先が見えないこの時代、家計を見直して今後に備えたいという人も多いのでは?貯めたい人がまず取り組むべきは、現状を知ること。その後4つのステップで、習慣化を目指します。実はこれ、健康づくりにも応用ができますよ。【解説】森文子(ファイナンシャル・プランナー)
解説者のプロフィール
森 文子(もり・ふみこ)
独立系ファイナンシャルプランニング事務所ライフイズスイート代表。2級ファイナンシャル・プランニング技能士、整理収納アドバイザー1級。税理士事務所に約20年間勤務し、個人延べ1,000件以上、法人延べ500件以上の申告相談業務に従事する。その後ファイナンシャルプランナー(FP)として独立。現在は、金融商品の販売をゴールとしない顧客本位の相談に特化した完全独立系FPとして、相談、執筆、講師、記帳代行業務などを行う。
▼ライフイズスイート(公式サイト)
もしかして貯まりにくい?掃除のついでに冷蔵庫をチェック!
これからの季節、少しずつ大掃除に取り組む人も多いかもしれません。部屋が片付いている人は、お金の管理も得意、とよく聞きますね。一概にそうだとは言えませんが、お部屋が整っている方は、お金の管理もうまいことが多いのは事実です。
お部屋の片づけもお金の管理も、自分の価値観をしっかり持てば、管理が容易になります。「自分にとって必要なモノは何か?」を判断する基準が明確だから、不要なものを買うことが少なくなり、結果的にお金が貯まります。
例えば、散らかりやすい場所としてキッチンや冷蔵庫が挙げられますが、冷蔵庫の中に調味料がたくさんあるから浪費している、という判断にはなりません。たくさんの調味料を無駄なく使いこなしている方はおられますし、予算の中で好きなモノを買っている分には、何をどれだけ買っていようが問題ありません。
一方、注意したいのは食品や食材を使いこなせていないパターン。冷蔵庫を開けてみて、賞味期限切れの調味料やしなびてしまっている野菜が多くありませんか?そういう人は、未来予想が苦手なのかもしれません。
最初は使い切る意思があって購入したものの続かず、結果的に無駄遣いになってしまうパターンに陥る原因は、購入時にその後のことを考えていないから。今後は、調味料であれば、まずは使い切れそうな小瓶から試してみたり、使い切れるくらいの料理レパートリーや提供頻度を考えたり、健康食品を摂取しているなら継続するための予算や習慣化の方法を想像したりするなどして、OKだったらお財布をあけるようにすれば、買い物で失敗することも減るでしょう。
おうち時間で増えた食費買い物も工夫しよう
食費の目安は一般的に収入の15%だと言われていますが、最近はおうち時間が増えて食費にかかる支出が増えたという方も多いのではないでしょうか。食費を管理するうえで、予算を守ることは大切なことです。予算内でやりくりするために、買い物の仕方も工夫しましょう。
食材は安く買えると節約になりますが、安いからとたくさん買っても使い切らなければ結局無駄。「青野菜は1週間に2種類まで!」などいくつ食品ストックを持つのか決めておけば無駄買いを防げます。買い物時は食材の使い切りを念頭にしましょう。
また、食費のなかにも「固定費」と「変動費」があります。常備する食材は固定費、その他を変動費と考えます。日ごろ使う固定費食材は底値を知っておくと良いですね。特売などで支出を抑え、そのぶんを変動費にまわせば調理のバラエティを増やしたり新しい食材を試したりでき食卓の豊かさも変わることでしょう。買い物中でも食材の代用や献立の変更など柔軟に対応し、同じ予算でより満足する食卓を目指しましょう。
急がば回れ?貯めたい人が家計とともに見直したいこと…それは健康!
お金に不安がある方は、ぜひ健康にも気を配ってみてください。怪我や病気は誰にでも起こり得ることですが、生活習慣の改善によって予防できるものもあります。生活習慣病にかかった場合、医療費等にかかるコストは場合によっては1,000万円以上になることも。また、健康だからこそ長く働き続けられ、収入も長く得ることができるという点も忘れてはなりません。継続かつ安定した収入を得ることは家計にとっても将来の安心に繋がりますから、貯めたい人は健康にも留意しましょう。
健康づくりへ取り組むことで、自分を理解し継続する力が身につく。自分の体に必要なモノ不要なモノの判断ができるようになる。それはコツコツ貯める力にも繋がると考えています。規則正しく早寝早起きして、決まった時間にお食事をいただいて、外から帰ってきたら手洗いうがいをするなど、基本的なことを日頃の生活に取り入れるだけでもいいと思います。
将来の自分の健康に投資して、コツコツ毎日の良い習慣を作りましょう。
また、病気は早期発見が早期完治に繋がります。健康診断費用は人生の必要経費として計上し、将来にわたって定期的に受けていただきたいです。健康保険組合によっては健康診断費用の補助などもありますから活用されると良いと思います。
お金づくりと健康づくりは似ている?今日から実践 4ステップ
お金づくりと健康づくり、実はどちらも似ていると思います。日々の習慣・積み重ねが大切で、段階を踏んで習慣化することが共通点です。お金づくりには大きく4つのステップがありますが、これを健康づくりにも応用させてはいかがでしょう?
