4Kテレビのおすすめは?最新5モデルをプロが○×チェック!

レビュー

40V型以上のクラスでは4K対応が主流となり、4Kチューナーも標準装備。さらにNetflixやAmazonプライム・ビデオなど、ネット動画配信サービスへの対応も進み、4Kテレビはその魅力を高めつつある。各社から内容の濃い自信作が続々と登場しているが、主力の55V型に加え、新サイズの48V型モデルもチェックしていこう。

ソニー KJ-55X9500H

斜めから見ても色が変わらない広視野角の液晶モデル

液晶テレビの泣きどころとなる視野角の問題を改善した高級液晶ブラビア。ネット動画アプリの起動も素早く、ネット動画とテレビ番組の切り替えもスムーズ。映画などの動画コンテンツの音声検索も可能だ。

ソニー
KJ-55X9500H
実売価格例:22万円

●サイズ/幅123cm×高さ77.9cm×奥行き31cm
●重量/18.1kg(スタンド含む)

パネルの種類 液晶
4Kチューナー 2基
地デジチューナー 2基
BS/110度CSチューナー 2基

巧妙な部分駆動を駆使し、黒を引き締め、白を伸ばすという高コントラスト調の絵作りで、明るく、華やかな色再現が特徴的だ。55V型としては初搭載となる独自の広視野角技術、X-Wide Angleの恩恵は大きく、画質の安定性を高めている。

スピーカーシステムはドルビーアトモス対応で、ユニット配置の工夫により、画面中央に声が定位する。リモコン内蔵マイクで視聴環境を測定し、補正する自動音場補正も搭載している。

地デジ、BSといった2K放送の画質については、もう少し緻密さ、繊細さが欲しいところ。視野角改善技術のX-Wide Angleは、同一シリーズの49V型(49X9500H)では非搭載。

パナソニックTH-55HZ1000

全体として一皮むけた高画質を感じさせる有機ELモデル

同社最高峰モデル、GZ2000の開発で培った技術・ノウハウを投じ、基本画質を押し上げた有機ELビエラのスタンダード機。「4K放送が暗い」という問題を解消するAI HDRリマスターの進化版を搭載している。

パナソニック
TH-55HZ1000
実売価格例:25万7400円

●サイズ/幅122.8cm×高さ77.8cm×奥行き34.8cm
●重量/26kg(スタンド含む)

パネルの種類 有機EL
4Kチューナー 2基
地デジチューナー 3基
BS/110度CSチューナー 3基

黒の締まり、艶、ハイライトの輝きと、有機ELの優位性は明らか。従来に増してグラデーションの描き分けが豊かだ。色調も派手すぎず、ニュートラル。ノイズ感、階調性、色再現と、全体として一皮むけた印象で、黒の中のディテールが無理なく浮かび上がる。

HDR方式はフル対応。ドルビービジョンの再生時に視聴環境も加味し、最適なバランスで表示する「ドルビービジョン IQ」も搭載済みだ。地震に強く、倒れにくい吸着機能付きの転倒防止スタンドはスイーベル(回転)機能を装備。

音響面ではドルビーアトモス対応だが、スピーカーは画面下のみ。GZ2000などで装備しているテレビ背面上部のイネーブルドスピーカーはない。

シャープ4T-C48CQ1

大注目の「有機ELで48V型」。画面の角度を調整できるのが◎

シャープ初の有機ELテレビ。映像エンジンは4K液晶テレビのCL1、CN1と同じMedalist S1だが、これはもともと有機ELパネルとの組み合わせを想定して開発されたもので、使いこなしが液晶と異なる点にも注目だ。

シャープ
4T-C48CQ1
実売価格例:25万3000円

●サイズ/幅106.9cm×高さ68.1cm×奥行き25.3cm
●重量/21kg(スタンド含む)

パネルの種類 有機EL
4Kチューナー 2基
地デジチューナー 3基
BS/110度CSチューナー 3基

明るく、黒が締まり、メリハリの利いた画調は同社の液晶4Kアクオスに通じるもの。有機ELの場合、全体に明るい絵柄では白レベルが抑えられるような処理が入るが、このモデルの場合、一定の明るさがキープされ、色調も鮮やかだ。

視聴位置に合わせて、画面の角度を左右計30度ほど水平方向に調節できるスイーベルスタンドの装備もうれしい。また、AndroidTV OSのため、Googleの「Playストア」からお目当てのアプリがダウンロードできるのも大きな魅力だ。

