【文鳥かわいい…】喜怒哀楽の激しい性格の白文鳥・ふーちゃんが映える写真の撮り方「光と影を読む」

暮らし・生活・ペット

文鳥と夫をこよなく愛し、全国の動物園の動物を撮るのがライフワークの写真家、ユリカメラこと寺島由里佳が書き綴る”文鳥偏愛”エッセイ。エッセイの後に、毎回1つのテーマに絞って「かわいい文鳥を、よりかわいく撮れる撮影術」をお届けします。今回は写真の基礎、「光」のお話です。写真撮影のコツを知れば、きっと明日から「文鳥フォトマスター」になれるはず!?

執筆者のプロフィール

寺島由里佳(てらしま・ゆりか)

ポートレイトを中心に、企業広告や雑誌媒体なと゛て゛撮影や動画制作を行う。 日本写真家協会所属。ライフワークとして、動物園にいる動物たちを撮り続けている。母校の立教大学の非常勤講師。 写真のワークショップ/トークショー/写真コンテストの審査員なと゛。著作に写真集『きょうも、どうぶつえん』(現在SOLD OUT)がある。
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文鳥エッセイふわふわの小さなアイドル

失恋をした。

オトナになってからの失恋って、こんなにも心に傷を負うものだろうか。
仕事に逃げればいいし、忙しく日常生活を過ごしていけば、時間が解決してくれるものだと思っていたけれど、なかなかこの傷が癒えない。

そんな様子を見兼ねて、とある友人が、動物好きのわたしにインスタで白い鳥の写真を見せてくれた。

「文鳥っていうんだって。かわいいでしょ」

歴史を振り返ると、江戸時代から文鳥は多くの人々の相棒となって生活してきたそうだ。慣れれば手のひらや肩などに乗ってくれる、小さな鳥の愛らしさに一瞬で心を奪われた。

それから、たった数日後のある日。
我が家に白文鳥がやってきた。

雪だるまのような真っ白さにうっとり…。

(写真:yuricamera)

名前は「フランシス・フランソワ」。長くて、一度も呼んだことはない。略して「ふーちゃん」。およそ9歳。喜怒哀楽の激しい、真っ赤なルージュ(くちばし)がチャームポイントの女の子。

朝の挨拶

「おはよう」
朝一番、ケージの「おやすみカバー」を開けて、文鳥を起こす。
さぞかし爽やかで、かわいい声で呼びかけに応じてくれるだろうと思いきや、「キャルル!」と不機嫌にブランコへ八つ当たりをし始める。ブランコをくちばしで突いて、ケージの柵にぶつけている。そして、それを永遠と繰り返すのである。まだ寝ていたかったのだろうか…フランシス・フランソワ様…

八つ当たり動画は▼こちら

白文鳥のとある朝

youtu.be

それから、ケージの外へ出そうとすると、八つ当たりのテンションを引きずったまま、わたしの手の甲へ舞い降りる。いちばん肌の柔らかな箇所を意図して選んでいるのか、そうでないのかはこの9年間不明だが、思い切りつねってくる。ニュアンス的には「つねる」というよりは、「ちねる」に近い。
あぁ、恐ろしや…フランシス・フランソワ様…

激怒5秒前の白文鳥。

そんな朝のやりとりをひと通り行い、ハイドからジキルへ戻ったふーちゃんが「ピ!」とかわいい声で朝の挨拶をしに、今度は手から肩へ飛び移る。

右よし、左よし

「寝坊している人を起こしにいこうか」

ふーちゃんを肩に乗せて、寝室へ戻る。
ドアを開けると、途端にバサバサッと肩から飛び立ち、フワフワの布団の上に舞い降りた。着地すると、早速周囲を見渡して様子を伺う。

布団に舞い降りた天使。

文鳥は、とても臆病な性格だと言われている。
朝の恒例行事(八つ当たり)を思い返すと「絶対、ウソ」と思ってしまうけれど、あまり知らない場所や見たこともない物、あるいは派手な柄や原色カラーの物が目の前にあると、驚いて逃げ去ってしまう。もともと文鳥は、野生界では常に捕食対象であり、気を張った生活をしているため、本能的にもとても繊細だからだろう。

キョロキョロと安全確認中…。

いつも布団の上で見る仕草の中で、わたしがいちばん「萌える」ポイントは、ちょっとした布団などの隙間、「穴」が空いたところを、ふーちゃんが注意深く覗くことだ。

そして、顔だけを何度も「穴」の中に入れて、「キャルキャル!」と言いながらゆっくり入っては出て、再び入っては出てを繰り返す。未確認の敵を威嚇しながら、あるいは自分自身に「怖くないよ」と言い聞かせているのだろうか。ひと通り探索を完了すると、顔を出して、慌ててわたしの元へやって来る。「隊長、異常ありませんでした!」と言わんばかりに急いで飛んで来るので、いつも笑ってしまう。

怪しいものはいないか?