(1)現状把握
夢や希望や目標を「具体的に」想像しましょう。また、現在の問題を細分化するために、事実を数値で明確にします。お金作りであればキャッシュフロー表の作成や過去1年間の収入・支出・貯蓄の洗い出しを行います。健康づくりに応用させるなら、健康診断や体力測定で自分の体について客観的に知ることが大切でしょう。
(2)目標設定
最終目標に近づく方法を考え、行動に結びつく具体的な数値目標を立てましょう。
(3)行動
行動するために、現状の問題を分析します。お金であれば、稼ぎ方、使い方、貯め方、殖やし方どこに問題がありますか?健康であれば、運動、食事、睡眠、ストレスどこに問題がありますか?ネックとなっている問題を見つけ、対策を講じ、行動に移します。対策は1つではなく、2〜3用意しておくのもポイントです。また、「やる気」だけでは継続しないので、先取り貯金を始めたり、家族や友人と一緒にウォーキングを始めたり、スマホアプリで定期的にリマインドしてもらったり…と、継続しやすい仕組みを作りましょう。
(4)習慣化
自分なりのスタイルが確立できたら、最終目標に対し今どこまで達成できているのか、貯蓄残高や健康診断などの数値で振り返り調整していきましょう。
いずれにしても、現状を把握することがスタートです。ステップ1の実践が難しい!と感じる人は、無料のアプリやサービスで、健康タイプのチェックや家計チェックをするだけでも意識が変わるかも知れません。まずは、自分の現在地を確認しましょう。
4ステップのスタートは現状把握まずは簡単ツールでタイプを知る
まずは簡単に自分の傾向だけでも知りたい、という方は無料チェックツールを活用するのも良いきっかけとなるかも知れません。自分に合うサービスを探しましょう。
【参考(1)】
健康タイプ・生活習慣チェックツールをピックアップ
◆サントリー
「全国一斉健康タイプ判定」
LINEを使った新サービス「全国一斉健康タイプ判定」は、LINEを通して投げかけられる質問に回答することで、自分の健康タイプ特性を判定することが出来るサービスです。
健康意識の高い「自分防衛団」本木隊長(本木雅弘さん)から、日常に取り入れやすい「自分防衛アドバイス」をもらうことができます。
◆クラシエ
60秒で体質チェック!「からだかがみ」
自分の体質が60秒で分かる体質チェックコンテンツ「からだかがみ」。漢方理論に則って6つの体質に分類し体質に合った対処法をご紹介します。自分の体質を知ることが症状の改善・体質改善につながります。
◆アンファー
からだエイジングHP「生活習慣チェック」
エイジングに深く関係している「食事」・「睡眠」・「運動」という3つの柱。自分の生活習慣をチェックして、オーダーメイド感覚で専門家がエイジングケアのプランニングをしてくれます。
【参考(2)】
お金の使い方タイプ・家計チェックツールをピックアップ
◆LINE
「お金どうぶつ診断」
あなたのお金の使い方動物に例えると!?浪費家な○○○?それとも堅実派な○○○? タイプ別に、おすすめのお金の貯め方をアドバイスします。
◆日本FP協会
「ライフプラン診断」
9つの質問で診断したい内容を選ぶだけ。10000ケース以上のライフスタイルから将来の家計を診断。 ファイナンシャル・プランナーからのアドバイスコメントも表示されます。
◆リクルート
「みらい家計シミュレーション」
現在の収入や支出、 家族の状況などを入力すると、将来必要になるお金を簡単にイメージすることができます。
まとめ
課題を感じながらも、取り組むのはついつい先延ばしにしがちな「お金と健康」の問題。まずは現実を知り、自分と向き合うこと。身近なツールも大いに活用して、無理なく、できることから始めていきましょう。