アナログレコードが大好きな読者から質問が届いた。ORTOFON(オルトフオン)SPU-G、DENON DL(デノン)-103、SHURE(シュア)M44Gなどの古いカートリッジの交換方法や日頃のメンテナンスで大切なことを専門家に聞いてみた。
レコードプレーヤーの針は今でも新しくできる?
読者からの質問
アナログレコードの記事があるとうれしくなります。ORTOFON(オルトフオン)SPU-G、DENON DL(デノン)-103、SHURE(シュア)M44Gなどの古いカートリッジを大切に使っていますが、針交換は今でも可能でしょうか? また、日ごろのメンテナンスはどのようにしたらいいですか?(I.Iさん 栃木県 79歳)
編集部:
この質問は、AV評論家の林正儀さんに聞きましょう。
専門家の回答
専門家:
「カートリッジは音の入り口です。レコードの音溝から音楽情報を拾い出し、懐かしいジャズやボーカルを楽しむ。いいですね〜。
古いカートリッジをお持ちですが、MM型のシュア、MC型のオルトフォンなど、実は私も愛好者です。発電機構の違いで、マグネットが動くのがMM型。コイルが動くのがMC型。そして針交換ですが、MM型なら針を買ってきて自分で交換でき、より高級なMC型の場合はカートリッジ本体ごとお店に預ける(メーカー交換)。これはご存じですよね。
でも、昔のように簡単ではありません。若い世代も加わったアナログブームとはいえ、町からレコードショップが消えた今、不便を感じている人も多いはずです。
レコード針の寿命は200〜500時間といわれ、何十年も前に購入した往年の名器であれば、よりご心配でしょう。でも、方法はあります。ご紹介しましょう。
手軽なのは通販サイトの活用です。パソコンやスマホで、『レコードの針交換』で探せば、全国の専門ショップや昔ながらのアナログ工房(ベテランが健在です)が見つかります」
編集部:
ショップは少なくなったけど、ネットで探せば見つけやすいということですね。
専門家:
「まず、MM型なら針先だけ購入できればいいので、例えば、Amazonや楽天市場で検索するといいでしょう。シュアのM44Gであれば、輸入の中古品や国内正規品を含め、たくさん出てきますから、簡単です。
MC型はどうでしょう。超ロングセラーのDL-103(NHKと共同開発)は現役なので、新品として購入が可能。もちろん針交換もデノンがメーカー対応してくれます。また、103ファンに朗報なのは、今年、デノンの110周年記念モデルとしてDL-A110というMC型カートリッジ(専用ヘッドシェル付き)が発売されたことですね。
そのほか、有名海外ブランド品は、やはりネットで輸入代理店(SPU-Gはオルトフォンジャパン)や大手専門ショップに相談し、手続きすればOKです。送り方や支払い方法などの流れもわかります。海外のメーカー本社に送ることもあり、その場合は1ヵ月以上かかることも……。
日ごろのメンテナンスは、カートリッジとレコード盤の両方で行うのがおすすめです。ホコリや塵のないきれいな状態を日々心がけ、手元にレコードクリーナーとスタイラス(針先)クリーナーも常備しましょう。冬場の乾燥期には、パチパチを消す静電気対策が必須です。はけでなでる除電ブラシや、近ごろはレコードを回転させながら静電気を消し続けるイオン放電式のアイテムが人気です」
編集部:
MM型なら自分で交換、MC型はメーカー交換、メンテナンスはレコードのほうも行うということですね。了解しました!
◆イラスト/はやし・ひろ