接触を少なくすることが必要ですが、このシステムを使えば、楽々できます。
最後に
人が苦手にしていることをAIで置き換えた結果、この様なことができたという話ですが、コロナ禍の様な非常事態でも経済活動を維持しなければならない今、役に立つシステムが出来上がったわけです。この様なシステムが増えると、コロナ禍下でも、ある程度の経済活動が可能な気もします。
◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。