AV評論家の林正儀さんは、家にクラシック/ジャズLPの愛聴盤が山ほどあり、そのリマスターCDが発売されると必ず購入しているそうだ。今回は、リマスターとはどのような処理がなされているかを聞いてきた。アナログ時代の音源をリマスターしたというCDなどに興味のある人はこの機会に知っておいてほしい。

CDの「リマスター」って、どんな処理?

読者からの質問

アナログ時代の音源をリマスターしたというCDがたくさんありますが、リマスターとは、どのような処理がなされているのでしょうか?(G.Aさん 熊本県 53歳)

編集部:

この質問は、AV評論家の林正儀さんに聞きましょう。

専門家の回答

専門家:

「わが家にもクラシック/ジャズLPの愛聴盤が山ほどあり、そのリマスターCDが発売されると、うれしくて必ず購入しています。

さて、もともとアナログレード用に制作された音源をCD化する場合、アナログからデジタルへとA/D変換する必要があります。その際、アナログのよさを生かしながらより高音質に仕上げる作業がデジタル・リマスターです。

録音されたものをただそのまま変換しただけでは、出来合いの料理をそのままお皿に乗せるようなもの。仏作って魂入れずではありませんが、曲の持つ深い感情や情景を完全に表現することはできません。

リマスターの『リ』は、『再度マスタリングをしましたよ』という意味ですが、アルバム制作の工程順でいうと、初めの『レコーディング』からステレオ2チャンネルへの『ミキシング(合成)』、そして『マスタリング』と呼ばれる最終的な音質調整で、商品としての価値を高めるのです。作業はマスタリングエンジニアというプロの担当者が行います。

古い音源がCD化される場合、その段階でA/D変換を含むデジタル・マスタリング処理は行われるわけですが、あえて『リマスター』をうたう理由はどこにあるのでしょうか。価格も高めに設定され、ジャケットが豪華だったり、全集ものだったり、それだけミュージシャンやアルバム制作会社の想い、こだわりが込められていると考えましょう」

編集部:

確かに、「リマスター」とうたう商品は、以前のものとは違うというのを示すため、特典が豪華だったりしますよね。

専門家:

「機材一つ一つを取っても、当時と現在とでは処理能力や機能、性能がケタ違い。実際のリマスタリング作業は多岐にわたりますが、ノイズ成分を消し、聴こえている音の質感や音場感を豊かにしたり、またボーカルや各楽器の音量バランス、難しいスタジオ用語になるのですが、EQ(イコライジング=音質調整)やリバーブ(響き)、コンプ(圧縮)などを駆使したりして、再生音を聴きながら入念に調整しているのです。

過去のアナログレードは多くがCD化され、あるいはハイスペックなSACD盤としてもリリースされていますね。

例えばクラシックならエソテリックが、ジャズではヴィーナスレコードなどがおなじみです。また、ソニーミュージックの発表会に立ち会ったのですが、マイス・デイビスの有名な『ビッチェズ・ブリュー』のSACDマルチは、幻の4チャンネルミックス(4チャンネルサラウンド)として、レア中のレア盤となっていますよ。

高音質にこだわるなら、ぜひリマスター盤から選ぶことをおすすめします」

編集部:

アナログ音源を単純にデジタル変換するのではなく、より「いい音」にしたものがリマスター盤なんですね。了解しました!

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