【キャンドゥ・撮影ボックス】税込550円でフォトスタジオが完成!LED照明付きでSNS用の小物撮影が映える

文具・ホビー・カメラ

すっかり100円ショップの新しいアイテムをチェックするのが趣味と言える筆者。先日キャンドゥで発見し「こんなものまで」と思ったアイテムが「MINI PHOTO STUDIO」です。白いプラスチックボックスにLEDライトが仕込んであり、光がボックスの中で拡散するため、小物などを撮影すると美しく仕上がるというアイテム。写真業界ではすでに定番と言えるアイテムなのですが、まさか100円ショップで税込550円で売っているとは思いませんでした。その実力が気になって、当然即買い! 実際に使ってみた様子を報告します。

執筆者のプロフィール

齋藤千歳(さいとう・ちとせ)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在は昨年8月に生まれた息子と妻の3人、キャンピングカー生活にハマっており、約1カ月かけて北海道を一周するなどしている。

キャンドゥの「MINI PHOTO STUDIO」

LED 付き撮影ボックスがわずか550円

プラスチックやナイロンなどでできた、白い箱。この箱全体に光が回るようにLEDなどが配置された撮影ボックスは、手軽に美しく小物などが撮影できるため、写真好きなどに人気の商品です。

とはいえ、サイズにもよりますが、安くても数千円、大きくて高いものは数万円という価格が一般的。どんなに安くても1,000円を切るような商品を見かけたことはありませんでした。

ところが、キャンドゥの「MINI PHOTO STUDIO」は、ポリプロピレンでできた幅約22cm、高さ約24cm、奥行き23cmという、手ごろなサイズの折りたたみ式の撮影ボックスで、価格は驚異の税込550円。ある意味、価格設定自体が反則とも言える商品です。

しかも、照明となるLEDも標準装備。電気を供給するためのUSBケーブルまで付属してきます。

SNSやブログなどに掲載する小物を撮影する人なら、見つけたら何も考えずに買ってよい価格でしょう。

バックスクリーンも白と黒の2色が付属

パッケージを開けると、白いポリプロピレン製の撮影ボックスと、バックスクリーンが白と黒の2色同梱されていました。LEDライトは、撮影ボックスのフチにしっかりと取り付けられています。撮影ボックス本体を含むすべてが、約23cm×26cm×5cmの箱の中に収納でき、持ち運びも便利です。

非常にコンパクトです。

組み立ても非常に簡単

「MINI PHOTO STUDIO」を組み立てると、撮影するための正面が開いたボックス状になります。組み立てるのも非常に簡単で、3枚のパーツを重ねてボタンで留めるだけです。慣れれば数秒の作業でしょう。

3枚のパーツを重ねてボタンで止めます。

バックスクリーンを取り付ける

付属のバックスクリーン(白と黒)には、撮影ボックスの奥にあるフックに引っ掛けるための穴が開いています。自分が背景として使いたい色を選んで、撮影ボックスにバックスクリーンを取り付けましょう。

撮影ボックスがほぼ組み上がった状態。手前上のひさしのようになった部分に、LEDライトが取り付けられています。

照明用 LED への給電は USB

撮影ボックスの上部手前、ひさしのようになった部分の裏側に、照明用の LED が取り付けられています。 その数は2列で20個。 ひさしの部分を折り曲げることで、光の当たる角度を調整することもできます。簡素ですが、よく出来た照明システムです。

照明用 LED への給電は、micro USB Type-Bで行います。タブレットやスマホなどでもよく使われる普及率の高いコネクタなので、汎用性が高く便利。また、ケーブル自体は同梱されています。変換アダプターを使って家庭用コンセントからも給電できますが、モバイルバッテリーなどを使うことも可能。電源の確保しづらい環境でも、手軽に使うことができます。

micro USB Type-Bを接続したところ。 LEDライトなので消費電力は小さいのに明るく、熱もほとんど発生しません。

「MINI PHOTO STUDIO」が完成

文章であれこれと説明すると、「MINI PHOTO STUDIO」の組み立ては面倒に感じるかもしれません。しかし、慣れてしまえば1分もかからない簡単な作業です。

薄いポリプロピレンでできた撮影ボックスは、頼りなく見えるかもしれません。価格が550円税込と安いこともあり、「本当に撮影できるのか?」と心配になる方も多いと思います。

完成した状態の「MINI PHOTO STUDIO」。あまり頑丈な印象ではなく、ちょっと頼りなく見えてしまいます。

極限まで計算しつくした設計

キャンドゥ「MINI PHOTO STUDIO」は、極論すると、ボタンが2つと折り目がついた1枚の白いポリプロピレンの板に、LEDライトが貼り付けられただけのものです。

