「見せる収納」として活用していたリビングのクローゼットを、DIYでさらに使いやすくアレンジしてみました。その結果、収納スペースとしてはもちろん、スタンディングデスクとしても活用できる便利でおしゃれな棚が完成!作業工程や材料といった完成までの工程についてご紹介します。
クローゼットをあえて「見せる収納」にした理由
クローゼット=見せない収納とは限らない
クローゼットは扉をしめて中を隠す、「見せない収納」として使う人が多いのではないでしょうか。
わが家には、クローゼットがたくさん設置されています。そのほとんどが扉をしめて隠す収納として活用していますが、リビングにある細長いクローゼットだけは別です。中の壁紙を張り替えてチェストを置き、クローゼットを「見せる収納」として活用していました。
あえて見せる収納にしていた理由は2つあります。1つ目は部屋のインテリア性を向上させるため。2つ目はクローゼットの扉の開閉を考慮し、家具の配置を決めなくてはいけないのが、わずらわしかったためです。
しかしクローゼットにぴったりのチェストがなかなか見つからないため、クローゼット内に無駄な隙間が出てしまうなど、収納力はいまひとつな状態。そこで収納力アップのために、クローゼットの中を改めてリメイクしました。
今回のDIYは「夫」主導!クローゼットに美しい造作棚を作る
おしゃれに&収納力アップさせる!
クローゼット内のスペースは余すことなく使い、なおかつ見せる収納であるからには、おしゃれでありたいもの。
インテリアにおいて「美しい」と言われる条件はいくつかありますが、その中には「左右対称であること」というのが含まれています。
左右対称は収納面においても無視できないポイントなため、おしゃれ&収納力アップを目指すのであれば、積極的に取り入れるべき点です。さっそく左右対称でおしゃれ、なおかつ収納力も高いクローゼット計画を進めてみます。
必要な材料
わが家には、内装職人の夫がいます。彼は暇さえあればDIY動画を眺め、愛読書はdinosのカタログです。日常的にインテリアの知識や感覚を磨いているためか、くやしいことにインテリアセンスは筆者よりも高め。そこで今回のクローゼットのリメイク計画は、すべて夫のセンスに任せることにしました。
ホームセンターに行って夫が買ってきた材料は下記の3種類です。
- 木材(棚になる部分)2枚(合計4,800円)
- 棚受けを取り付けるアイアンバーと棚受けになるフック(合計4,800円)
- タイル(装飾用)8枚(合計1,600円)
正直、結構するなあ……というのが感想です。これで失敗したら目も当てられませんよね。
アイアンバーを壁に打ち付ける
まず、アイアンバーを壁に打ち付けます。とくに難しい作業ではありませんが、アイアンバー同士の間隔が板幅を超えないように、という点のみ注意が必要です。
棚をアイアンバーの厚み分削る
棚になる木板はクローゼット内寸にぴったり収まるサイズでカットしました。そのため、このままではアイアンバーの厚みがあるためはまりません。
そこで、登場するのがハイ、これ!
回転ヤスリ〜!
回転ヤスリとはその名の通り、ぐるぐると回転するヤスリのこと。電動ドリルの先端に取り付けて使用します。細かい部分をやするのに便利なアイテムです。
アイアンバーの厚みを考慮せず板をカットしてしまった夫が、施工途中で慌てて買いに行った代物です。回転ヤスリを使うことで、木板にアイアンバーを避けるだけの凹みができ、ぴったり納められました。
これで、棚の設置は完了です。
知識ゼロのまま天板部分をトリミング
「天板部分は見える部分だからおしゃれにしたい」と考えた夫は、天板部分に装飾をプラスすることに。モノトーンのタイルを格子状に並べたいそうです。しかし、ただ天板の上に貼り付けるだけでは、タイルの厚み分の段差ができてしまいます。
そこでタイルを埋め込むために、初トリマーに挑戦です。トリマーはホームセンター(カインズ)でレンタルしてきました。
夫は内装職人ですが、トリマーに触れるのは初体験。予備知識も何もないまま、「トリマー=なんか浅く溝とか掘れるやつ」という認識程度で、トリマーにチャレンジしていきます。
真っ直ぐ掘るだけであれば問題ないですが、今回掘りたいのはそれなりに広面積です。フリーハンドでやろうとすると……
……めちゃくちゃになります。
こちらは練習用の木材でやったそうですが、本番の天板でやっても同じこと。
それでも何とか枠内の掘り下げに成功しました。しかし掘り下げた深さにばらつきがあるようでタイルが浮いてしまったり、端の方はきれいにトリミングができなかったそうです。そのため再びホームセンターに走り、彫刻刀を購入することに。
木材などの材料を買うのに1回、回転やすりを買うのに1回、彫刻刀を買うために再び1回。彼は棚の完成までに合計で3回ホームセンターを往復しています(呆)。
手間が増えるだけなため、DIYは計画性が大切です!
余談ですがトリマーを用いた作業を広い範囲で行う場合、「治具」という道具が必須です。治具は自作もできるそうなので、作成時に知っていればもっと効率的に作業ができたのでしょう。
トリマーはDIYの幅を広げてくれますが、扱いが難しくて知識も必要なため、慣れるまでは時間がかかります。加えてトリマーはものすごい量の木屑を発生させます。
家具は木屑まみれになり家族は咳き込み、踏んだり蹴ったりでした。トリマーを使う場合は家ではなく、ホームセンターの工作室などを借りた方が良いでしょう。
完成!
タイルを埋め込むための溝を彫刻刀で整えたら、タイルに接着材をオン。溝に埋め込んで、天板部分が完成です。
ちょっとゴシックな装いで、かわいらしい出来栄え♪
後ろの木目模様の壁紙ともよく合っているように思えます。
不要になったチェストの引き出しをセットしてみると…
夫のクローゼットのリメイク計画は、どうやらまだこれでは終わりではない様子。
収納方法は、棚にそのままものを置くのかと思いきや……
これまでこのクローゼット内で使用していた、微妙なサイズ感のチェストを引っ張り出し……
引き出しをセット!
これなら、チェストの引き出しに入れていたものを移動する必要なく、このまま使用できます。引き出しと棚のサイズもぴったりで、カラフルな見た目が天板部分のゴシックなタイルとマッチ。
ただし棚に対して引き出しの数が足りていないため、今後は同サイズで引き出し部分のみDIYが必要になります。
引き出し部分がからっぽになったこちらのチェストは、シューズラックとして再利用予定です。完成したら、再び記事にしたいと思います。
スタンディングデスクとしても使用可能
DIYしたクローゼット内収納は、床から天板までの高さを90センチほどに設計しているため、スタンディングデスクとしても使える仕様です。
Webライティングの仕事で丸1日座って過ごす筆者には、嬉しいアイデア!明るさを設定できるランプも置いたため、夜家族が寝静まったあともこっそり仕事ができます。ずっと欲しいと思っていた「ミニ書斎」が思わぬ形で実現して嬉しい限りです。
まとめ
リビングのクローゼットは扉を開けられるように家具の配置を考えなくてはならなかったり、来客時には開けるのに抵抗があったりと、使いやすいようで使いにくい存在ではないでしょうか。
リビングのクローゼットに使い勝手の悪さを感じたら、思い切って「見せる収納」に切り替えてみるのも1つの方法です。ぜひ、DIYで自分好みのクローゼットを仕上げてみてくださいね。