ナイトシーンが多い映画ソフトなどの再生では、黒の引き込みが強すぎて、ローライトの微妙な情報が見えにくいこともある。暗部の階調性についても、もう少し滑らかさが欲しい。

ソニーKJ-48A9S

厚みを感じさせる絵作り。画面からの発声も自然でいい

ブラビア最上位の画質プロセッサー、X1 Ultimateを投じた有機ELの48V型モデル。パネルを振動させて音を出す独自のオーディオシステム(アコースティック サーフェス オーディオ/ASA)も搭載済みだ。

ソニー
KJ-48A9S
実売価格例:25万3000円

●サイズ/幅106.9cm×高さ62.9cm×奥行き25.5cm
●重量/17.6kg(スタンド含む)

パネルの種類 有機EL
4Kチューナー 2基
地デジチューナー 3基
BS/110度CSチューナー 3基

持ち前のコントラストの高さを積極的に生かした、厚みを感じさせる絵作りで、見栄えのする鮮やかな発色も特徴的だ。人肌はほのかなピンク色で、健康的。画面が発音するサウンドは有機ELブラビアならでは。

口元から聴こえる声、セリフが自然で、ストレスを感じさせない。リモコンのマイクでテスト音を測定し、視聴環境に応じた音声再生を行う自動音場補正が、思いのほか効果的だ。

ネット動画アプリの起動が素早く、ネット動画とテレビ番組の切り替えもスムーズ。

やや厚化粧の絵作りが鼻につく面もあるが、色調、コントラストともに大きな崩れはなく、安定感がある。地デジ、BSなどの2K放送は、輪郭が太く見えるなど、もっと緻密さが欲しい。

東芝48X8400

画質は上位機とほぼ同等だが、サウンド面や端子数で差がある

有機ELレグザの48V型スタンダード。映像エンジンは最高峰のレグザエンジンCloud PRO。番組ごとの画質特性を把握し、ネット経由で最適な補正を加えるクラウドAI高画質テクノロジーも搭載済み。

東芝
48X8400
実売価格例:24万2000円

●サイズ/幅106.8cm×高さ66.3cm×奥行き22.9cm
●重量/16.5kg(スタンド含む)

パネルの種類 有機EL
4Kチューナー 2基
地デジチューナー 3基
BS/110度CSチューナー 3基

BS4Kだけでなく、地デジ/BS放送についても、従来に増して精細感に富んだ緻密な描写を実現している。初期の出荷分については、全体にグリーンが強めの発色で、時折、黒浮きも気になったが、このクセっぽさは11月中旬のバージョンアップで改善された。

上位機、48X9400ではレグザエンジンCloud PROに1チップ追加したダブルエンジン仕様としているが、画質差はほとんどない。特に外部入力、ネット動画、BS4K放送の画質は変わらない。

スピーカーシステム(外部スピーカー端子の有無)、タイムシフトマシンの有無、HDMI端子数など、上位機の48X9400に差をつけられている部分は多い。

Column東芝「24V34」

ハイビジョン対応でネット動画をサクサク見られるスマートテレビ

インターネットに接続して、多彩なネット動画が自在に楽しめるスマートテレビが今や主流だが、30V型以下の小型モデルに限ると、対応機種は意外に少ない。

その中で存在感を示しているのが、レグザ24V34だ。一見、ごく普通のHD(1366ドット×768ドット)テレビに見えるが、4Kモデルを駆動できる新エンジンを投入。レグザ自慢の画像処理技術を駆使し、クラスを超えた画質と、素早く反応する快適操作を実現している。

しかも、単なるネット動画対応にとどまらず、「みるコレ」ボタンを押すと、多彩な動画配信サービスから、話題の映画、ドラマ、アニメ、あるいは人気動画ランキングなどのネット動画を案内し、そのまま再生可能。この賢さ、素早さは大きな魅力だ。

東芝
24V34
実売価格例:3万9600円

ネット動画の視聴を最優先に開発されたプライベートスマート、V34シリーズの24V型モデル。32V型、40V型もある。

「Amazonプライムビデオ」「Netflix」「YouTube」「Hulu」「U-NEXT」などのネット動画用のダイレクトボタンを装備したリモコン。

※価格は記事作成時のものです。

■解説/藤原陽祐(AV評論家)

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特選街web編集部

1979年に創刊された老舗商品情報誌「特選街」(マキノ出版)を起源とし、のちにウェブマガジン「特選街web」として生活に役立つ商品情報を発信。2023年6月よりブティック社が運営を引き継ぎ、同年7月に新編集部でリスタート。

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