今年の夏も暑かった。毎年のことだが、暑さに弱い私はついついエアコン部屋に入り浸ってしまう。暑さには弱いが夏の雰囲気はとても好きだ。それは、子供の頃の夏休みのイメージが印象として残っているからかもしれない。今でも思い出す。エアコンの効いた部屋で、深夜まで模型を作り続けたことを。そんな子供の時分を思い出して、今回はレゴの作製に没頭してみた!
まずは、レゴについて
世界140ヵ国以上で販売される超有名ブロック
レゴは、デンマークのビルンという人口6300人ほどの小さな町で誕生した玩具メーカー。創業89年となる今でも、創業当時と同じくビルンに本社を構える。レゴブロックは、世界140ヵ国以上で販売され、「知らない人はいないのでは」と思うほど認知度は高い。私も、幼少時にレゴの世界に浸った一人である。今回数十年ぶりに、レゴに触れてみた。
実際に作ったのは、コレッ!
今回、実際に作ってみたのは、2021年4月に発売された「レゴ NASA スペースシャトル ディスカバリー号」。大人向けレゴセットのアイテムだ。「大人向けレゴセット」ってなに?と思われる方が多いだろう。簡単に説明すると、大人でも制作する工程を十分楽しめるように設定されたシリーズで、ピース数の多さもさることながら、ディテールの再現性にもこだわっている。なかには9万円を超える商品もあり、だいぶ高価な玩具である。そういう意味においても、「大人向け」と言えるだろう。
商品ごとに対象年齢が設定されている
レゴには、商品ごとにおおよその対象年齢が設定されいる。今回チャレンジする「レゴ NASA スペースシャトル ディスカバリー号」は、18歳以上となっている。本セットは、ピース数が2354もあり、完成すると全長で54cmものビッグサイズになる。これだけのピース数の大作を、一日で作り上げるのは難しい。完成までには数日かけるつもりで、始めることにした。
いよいよ作製スタート!
分厚い説明書と大量のピースに少々げんなり
大きな箱を開封して、いよいよ作製開始。中から分厚い説明書を取り出して、パラパラと最後までめくってみた。説明書は320ページもあり、完成までに503工程もあることがわかった。次に箱から出したのは、小分けされたピースの袋。全部出してみると、なんと19袋もあり、ダイニングテーブルを埋め尽くすほど。正直、この時点で少々気が重くなってしまった。
しかし、説明書の完成写真を見るや否や、「早く完成させたい!」という思いがむくむくと湧いてきた。単純な私はすぐに気持ちを切り替えて、作製をスタートさせた。
初日はスペースシャトルに手を付けられず
本体のスペースシャトル ディスカバリー号を作る前に、まずはディスカバリー号に搭載して一緒に打ち上げられた「ハッブル宇宙望遠鏡」から作っていく。使用する袋数は4つだ。
200ほどのピースを組み上げること1時間半、まずはハッブル宇宙望遠鏡を完成させた。
可動式ソーラーパネルや望遠鏡ドアのリアルさに、「これがブロック玩具なのか?」と驚かされる。思った以上の出来栄えに、俄然、スペースシャトルの作製に気合が入る。とはいえ、仕事から帰宅してすぐ夕食を済ませたあと、1時間半も集中して作ったので、もうヘトヘト。1日目はこれにて終了。
2日目、メインである「ディスカバリー号」の作製を開始!
初日は久しぶりにレゴブロックに触れ、少し感動に浸りながらハッブル宇宙望遠鏡を作り上げた。2日目からは、いよいよメインとなる「ディスカバリー号」の作製に入る。
その前に、今回、幼少期以来のレゴに触れ、あることを思い出した。レゴには、独特な「組み込む感触」があることを。
こればかりは、実際にレゴブロックを組み上げたことのある人でないと、わかってもらえない部分だろう。レゴを組み込むときには、「カチッ」とか「パチン」など、凸と凹が組み込む際に鳴る物理的な音が、ほとんどしない。レゴの場合、音を立てることなく「スゥ~ッ」としっとりとした感触で組み込まれていくのだ。この感触は、言葉では表現できないほどの心地よさで、感動すら覚える。おそらくレゴでしか味わえないものだろう。つまり、組み込む際のストレスがほぼないので、一つ一つのピースを組み上げる地味な作業工程でも飽きることなく、時間を忘れて取り組んでしまうのだ。
本題に戻るが、ディスカバリー号は、4~17までの袋を使用する。数にして2000以上ものピースを組み込むことになる。袋に表記されている若い番号順に開封し、組み込むこと約2時間、本体のシャーシ部分が出来上がった。2日目の作業はここまで。この時点で、全体のおよそ4分の1程度だろうか。少し形が見えてきたこともあり、次の日の作製が待ち遠しい。
3日目は少し時間をかけてじっくりと
作製を開始してから3日目。これまでは1日1時間半~2時間程度を作製に割いてきたが、3日目にして、もう少し時間をかけようと決意した。というのも、2日目の作製時に気ばかりはやってしまい、組み込むピースを間違えるというミスを何度か発生させてしまったのだ。
小さなピースを一度組み込んでしまうと、指だけでは組み込みを解除することがなかなか出来ない。そんなミスの対処用に、リムーバーも同梱されている。2日目の夜は、そのリムーバーの出番が多かったのだ。なので、3日目は焦らずじっくり作りたいという思いから、3時間程度時間をかけることにした。
ここで、もう一つ、レゴに感動したところをお伝えしたい。それは、取り扱い説明書がとても正確丁寧に記されていること。使用するブロックの色分けや、ピース数などもしっかり記載されているから、説明書通りに組み立てていけば間違えることなく作り上げることができる………はずなのだが、私はどうしても夜の作業が多くなりがちで、目がショボショボすることもあり(言い訳)、気が付いたら色を間違えて組み込んでいたことが何度もあった。このようなミスを繰り返さないためにも、3日目はある程度時間に余裕をもって作製。結果的には、ほとんど間違えることなく、完成間近まで組み上げることが出来た(ホッと一安心)。
4日目、いよいよ完成!
