【家電量販店のナゾ】あの店員は、なぜ商品説明してくれないの? 声かけのコツと店員の見分け方

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家電量販店を利用していて、「え、なんで?」と思うことありませんか。たとえば、通路に立っている店員に商品について聞こうとしたら「誰か行かせます。売り場でお待ちください」と言われたり。これには理由があるのですが、普通は分からないですよね。こうした家電量販店を利用するとき知っておくと役立つ豆知識を、「家電量販店の取説」シリーズとして書いてみたいと思います。まずは、店舗スタッフ編です。

少なく見えても意外にスタッフの数が多い。

家電量販店で何か聞こうと思っても、「店員が見つからない」という経験がある人は少なくないでしょう。しかし、少なく見えても郊外型の店舗なら数十人、都市部の大型店だと数百人もの店舗スタッフがいます。一般企業の営業所と比べても、そこそこ大きな組織といえるのではないでしょうか。そのため、さまざまな役割の人がいます。

なお、ここでいう店舗スタッフとは、そのお店のウェアを着ている店員のことです。店内には、ほかにメーカー名が入ったウェアを着ているスタッフがいますが、この人たちはメーカー説明員といって立場と役割が違います。

私も、すべての会社や店舗について知っているわけではありません。家電量販店でも会社(法人)によって違いがあります。さらに、同じ会社でも店舗によって細かなルールが異なっていたりします。なので、これから書くことが絶対というわけではありませんが、次に家電量販店を利用するとき少しでも役に立ったら嬉しく思います。

ザックリ言って、3種類の店舗スタッフがいる。

たとえば、YAMADAとか、Yodobashiとか、Bicとか、店名が入ったウェアを着ている人なら、その店や商品のことを何でも知っていて、どんな質問にも答えてくれそうな気がしますよね。でも、前述のようにいろいろな役割があって、必ずしも接客対応できるとは限りません。

(1) あまり接客しない管理職

まず、それぞれの店舗に店長と副店長がいます。そして、各売り場の責任者がいます。売り場責任者の役職名(店内での呼び方)は会社によって異なりますが、一般的な規模の郊外店だと白物家電(生活家電)、黒物家電(テレビやオーディオ)、モバイル(ケータイ・スマホなど)の3人くらい。

大型店だと、たとえば白物の中にも冷蔵庫・洗濯機、エアコン、調理家電などの責任者がいたりします。逆に、デパートやショッピングモールの中にある小型店だと、副店長が実質的に売り場責任者を兼ねているようなケースもあります。

そして、こうした店長、副店長、売り場責任者くらいまでが管理職と呼ばれています。数十人から数百人の人が働いているわけですから、店頭での接客のほかにもさまざまな業務があります。そして、管理職には管理職の仕事があります。

それでも、管理職の人たちも、かなりの時間、売り場に出ています。会社によっては名札に役職が書いてあることもありますが、書いてない店が多いので、どの人が管理職なのか分からないと思います。そして、ときには管理職の人が接客に入ることもあります。ただ、基本的には個々の接客は次に説明する一般の店員に任せるのが普通です。

管理職が売り場にいるとき、大事な役割のひとつが店舗全体を見渡して司令塔になることです。たとえば、冷蔵庫売り場は店員が余っているのに、エアコン売り場は混んでいて説明する人が足りないといったとき、冷蔵庫売り場にいるスタッフに対してエアコンコーナーへ応援に行くようインカム(無線機)で指示を出したりします。

そのために、店舗全体が見渡せる場所、お客様から見ると目立つ場所に立っています。なので、お客様はこの人に「〇〇について聞きたい」と声をかけることが多いわけです。しかし、そこで接客に入ってしまうと司令塔の役割ができなくなるので、お客様には「誰か行かせます」といって、店員にインカムで呼びかけて手の空いている人に商品説明に行くよう指示を出すというわけです。

また、店が混んでくると、説明を希望するお客様の順番待ちが発生します。そんなときも、接客の順番が前後しないように管理して指示を出しています。また、会社によっては値引き権限があるのが役職者だけだったりするので、そうした対応のために個々の接客に付かないという理由もあります。