しかし、実際に組み立ててみると、高い強度や高級感は感じられないものの、各角ごとの折り目線の付け方や、折り目をつけることでLEDライトの角度が調整できるなど、ある意味極限まで計算しつくした、手慣れた設計を感じます。

撮影ボックスという商品をよく理解した人がを作った安心感のようなものは感じられ、実際の撮影にも期待ができそうです。

白バックで撮ってみた

ライトをつけて被写体を入れて撮るだけ

「MINI PHOTO STUDIO」を使って撮影するといっても、実際のところ、撮影しやすい高さのテーブルの上に置き、ライトをオンにして、撮影したいものを中に入れて撮るだけです。

スマホのノーマル状態では、広角過ぎること(写る範囲が広すぎること)が多いと思いますので、少し望遠側で撮影するとよいでしょう。また、丈夫な三脚を使うと撮影が快適です。

撮影モードが選択可能なカメラで撮影するなら、絞り優先モードでISO感度はオート、 露出補正で明るさを調整しながら撮影するとよいでしょう。

トリミング前提ならかなり大きな物も撮影可能

「MINI PHOTO STUDIO」の開口部は幅約22cm、高さが約21cm、奥行きも約24cmしかありません。そのため、アクセサリーや時計など、かなり小さな物しか撮れないと思う方も多いでしょう。しかし、余計な部分まで一緒に撮影し、後からトリミングすれば、かなりの大きさのものまで撮影可能です。最初の写真では、アイスバーをそのまま撮影してトリミングしてみました。

撮影にはミラーレス一眼を使用していますが、レンズは一般的な標準ズームです。

アイスバーを「MINI PHOTO STUDIO」の中に入れて撮影すると、アイスバーだけではなく余計な部分も写ってしまいます。しかし、そのまま撮影。

余計な部分ごと撮影したアイスバーの画像データを、パソコンなどでトリミングしました。

スッキリとキレイな写真に仕上がったのではないでしょうか。

透明容器に入ったスイーツも簡単キレイ

美しく盛り付けられ、薄いプラスチックの透明容器に入ったスイーツ。写真に撮ってSNSやブログにアップしたいと思ったのに、透明容器に光が反射して思うように撮れない。さらに少し暗い場所でストロボが勝手に光ると、せっかくのスイーツの美しさが全く伝わらない写真に仕上がったりします。

これをストロボなどを使って、真面目に解決しようと思うと、かなりの専門知識と技術が必要です。ところが、「MINI PHOTO STUDIO」なら中に入れるだけ。プラスチック容器の表面に発生する写り込みなどを防いでくれるので、撮影者は撮るだけです。写真の明るさを調整する露出補正を使用すると、明るくキレイに仕上がります。

普通の場所で撮ると透明容器に周りの景色や光が写り込み、思ったように撮れないスイーツ。しかし撮影ボックスを使うとこんなにキレイに撮れます。

缶入り飲料も簡単にプロ並みに撮れます

清涼飲料、アルコール飲料の缶は、実は撮影の難しい被写体です。多くの場合、表面の光沢度が高いため、周りの風景が映ったり、強い光を受けた部分が白くなったりしやすいのです。ですから、メーカーのウェブサイトで見る商品写真のように撮影するのは、なかなか難しいでしょう。

しかし、この問題も「MINI PHOTO STUDIO」を使えば、大部分解決してしまいます。筆者はビールの缶を横位置まま撮影し、後からトリミングして仕上げましたが、最初から縦位置で撮るのもありでしょう。

「MINI PHOTO STUDIO」で撮影した「サッポロ クラシック 富良野VINTAGE 2021」。 余計な部分はあとからトリミングする予定です。

トリミングして完成した写真。トリミング前提であれば、「MINI PHOTO STUDIO」で500mlのペットボトル程度までは撮影できると思います。

映り込みもなく、きれいに撮影することができました。

明るいイメージ撮影したい時は白バックがおすすめ

「MINI PHOTO STUDIO」には、白と黒の2枚の背景スクリーンが付属しています。撮りたいイメージに合わせて、好きな方を選択すればよいわけです。と言われても、どうしていいかわからないという方もいるでしょう。ざっくり大雑把に言えば、明るくて爽やかなイメージに仕上げたいときは白を選択するとよいでしょう。逆に、重々しく重厚なイメージで仕上げたいなら黒ということになります。基本的には、明確な撮影意図がない場合は白を選択すると失敗が少ないです。

撮影は「MINI PHOTO STUDIO」 に入れて撮るだけなのですが、できることならば三脚を使用し、写真の明るさを調整する露出補正などで、明るめに撮影すると美しく仕上がるでしょう。