作製開始から4日目。おそらく本日(4日目)完成すると思われるが、作り始める前に各部所の組み込みの確認をした。可動部分もあるので、しっかり動くかどうかなどを確認したうえで、いよいよ完成に向けての作業をスタートさせた。残り袋数がわずか3袋だから、そこまで時間はかからない。
4日目は、本体の胴体部分となる開口パネルの作製から開始した。
たんたんと組み込むこと約1時間半、やっとすべての行程が終了。作製にかかった総時間は、およそ7時間半。さすがに4日間かけて2354ピースものレゴブロックを組み込んだとあって、達成感もひとしおだ。ピース数が多いため作製時間は要したものの、完成した筐体を見ると、4日間もあっという間に思えた。
レゴの組み上げには、手先の器用さが求められることもないし、別途用意をしなければならないモノ(接着時や塗料、工具類)がないのも嬉しい。
初日に作ったハッブル宇宙望遠鏡を、「ディスカバリー号」から搬出させている状態に設定する事も可能だ。
おまけ
実は、もう一つ作製したモデルがあった。今年35周年を迎えるトヨタスープラを記念して、トヨタ自動車とレゴがコラボレーションして誕生した「レゴ スピードチャンピオン トヨタGRスープラ」だ。い。
6月より発売開始されたモデルで、ピース数299、完成すると全長で15センチ程の大きさながら、とてもリアルに再現されている。ちなみに、「レゴ スピードチャンピオンシリーズ」とは、有名ブランドのクルマをリアルに再現したシリーズで、細部に至るまで美しく再現されているのが特徴だ。
この「GRスープラ」も、やはり実車の特徴をよく再現できており、特にリアビューからの眺めはスープラ好きにはたまらないかもしれない。
レゴブロックで作り上げた実車サイズの「GRスープラ」も存在し、レゴランドに行けば見る事もできる(2021年10月11日まで)。私もその昔、スープラを所有していたことがあるので、個人的にはその頃のスープラも発売してほしいと思ってしまった。
まとめ
完成したスペースシャトルはとても迫力があり、圧巻の一言に尽きる。作製日数4日間と、ある程度時間に余裕を持ったこともあり、パーツを組み上げる楽しみを存分に味わうことができた。完成時には達成感と同時に、「また作ってみたい!」という思いに駆られた。
レゴは模型作製とは違って接着剤や塗料は使わないので、部屋に臭いが充満することも、塗り間違いなどの失敗もない。また、だれが作製しても仕上がりには差が出ないので、「不器用だけど模型作りに興味がある」という人にもオススメだ。本格的な模型を作りたいのであれば別だが、大人向けレゴセットでも、作り上げる楽しみは十分味わえるうえ、仕上がりにもきっと満足できるだろう。ちなみに、「おまけ」で挙げた「GRスープラ」はピース数がわずか299なので、時間のない人や初心者でも楽しめると思う。
今回、久しぶりにレゴに触れる機会を得て、家にこもって趣味に没頭するという新たな時間の使い方を発見してしまった。暑い夏に限らず、寒い冬、台風、花粉や粉じんの多く飛ぶ日など、外出がはばかられる時というのは、けっこうある。「家にこもるのも楽しい」と思えるものがあれば、悪天候も苦にならない。いや、実は家にこもるのが楽しすぎて、ハマりそうで怖い・・・。すでに次、何に没頭しようか物色を始めている。