(2)商品説明するのは一般の店員

次に、商品の説明をしてくれる一般の店員です。普通の会社でいえば平社員から主任クラスの人が店内で接客にあたっています。何か聞きたいときは、こうした人たちに声をかけるのが一番です。逆に、商品を見ていると声がけしてくるのも、こうした人たちです。

ただ、こうした人たちでも「今、対応できないので、少しお待ちください」とか「誰か別の者を呼びます」といって説明を断ることがあります。

これは、ほとんどの場合、別のお客さんの対応中です。一見、そうは見えなくても、お客さんを売り場に残して在庫を確認に行ったり、値引きを求められて原価を確認に行ったり、管理職に相談に行ったり、そういったときは別のお客さんの対応はできません。

商品や価格の大小にかかわらず、先に対応を始めたお客様が優先です。そのお客様の対応が終わるまで、次のお客様には待ってもらいます。その間に、別の店員が接客が終わるとインカムで連携を取って代わりに対応します。

ちなみに、郊外店だと売り場がワンフロアかツーフロアということが多いですよね。そして、各フロアに膨大な商品が並んでいます。しかし基本的には、どの店員も自分がいるフロアの商品は一通り説明できるように普段から努力しています。

それでも、テレビ担当の人がたまたまエアコンの説明に回ったりすると細かな点まで説明しきれないこともあります。逆もまたしかりです。さらに、ときには別のフロアに応援に行くこともあって、そうなると家電販売のプロとはいえ商品説明に苦労したりします。

そのため、多くの店舗では各商品の担当者を順に変えていって、誰もが幅広い商品に対応できるように工夫していたりします。とはいえ、なかには入社以来、黒物ばかりといった人もいるので、やはり会社や店舗によって差があります。

(3)役割が決まっている専門スタッフ

最後に、役割が限定されている人たちがいます。

分かりやすいのは、レジの人。店の混雑状況によっては管理職や一般の店員がレジに入ることもあります。しかし、普段からレジや手続きカウンターの中にいる人は対応できる仕事が基本的に限定されています。売り場に出て行って商品説明をすることはできません。

そのため、レジや手続きカウンターの人に商品のことを聞こうとすると、やはり「売り場の担当者を行かせるので、お待ちください」といったご案内になります。

ほかにも、売り場を歩き回っているのに商品説明ができない人がいます。品出しや倉庫担当の人です。家電量販店には、毎日、たくさんの商品が入ってきます。これを整理して、売り場に補充していくのが彼らの役割です。

そのため、広い売り場のどこに何があるかは知っています。しかし、個々の商品説明をすることはできません。基本的に、そのために必要な商品知識を持ち合わせていませんし、仮に説明できたとしても品出しという本来の仕事が滞ってしまうので、やはりインカムで接客担当のスタッフを呼ぶことになります。

なお、一般の店員や専門スタッフの中には契約社員やパートの人もいます。必ずしも、フルタイムの正社員とは限りません。とはいえ、今の社会では普通のことなので気にする必要はないでしょう。

まとめ

いかがですか。家電量販店も、たくさんのスタッフが協力して働いている組織なので、いろいろな役割の人がいるわけですね。もちろん、お客様への対応が優先されますが、全員が接客優先になってしまうと店舗がうまく機能しなくなってしまいます。

混んでいる時間に待たされると不愉快に感じる人もいると思います。しかし、上記のような目で店内を見渡すと、何となく個々の役割が分かって納得できることもあるのではないでしょうか。

逆に、お気に入りの店員がいて、その人が接客中だと終わるまで待つお客様も少なくありません。その人が転勤になると、少々遠くても異動先の店舗まで行くというお客様もいます。もちろん限度はありますが、気に入った店員がいたら名前を憶えて馴染みなっておくのも上手な利用法のひとつだと思います。

執筆者のプロフィール

文◆高山とほ(プロダクトライター)
長年にわたり家電量販店の店頭に立ち、いろいろなお客様に対応した経験から「それぞれのお客様にとって最適な製品を選ぶポイントを的確に伝える」ことをモットーにしているモノ派のライター。学生時代に工業デザインを学び、日本製家電の黄金期に郷愁を感じる世代。アウトドアを好み、道具にはこだわるほう。

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