(2020/09/04更新)厚生労働省がリリースした「COCOA」は新型コロナウイルス感染者との接触を確認できるアプリ。使い勝手や内容はどのようになっているのでしょうか。実際に活用している編集部メンバーが、使い方やメリットをご紹介。また、実際に陽性者と接触した場合もレビュー。
対コロナ用「接触確認アプリ」が登場
6月19日に厚生労働省からリリースされた「COCOA」は、新型コロナ感染者との接触を確認できるアプリ。リリースから3日目の22日17:00時点でのダウンロード数は326万件となっています。
リリース後の1ヶ月間は「試行(プレビュー)版」として配信されており、試行版は、継続的にデザイン・機能が改善されるので、その都度アプリをアップデートする必要性があるそう。
また、動作可能なOSバージョンは、iPhone端末ではiOS 13.5以上、Android端末ではAndroid 6.0以上となっています。
「COCOA」を利用するメリット
それでは、接触確認アプリ「COCOA」には、ユーザー側にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。
(1)感染者との接触情報をいち早く確認
アプリをダウンロードし、規約に同意すると、Bluetoothを利用して感染者との接触情報の記録が可能になります。これによって、過去14日以内に、感染者と1m未満の距離で15分以上近接していた場合、ユーザーに通知が送られます。
(2)適切な検査や治療の早期受診が可能
接触が確認された場合、アプリを通して症状や身近な人の状況を入力し、検査の早期受診の案内を受けることができます。症状がない場合も、万一に備えての自己隔離など、他者への感染を防ぐ行動を取りやすくなります。
現状として、疑わしい症状があっても、年齢が若かったり、症状が軽かったりすると検査まで時間を要してしまうことが多いので、アプリ経由でスムーズに検査の早期受診ができるのであれば、メリットは大きいですよね。
(3)感染情報をシェアし感染拡大を防止
自分自身が陽性と診断された場合も、陽性登録に同意すると、自分の感染情報をアプリに登録することができます。もちろん登録は匿名で行われ、氏名や連絡先などの個人が特定される情報や、位置情報などが記録や通知されることもありません。一人でも多くの人がアプリをインストールし、感染情報をシェアすることで、社会全体の感染拡大の防止に役立てることができるんですね。
実際に使ってみた
上記のように、感染拡大防止にとってメリットの大きい「COCOA」ですが、SNS上での評価は分かれています。特に、使用感や不具合によるマイナスな評価も散見されており、「インストールする前に、アプリの中身を知っておきたい」という方も多いのではないでしょうか。そこで、アプリを活用中の編集部メンバーが内容をご紹介します。
アプリの機能
ダウンロードし、アプリを起動するとまず最初に「このアプリでできること」という紹介文が表示され、このアプリの機能をシンプルに理解することができます。
プライバシーについて
また、アプリの紹介の次に、プライバシーについての説明があります。前述のように、このアプリを使用することによって氏名や連絡先などの個人が特定される情報や位置情報などは記録されることはありません。また、Bluetoothを通して記録された接触情報は暗号化され、14日後に自動的に削除されます。また、「設定」で記録をいつでも止めることができます。(設定方法は後ほど説明)
ホーム
簡単なチュートリアルが終わると、ホームに切り替わります。ここでは「接触情報の確認」と「(自分が感染した際の)陽性情報の登録」ができます。いたってシンプルな仕様ですね。
ということで、自分の接触情報を確認してみました。私はこのアプリを20日から利用しているのですが、表示が「22日から使用中」となってしまっています…。厚生労働省によると、こうした不具合も近日中にアップデートされるそうです。(8月5日追記)現在はこちらの不具合は改善されている模様。
テレワークでほぼ外出していないので(しかも、日付がリセットれているので、きちんと計測が蓄積されているのかは謎ですが笑)、さもありなん…といったところですが、陽性者との接触は確認されませんでした。
アプリの設定
左上のハンバーガーメニューから、アプリの設定や、利用規約を確認することができます。
アプリの設定では、Bluetoothによる接触の検知、要請社との接触通知、アプリの使用中止・再開などを設定することができます。
