【湯葉(ゆば)の簡単レシピ】お手頃価格の「甘湯葉」なら存分に味わえる お刺し身、ゆば丼、包みあんかけも!

暮らし・生活・ペット

京都の代表的な食材「ゆば」は、精進料理や懐石料理に使われる高級食材のイメージがありますが、地元ではお得な「甘ゆば」を使い、家庭で気軽に味わっています。ゆばちりめんやゆば丼、鍋料理など、秋冬にぴったりな料理を作ってみませんか。

「甘ゆば」とは?

豆乳を熱すると、表面に薄い膜ができます。この膜を汲み上げたものが「ゆば」です。ゆばを1枚ずつ汲み上げていくうちに、豆乳がどんどん煮詰まり、濃くなってきます。そして、最後の方になると鍋の底にへばりつくような、どろりとしたゆばができます。これが「甘ゆば」です。

半生で厚みがあり、濃厚な甘みや味わいが特徴。そのまま、おやつやおつまみとして美味しく食べることができますし、味噌汁や鍋物に入れると京風の一品料理に仕上がります。大豆のみで作る栄養たっぷりの健康食材は、子どもから高齢者まで、ダイエット中の方にもおすすめです。

三田久の「甘ゆば棒」がイチ押し

筆者は京都に移住して15年になりますが、実はこれまで「甘ゆば」の存在を知りませんでした。初めて「甘ゆば」「われゆば」など、お得な乾燥ゆばを見つけたとき、その安さとおいしさにビックリ!これらのゆばは、京都なら乾物屋さんの店頭に普通に並んでいますし、「甘ゆば」「われゆば」でネット検索すると、さまざまな商品を見つけることができます。

なかでも筆者のイチ押しは、大正9年創業の三田久(みたきゅう)の「甘ゆば棒」。京都の地下水と国産大豆を使い、職人の手仕事で作った大きな甘ゆばが7枚入り1188円(税込)。これなら気軽にたっぷりと使えます。三田久の公式サイトからお取り寄せ可能です。

巨大な巻物のような「甘ゆば棒」。30cmものさしと比べると、その大きさがよくわかります

広げると50cm×40cmほどの大きさ。これが7枚も入っています

筆者は、周囲のギザギザしている4辺をキッチンハサミで切り取り、その部分はゆばちりめんや味噌汁用にします。そして、きれいな正方形になった甘ゆばを、4~6等分にして切ってから保存しています。こうしておくと、水で戻すのも調理するのも便利です。ちなみに保存は、夏は冷蔵庫、それ以外は常温保存でOK。ジップロックなどに入れて乾燥を避けましょう。

ギザギザの端っこは細かくカットして味噌汁やスープに

きれいな正方形になった甘ゆばを4~6等分にして保存

「甘ゆば棒」の戻し方

甘ゆばは、数分間水に浸してからキッチンペーパーで挟んで、しっかり水気を切ります。大きなバットに水を張り、切れないようにやさしく丁寧に扱うことがポイントです。お刺身などでそのまま食べる場合は、少量の重曹を入れたぬるま湯で戻すと、ゆばがふっくらと仕上がります。

甘ゆばを戻さず使う(汁ものや鍋、煮ものなど)

厚みがあり濃厚な甘ゆばは、味噌汁やスープなどの汁もの、鍋物、煮ものに最適。適当な大きさにカットした甘ゆばをそのまま入れ、軽く加熱するだけでOKです。

カップスープに季節の野菜と甘ゆばを入れると栄養たっぷりの具沢山スープに!

豆乳鍋に入れるとゆばがトロトロになって美味。しょうゆや塩、中華、水炊きなどいろんな味に合います

水で戻した甘ゆばをそのまま味わう(お刺身・おひたし)

水で戻した甘ゆばを適当な大きさにカットし、器に盛りつけてお刺身に。シンプルにわさび醤油でいただくと、濃厚なゆばの味を堪能できます。また、ほうれん草や小松菜のおひたしをゆばで巻くと、上品な京風料理になりますよ。

ゆばのお刺身は、しょうが醤油やポン酢と合わせてもOK

おひたしをゆばで巻くだけで京風の料理に!

京都の定番土産・料理にチャレンジ

いろいろアレンジできる「ゆばちりめん」

出来たてはふんわりと柔らかく、時間が経つと味が染みてきます。ご飯のおともにも、お酒のつまみにも◎

京都の定番土産「ゆばちりめん」は、ゆばとちりめんじゃこ、白だし(めんつゆでもOK)の3つがあれば、5分で完成します。食べたい分だけ、自分の好きな配合で作りましょう。

<作り方>
(1)甘ゆばを適当な大きさにカットして小鍋に入れる

筆者は甘ゆば棒の端を活用。ひと口大にカットします

(2)白だしを水で薄め、小鍋にひたひた(ゆばが水面から顔を出す程度)になる程度に注ぐ。
※我が家の白だしには「うどん汁・煮物は、水:だし=6:1」と書いてあったので、その配合にしました。
(3)2~3分加熱したらちりめんじゃこを入れ、軽く混ぜて火を止める。

ちりめんじゃこを混ぜ合わせたら、すぐに火を止めます

(4)ザルに開けて煮汁をこし、器に盛りつける。

辛くなり過ぎないように煮汁をこします

【アレンジ1】ゆばちりめんと小松菜のおひたし
茹でて2~3cmにカットしたしゃきしゃきの小松菜に、ゆばちりめんを和えるだけ。忙しいときの「あと1品」として重宝します。

栄養豊富で彩りがいいのでお弁当にもぴったり

【アレンジ2】ゆばちりめんご飯
炊きあがったご飯に、ゆばちりめんを加えて5~10分程度蒸らして混ぜれば出来上がり。ふっくらとしたゆばの食感がご飯と相性抜群。だしが染みたご飯は、おかわり必至のおいしさです!

