マルウェアがパソコンに侵入する経路はさまざまだが、「Chrome」や「Edge」の拡張機能もその一つ。SNSのメッセンジャー機能や、音楽ファイルをダウンロードする機能などにマルウェアが組み込まれている例があるという。個人情報や操作履歴などが漏洩してしまう恐れもあるため注意したい。
あなたもねらわれている!?
ネットの“アブない”事件簿
ポップアップ広告をブロックするなど、ウェブブラウザーの「拡張機能」はとても便利。しかし、この拡張機能に紛れて組み込まれる「マルウェア」により、個人情報が漏洩する事例が報告されている。セキュリティソフト会社のアバストによると、すでに300万人が影響を受けているという。
マルウェアとは、パソコンの正常な作動を阻害するウイルスや、個人情報を抜き取って送信したりする迷惑なプログラムの総称である。マルウェアがパソコンに侵入する経路はさまざまだが、「Chrome」や「Edge」の拡張機能もその一つというわけだ。SNSのメッセンジャー機能や、音楽ファイルをダウンロードする機能などにマルウエアが組み込まれている例があるという。このような拡張機能をインストールすると、機能が追加されるとともに、個人情報や操作履歴などが漏洩してしまう危険性があるのだ。
これを防ぐためには、怪しい拡張機能を追加しないようにすること。また、すでに追加している拡張機能は、その素性を確認し、不要なものは削除したほうがいい。
Google関連の機能を追加するならGoogle提供の機能を、Amazon関連の機能を追加するならAmazon提供の機能を、というように、純正の機能だけを追加するのがおすすめだ。
●「Chrome」拡張機能は提供元などをチェック!
「Chromeウェブストア」にアクセスし、好みの拡張機能を選び、「Chromeに追加」をクリックすれば、拡張機能が追加される。
メニューの「設定」で「拡張機能」を選択すると、自分のブラウザーに組み込まれた機能が一覧できるので、ときどきチェックしよう。
処方箋
「Chrome」だけでなく、ウェブブラウザーの拡張機能は、インストールしないのが一番。すでに組み込まれているなら、不要なものは極力削除するのがおすすめ。どうしても追加したい場合は、提供元や評価をしっかりと調べ、ときどき情報をチェックし直すようにすること。
今回のネットのアブない事件簿
「 ブラウザーから情報が流出!?」
「Chrome」や「Edge」といったウェブブラウザーに追加された拡張機能により、不正な働きをするプログラム「マルウエア」が組み込まれる事例が発生。ユーザーを広告サイトやフィッシングサイトに誘導したり、個人情報やパソコンの操作履歴を悪意のある第三者に漏洩させたりする被害が見られた。
■解説/福多利夫
■イラスト/早川修