陽性者と接触した場合
2020年8月5日現在、社内にて陽性者との接触があった社員がいたため、追記として接触があった際の通知やアプリで表示される内容などを記載していきます。その社員によれば、その通知は陽性者との接触から13日経過した日に届いたため、1日だけ自主隔離をしたとのこと。
陽性者と接触した場合の画面
「陽性者との接触を確認する」をタップすると、こちらの画面に遷移します。陽性者との接触がある場合は、このように件数と、相談窓口が表示されます。
「陽性者との接触一覧」では、接触があった日時を確認することができます。この通知が届いたのは8月3日の夜中だったそうです。
このアプリでは、陽性者がアプリに陽性になったことを登録して初めて、陽性者の情報が反映されます。したがって、接触情報がウイルスの潜伏期間内にわかるとは限らないのでご注意を。とはいえ、できる限り早く判明して自主隔離したいものですね。
症状の有無を入力
今回は症状がなかったそうなので、その現状を報告。その後、身近な人との接触情報を入力する画面に映ります。
最後に、接触後14日間の体調に気を付けるよう注意を促す文言が表示されます。また、体調が急変した際の窓口も用意されているので、変わったことがあればすぐに相談しましょう。
iOS 13.7でもインストールが必要
(2020/09/04追記)iPhoneの最新OS「iOS13.7」では、接触確認アプリをインストールしていなくても、設定画面に「接触通知」という項目が表示されます。これにより、「COCOA」をインストールせずに接触確認ができると勘違いしている人が急増中。しかし、こちらは誤り。最新OSであっても「COCOA」のインストールは”必須”です。
OSのアップデート画面を見ても、「COCOA」をインストールせずに接触確認を行えるという誤解を招きやすい文章になっています。確かに、これは惑わされそうな文言です。
厚生労働省も、こうした誤解を招きやすい文面を訂正し、最新OSであっても「COCOA」のインストールが必要と呼びかけを行なっています。
よって、現時点では、いかなるOSであっても「COCOA」アプリのインストールは「必須」となっております。すでにダウンロードされている方も、OSアップデート時にアンインストールしないようにご注意ください。
番外編:接触してないのに通知が来ることも
アプリが過去の接触情報を確認(自動)している際にも通知が来ることがあり、混乱しているユーザーが多数。下記のような表示が出る場合は、陽性者との接触通知ではなく、アプリが接触情報を確認している際の通知なので、慌てずに確認しましょう。
「確認内容の詳細」で表示されるページでは、「タイムスタンプ」「キーの数」などが表示されています。
「濃厚接触の可能性の確認」ページでは、過去にアプリが接触情報を収集した日付と時間が表示されます。
注意点
(1)Bluetoothの常時接続
「COCOA」はBluetoothを常時接続することによって接触情報を収集していますが、SNS上で特に取り沙汰されているのがこの「Bluetoothの常時接続」をすることによるスマートフォンの消費電力についてです。
「COCOA」で使用されているBluetoothは、ワイヤレスイヤホン等の通信に用いられているものとは異なる、非常に消費電力の低い「Bluetooth LE(Low Energy)」という通信方式。よって、アプリの使用によって著しく充電を消費してしまう心配はないようです。
また、注意したいのはアプリ使用開始してからBluetoothの接続をオフにしてしまうと、計測が停止してしまうので、接続を切らないように注意が必要です。
(2)GPSを付けないといけない?
よく散見される「GPSを常時付けておかないといけないのでプライバシー的に心配」という意見は、全て勘違いです。「COCOA」はGPSなどの位置情報を利用することはなく、記録することもありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?新型コロナウイルス用接触確認アプリ「COCOA」、まだまだ普及率は低いものの、このアプリの真価はより多くの人が活用し、感染情報をシェアすることによって発揮されます。一刻も早く安心して出歩ける世の中が戻ってくるように、まだまだみんなで力を合わせて新型コロナに立ち向かう必要があります。感染者との接触時の早期の検査サポートなど、享受できるメリットも多いので、まだインストールしていない方はこれを機にインストールしてみてはいかがでしょうか?