そして、安全確認を終えたふーちゃんは、寝坊している人の元を飛び立った。
(この “寝坊している人” の正体は…次回に続く!)

文鳥フォトマスターへの道第1回「光と影を操る」

ということで、今回は写真の基礎、「光」のお話です。

写真には「光と影」がとても重要です。
「光」がないと撮影が困難になり、「影」がなければ立体感も出ません。どちらも表裏一体、そのバランスが肝心です。

普段、文鳥の撮影の光源は、自然光(太陽光)と、夜は室内の白熱灯が中心で、「光」を読みながら撮影をしています。まず意識することが、はじめの第一歩です。

鳥の仕草は瞬間的なものなので、まずどこに光があるのか、どの方向からか、十分な光があるのかなどを10秒24で瞬時に判断して、素早く撮影しています(…嘘です。でも限りなく素早く撮影を行います。ちなみに10月24日は「文鳥の日」です。手帳にメモしておきましょう!)

朝、昼、夕暮れ、夜、季節ごとによっても光の種類は変わりますし、自宅の室内灯の状況によっても異なりますので、まずは自宅のどこに、どんな「光」があるのか探してみましょう。

ここで、わたしの自宅内での光の種類のご紹介です。

(1)自然光×半逆光

下の写真は、自然光。温かな午後の柔らかな光。
文鳥の背後からの光は、「半逆光」(はんぎゃっこう)といいます。被写体に対して、斜め後ろの方向から光が射してきています。この時の文鳥の、ほわほわしたお腹周りのナイスボディに、適度な「影」が出ています。お腹の縦のライン、うっすら見えますか? 実はこれ、文鳥の腹筋なんです。

自然光×半逆光(爽やかな気持ちよさを表現)

(2)白熱灯×2灯

下の写真は、夜の室内の白熱灯2灯。
それぞれサイド光と半逆光が射してきています。メインのライトは右斜め後ろからの半逆光、緩やかな左からの光が影を柔らかくしています。両サイドからのライティングで真っ赤なルージュ(くちばし)もツヤツヤ輝いています。

白熱灯×2灯(しっとりとした落ち着いた雰囲気を表現)

(3)蛍光灯×トップライト

下の写真は、トップライトは蛍光灯です。
被写体が光源にかなり近いため力強い印象になります。左からの白熱灯のオレンジ色を活かし、影を強調しています。周囲の調光を落とし、より暗さで引き締め効果を演出しています。なんたって白は膨張色。レディは「小顔」に写さなければなりません。

蛍光灯×トップライト(激怒5秒前の様子を表現)

こうして振り返ると、文鳥の撮影の際には、サイド光や半逆光で撮影していることが多いです。なぜかというと、白文鳥に適度なコントラストが付くからなんです。
白文鳥は、ナイスボディの全てが「真っ白」です。コントラストのひとつもありません。真っ白でのっぺりとした印象に写りがちなので、影の役割が非常に重要になってくるのです。

まとめ

もう1つ。

「光」と「影」は、写真表現においても欠かせません。
上記の(1)~(3)で、それぞれ「この写真をどう受け取ってもらいたいのか?」をこちら側でコントロールすることができるのです。

ちょこんと手の上でまったり。

例えば、1枚目の自然光は「爽やかな気持ちよさ」、2枚目は「しっとりとした落ち着いた雰囲気」。そして、3枚目は「激怒5秒前の様子」のように、写真の印象を、光と影でドラマチックに操ることができるのです。光と影のバランスは、全ての被写体に対しても同じことが活かされます。自宅にかわいい文鳥がいない方は、小物など、身近な被写体からトライしてみましょう。様々な撮影の際に思い出してくれたら嬉しいです。

写真・文/寺島由里佳

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