黒バックで撮ってみた

重厚で男性的なイメージに仕上げるなら黒バック

「MINI PHOTO STUDIO」で撮影する場合、白バックから黒バックに変えても、やることはほとんど変わりません。LEDライトの照射角を多少いじることはできますが、基本的に全体にフラットに光が回るという構造が変わることはないのです。

そのため「MINI PHOTO STUDIO」に入れて、かっこいい、もしくは美しいと感じる角度で撮影するだけと言えます。

ただし、白バックでは露出補正で写真を明るく調整しましたが、黒バックでは写真を暗く調整した方が美しく見えることが多いでしょう。こちらもぜひ試してみてください。

黒バックで撮影した「SAMYANG AF 24mm F1.8 FE」。カメラやレンズなどは、重厚なイメージの黒バックで撮影すると映えます。

マクロレンズを使うと小物撮影はより快適

ここまでの撮影では、一般的な撮影に使われる「標準ズーム」というレンズを使ってきたのですが、黒バックで腕時計を画面いっぱいに大きく、そして大きなぼけも発生させたいと考えて、マクロレンズを使いました。マクロレンズといっても、今回使用した「銘匠光学 TTArtisan 40mm f/2.8 MACRO C」 は、実勢価格が14,000円程度と非常にリーズナブルなので、1本持っていると小物撮影に便利です。

このマクロレンズで腕時計をアップにして、もっとも大きくぼけるように設定したので、後のもう1本の時計が大きくぼけ、主役に手前の腕時計の印象を引き立ててくれています。

難しいことをしているかのように見えますが、「MINI PHOTO STUDIO」と、1万円台で購入できるマクロレンズを使っただけです。

【国内正規品】銘匠光学 TTArtisan 40mm f/2.8 MACRO C 単焦点レンズ (富士フイルムX, ブラック) 「2年保証付」
型番:40mm f/2.8C X (B)
レンズマウント:富士フイルムX / 焦点距離:40mm(35mm判換算:60mm相当) / フォーカス:MF(マニュアルフォーカス) / レンズ構成:7群8枚(特殊低分散レンズ2枚、高屈折低分散レンズ3枚)/ 対応撮像画面サイズ:APS-C
最短撮影距離:約0.17m / 絞り:F2.8-F16 / 絞り羽根:11枚 / フィルター径:52mm / サイズ:Φ約62mm×約74mm(マウント部除く)/ 質量:約370g
備考:ご使用時にはカメラの「メニュー」-「レンズなしレリーズ」を「ON」にしてください。※カメラの機種により「レンズなしレリーズ…
¥14,230
2021-10-29 12:10

背景の色だけでイメージは大きく変わる

「MINI PHOTO STUDIO」 に付属する背景スクリーンは、白と黒の2色です。「MINI PHOTO STUDIO」のライティング自体を変えることはできませんが、背景色を白とするか黒とするかだけで、イメージが大きく異なることが分かってもらえたのではないでしょうか。写真のイメージに合わせて白と黒を使いこなすだけで、バリエーションはかなり広がります。

また、画用紙などで自分の好きな色の背景スクリーンを自作してみるのもよいでしょう。季節や被写体に合わせて背景色を変えるだけで、さまざまなイメージの撮影ができると思います。

まとめ

コンパクトなスペースで撮れるから車内や旅先でも便利

キャンピングカーの中に持ち込んでみました。旅先でもとても便利です。

「MINI PHOTO STUDIO」は、安くて軽くて小さくて、しかも写真がキレイに撮れる優れものです。筆者は自宅用のほかに、キャンピングカー用にもう一つ買おうと思っています。見つけたら即買いをおすすめします。

本体のサイズが小さいので、撮影できるものの大きさには限界がありますが、簡単・キレイに撮影できます。自宅のちょっとしたスペースでも、旅先のホテルの部屋でも、キャンピングカーの中でも、小物がキレイに撮れるわけです。筆者は、より省スペースで撮影できるよう、三脚も上の写真のようなスタンドポッドを選択。箱にすべてを収納しても約310gの「MINI PHOTO STUDIO」との組み合わせで、旅先やキャンピングカーの中でも活躍してもらう予定です。もはやモバイルフォトスタジオとも言えるでしょう。

もし可能であるならば、税込1,100円の価格設定でよいので、もうひと回りからふた回り大きい「MINI PHOTO STUDIO」を、キャンドゥさんが出してくれることを期待しています。

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齋藤千歳(フォトグラファーライター)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9㎡の仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。北海道の美しい風景や魅力を発信できればと活動中。

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