子どもから年配の方まで好きな味です

とろりあんがおいしい「ゆば丼」

ねぎやきのこを入れたり、絹ごし豆腐や溶き卵を加えるとボリュームがアップします

京都の庶民的なゆば料理といえば「ゆば丼」。とろりとしたゆば入りのあんを、熱々のご飯にかけるだけのシンプルな料理です。筆者は、京都に来て初めてゆば丼を食べたとき、体に染み入るような優しい味わいに感動しました。材料はゆばと白だしの2つだけで、調理時間は5分とかかりません。

<作り方>
(1)甘ゆばを適当な大きさにカットして小鍋に入れる(筆者は甘ゆば棒の端を使用)。
(2)白だしを茶碗蒸し用に水で薄め(我が家の白だしは、水:だし=8:1)、ゆばがかぶるくらいに注ぐ。
(3)2~3分加熱して甘ゆばが柔らかくなったら火を止める。水溶き片栗粉を入れてよく混ぜ、軽く加熱する。

あんにカニカマを加えたアレンジ料理。あんかけ茶碗蒸しにしました

料亭の味に挑戦!ゆば包み料理

コース料理に出てきそうな「ゆば包み」は、料亭の味とはいきませんが、家庭でも簡単に作ることができます。和風の「ゆば包みあんかけ」は、とろりとした食感と白だしの効いたほっこりする優しい味わい。洋風の「ゆば包み焼き」は肉類やチーズをゆばで包み、こんがりキツネ色に焼き上げて熱々をいただきましょう。

海老のゆば包みあんかけ

はんぺんを加えることでふわふわ食感に。海老の代わりに白身魚を使っても◎

<材料(3~4人分)>
◎水に戻した甘ゆば…3~4枚(人数分)
◎海老…4~8尾
◎はんぺん…1枚
◎卵…1/2個
◎長ねぎ…適量
◎片栗粉…大さじ1
◎塩…適量
◎白だし、水、片栗粉…各適量

<作り方>
(1)海老は殻、尾、背ワタをとり細かく切る。
(2)(1)とはんぺん、卵を合わせ、フードプロセッサー(またはすり鉢)を使ってすり身にする。
(3)(2)に長ねぎのみじん切りと片栗粉、塩を入れて混ぜる。
(4)3~4等分したすり身をゆばで包む。ゆばは、つるつるの面(表)を下にする。

表を下にして、すり身をのせて包みます

(5)(4)をラップで巾着状に包み、口を絞って輪ゴムでしっかりと留める。
(6)電子レンジで1分~1分半ほど(600wの場合)加熱する。

加熱後の状態。ラップで包んだら口をしっかり輪ゴムで止めないと形が崩れるので注意!

(7)白だしを茶碗蒸し用に水で薄め(我が家の白だしは、水:だし=8:1)、水溶き片栗粉を加えてあんを作り、(6)にかける。

家に牡蠣があったので、片栗粉をつけて、ゆばで包み、白だしで軽く炊いてみました。濃厚で柔らかい食感の牡蠣とゆばとの相性は抜群です。ほかにも、旬の食材を使っていろいろと試してみましょう。

牡蠣は片栗粉や大根おろしをまぶしてきれいに洗い、片栗粉をつけてゆばで包みます

白だし:水=6:1でだし汁をつくり、中火で2~3分加熱したら蓋をして蒸らします

牡蠣の包み蒸しが完成。おひたしを添えると彩りがキレイです

アボカドとチーズのゆば包み焼き

ベーコンの代わりにサラダチキンでもおいしくできました(写真はサラダチキン)。ポテトサラダを入れても◎

<材料(4人分)>
◎水に戻した甘ゆば…4枚
◎ベーコン…4切れ
◎スライスチーズ…2枚(1人前1/2枚)
◎アボカド…1個
◎大葉…4枚
◎塩・コショウ、水溶き片栗粉、油…各適量

<作り方>
(1)甘ゆばに大葉、チーズ、アボカド、ベーコンの順に材料をのせる。

ゆばの水気をキッチンペーパーでしっかり切るのがポイント。甘ゆばの表を下にして具材をのせます

(2)春巻きのように包み、巻き終わりに水溶き片栗粉をつけて止める。

重ねた具が崩れないようにきっちり巻きましょう

(3)フライパンに油をしき、きつね色に焼く。盛り付けてケチャップなどを添える。

焦げにくいテフロン加工のフライパンがおすすめ。こんがりと焼くのがおいしさの秘訣です

まとめ

「失敗から学んだコツ」を余すことなく書きました

この記事を書くため、毎日のように甘ゆば料理にチャレンジ!何度失敗しても、家族の「また、ゆば料理なの?」という冷たい視線を感じても、くじけずに作り続けました。最初は、大きな甘ゆばをそのまま水に浸しましたが、先にカットした方が調理しやすいこと。海老のゆば包みは、輪ゴムでしっかり止めて電子レンジで加熱しないと崩れてしまうこと。などなど、経験から得たコツを記事に余すことなく書いています。みなさんが初チャレンジでも成功することを、お祈りしています!

◆藤田美佐子(編集ライター) 京都市在住。フリーランスの編集兼ライターとして観光、食、求人、医療、ブライダルなど幅広い取材・執筆活動を行う。1児の母。趣味はマラソン。紅葉シーズンの今は、焼き立てのパンとワイン、チーズを買い込み、鴨川沿いでのんびりと読書をしながら味わう時間が一番のお気に入り。

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