今回は「せっかくなら良いものを」という人のために、おしゃれでインテリアにもよく馴染む、ハイクラスな人気の扇風機を紹介します。日立、シャープ、三菱、ドウシシャ、バルミューダから1台ずつ、厳選して5商品をおすすめします。参考にしてください。
扇風機の選び方
納得の1台を選ぶための、扇風機選びのポイント
大きく分けて、選ぶポイントは以下の5つ。
(1)DCモーターかどうか、(2)羽の枚数と形、(3)リモコンがあるかどうか、(4)耐用年数、(5)その他の機能。その詳細は、別記事(▼)に書きました。ご参照ください。
おすすめのハイクラス扇風機5選
価格に対して満足感が高いものを紹介
それでは、お勧めの扇風機を紹介していきましょう。なお今回は、特に順位は付けていません。扇風機に何を求めるかは人によって異なるので、自分なりのベストワンを選んでください。
日立HEF-DH2000B
日本メーカーが扇風機を正統に進化させた一台
DCモーターを使用し、羽は8枚、風量調整は8段階と、今どきの扇風機に求められる基準を満たしています。この機種がすごいのはここから先で、要求が厳しい日本のお客様の声に応えて細かな機能まで作り込んでいます。
たとえば、リズム運転やおやすみ運転があるのは当然で、それぞれ2パターンを搭載。タイマーは、切と入を同時に設定可能です。たとえば、2時間後に止めて、8時間後にまた動かすといったことができます。
さらに、首振り機能を使用中にリモコンで自分の方へ向かせたり、操作音を消したり、設定表示を暗くすることも可能です。
そして、組み立ていらず。扇風機は普通、箱から出して自分で組み立てるのですが、この機種は完成した状態で箱に入っているので取り出してすぐに使うことができます。
DCモーター搭載 扇風機
HEF-DH2000B
シャープPJ-L3DG-W
プラズマクラスター搭載なので室内環境が気になる人にお勧め
DCモーターを搭載し、羽は7枚。そして、羽のフチが花弁のように歪んでいます。実はこれ、トリプル・ネイチャーウイングといって同時に3種類の風を生み出す工夫なのだとか。
さらに、33段階もの風量調整で心地いい風を選ぶことができます。その他、タイマーや室温表示など、このクラスの扇風機に見合った細かな機能が搭載されています。
しかし最大の特徴は、シャープお得意のプラズマクラスターが付いていること。
よく聞かれるのですが、プラズマクラスターは空気清浄機ではありません。一般の空気清浄機は、空気中に漂うチリや埃をフィルターでろ過します。一方、プラズマクラスターは空気中にイオンを放出して、そのイオンが臭いの粒を包み込んだり、花粉などを分解して人体が反応しない状態にします。
この扇風機の使い方として、たぶん最も効果を発揮するのは部屋干しの洗濯物に風を当てるときでしょう。きっと、特有の臭いをプラズマクラスターが押さえてくれると思います。
プラズマクラスター 扇風機
PJ-L3DGW
三菱R30J-DDY
パワフルかつダイナミックな3D立体首振りでサーキュレーターとしても活躍
やはり、日本の大手メーカーが作った扇風機という感じで、さまざまな機能が盛り込まれています。
もちろんDCモーターで、羽の数は7枚。羽の形を工夫して、運転音を下げながら遠くまで風が届くように工夫されています。タイマーなどの機能もこのクラスに見合う機能を搭載し、首振りの角度を10度ずつ微調整できる機能もあります。
しかし、この製品を取り上げた最大の理由は、ダイナミックな3D立体首振り機能が圧倒的だから。初めて見たときは、私も驚きました。
普通の扇風機は、左右の首振りは自動ですが、上下は手動です。しかし一部の機種では、上下も自動運転できるものがあります。
そして、左右と上下を同時に動かすと8の字型に首振りをします。まさに室内の空気をかき混ぜている感じ、しかもこのR30J-DDYは風力が強いので、サーキュレーターとして使っても十分なパワーがあります。
Kamomefan(ドウシシャ)FKLU-232D-DBE
オリジナリティあふれるデザインが魅力のカモメたち
扇風機は、どうしても同じような形になりがちです。特にリビング扇は、似かよったデザインの製品があふれています。
そんな中、売り場で目を引くのがドウシシャのKamomefan(カモメファン)です。まず、色が違います。一般的な色に近い商品もありますが、やはりKamomefanらしいのはダークベージュ。その違いは一目でわかります。
さらにデザインが個性的で、思わず「えっ?」というような場所にスイッチがあったりします。なかでも、この機種はフレキシブルアームスタンドを採用していて、真下から真上までさまざまな角度に向きを調整できます。
とはいえ、Kamomefanの魅力は、こうした見た目の奇抜さだけではありません。
名前の由来にもなっている羽の形状は、カモメの羽をヒントに「やわらかく、やさしく、ここちいい風」を追求しています。また、羽の素材もやわらかいものを採用して騒音と振動を軽減。それでいて、最大到達距離17メートルという直進性の高い風を実現しています。
ありきたりの扇風機ではもの足りないという人にお勧めの一台です。もちろんモーターはDCで、風量調整は無段階です。
カモメファン
FKLU-232D
バルミューダEGF-1700-WK
大きく広がる自然な風と美しさを併せ持つ逸品
トースターや空気清浄機など独自のこだわり製品で人気が高いバルミューダが、The GreenFanという名称で扇風機を手掛けています。
もちろんDCモーターですが、風量調整は4段階、左右の首振りや最大4時間の切タイマーなど機能的には一般的です。しかし、この製品には2つの特筆すべき特徴があります。
まず、外側9枚、内側5枚という二重構造の羽。この特殊な羽によって、大きく広がり自然の風のようにやさしく包み込んでくれる風が生み出されます。
それと、洗練されたデザイン。この記事で紹介した扇風機のうち、前半の3台はいかにも日本のメーカーらしい進化を遂げた機種です。細かな工夫を重ねて細部まで詰めた感じです。4台目のKamomefanは、これまでになかった商品を作ろうという意図が強く感じられます。
そして、このThe GreenFanは、日本の大手メーカーの製品にはないシンプルながら洗練された美しさがあります。そこに佇んでいるだけで、ひとつの世界観を醸し出す力があります。
個人的に「こんな製品が似あう部屋に住みたいなぁ」と思う逸品です。
The GreenFan(グリーンファン)
EGF-1700
まとめ
扇風機は、安価な機種なら数千円で買うことができます。ただ風が来ればいいなら、そういった機種でもいいでしょう。
しかし、ここで紹介した5機種は、それぞれの価格に見合う十分な機能や魅力があると思います。
たとえば、自動車や海外旅行の場合、ラグジュアリークラスの商品を選ぶのは、私(高山)には予算的に無理です。しかし扇風機なら、最上位モデルに手が届きます。
夏の数ヶ月、家の中の目立つ場所に置かれる扇風機。猛暑の時期、ときには命を守ってくれる扇風機。今年は、ハイクラスな一台を手に入れて、ゆったり過ごしてみてはいかがでしょうか。
解説/高山とほ(プロダクトライター)
約5年に渡って家電量販店の店頭に立ち、いろいろなお客様に対応した経験から「それぞれのお客様にとって最適な製品を選ぶポイントを的確に伝える」ことをモットーにしているモノ派のライター。学生時代に工業デザインを学び、日本製家電の黄金期に郷愁を感じる世代。アウトドアを好み、道具にはこだわるほう。