2021年10月、DJI JAPANはアクションカメラの新製品として「DJI Action 2」(以降Action2)の発売を開始した。Action 2は、2019年5月に発売された「Osmo Action」の後継モデルで、およそ2年半ぶりとなる新モデルの投入になる。今回、試す機会を得たので、製品の特徴など動画を交えながらお伝えできればと思う。
「Action 2」の概要
Action 2は、キューブ型のデザインが特徴のアクションカメラだ。重量わずか56グラムというコンパクトなボディに、最大4K/120fpsの高画質動画を撮影できるほか、超広角155度の画角で撮影することも可能にしている。センサーには1/1.7CMOSセンサーを採用し、ISO感度は、動画・静止画共に100~6400となっている。
レンズはデジタルズームだが、動画・静止画共に4倍まで対応する。背面モニターには、1.76インチ/350ppiのタッチ画面を採用している。最大動画ビットレートは130Mbps、本体に内蔵32Gバイトのストレージを内蔵(実際に使用できるのは22.4Gバイト)しているから、microSDカードがなくても、短めの動画なら20分程度撮ることができる。もちろんmicroSDカードを使用すれば、長時間の動画撮影も可能だ。
無線は、802.11 a/b/g/n/acとブルートゥースに対応する。またAction 2には、全面にOLEDのタッチ画面を搭載したモジュラーの他、電源モジュールが用意されているから、それらのモジュラーをカメラ本体に接続すれば、バッテリーの駆動時間が延長されるなど機能か拡張される。フロントタッチ画面モジュールがセットになった「DJI Action 2 Dual-Screenコンボ」と電源モジュールがセットになった「DJI Action 2 Powerコンボ」が用意されている。それぞれ価格は、「DJI Action 2 Dual-Screenコンボ」が6万3800円、「DJI Action 2 Powerコンボ」が4万9500円。
アクセサリー類とはマグネットで着脱可能
キューブデザインの本体は、アクセサリー類各種とマグネットで取り付けできるようになっている。例えば、電源モジュールやタッチ画面モジュール、別売の延長ロッドなど、その多くがマグネット着脱式となる。撮影の準備に手間取ることなく設定できるから、撮りたい時にサッとカメラを取り出してすぐに撮影を開始することが可能だ。また、各種設定時も、画面のタッチで直感的な操作ができるから、ほとんどストレスを感じることがない。
最大で4K/120fps、155度の超広角で撮影できる
撮ることのできる動画は、最大で4K/120fpsとなっており、かなり滑らかな動画を撮ることができる。また、画角も155度と超広角での撮影が可能だから、景色も含め、多くの情報を撮ることが可能だ。広角になると画面のゆがみが気になるところだが、そこは、カスタム非球面レンズの採用により、ゆがみを最小限に抑えている。
「RockSteady2.0」など独自の手振れ補正技術を搭載
さらに、手振れ補正にはDJI独自の電子式映像手振れ補正技術「RockSteady 2.0」や新機能の「HorizonSteady」によって、激しく動くような撮影でも、映像のブレや水平位置を検知して補正してくれる。
最大10メートルまでの防水性能を備えている
本体のカメラユニットは、耐衝撃性、防塵性、最大10メートルまでの防水性能も備えているから、屋外の使用でも安心して使うことができる。
4つのマイクが搭載されている
フロントタッチ画面がセットになった「DJIAction 2 Dual-Screenコンボ」のフロントタッチ画面モジュールには、4つのマイクが搭載されているから、カメラ本体と接続して使用すれば屋外で話しながらの撮影もクリアな音声として録音できるから、Vlog撮影などにも十分に使用可能だ。
スローモーションやタイムラプス撮影にも対応する
その他、スローモーション撮影やタイムラプス&ハイパーラプス撮影、SNS投稿に便利なショートビデを撮影に適したQuickClipなど、さまざまな機能を備えている。
早速、撮影してみた!
ここからは、実際に使用した際の印象をお伝えできればと思う。まずは、カメラ本体を手にした時の印象だが、アルミ合金で作られたというカメラ本体は、小さいながらもしっかりとした作りで質感も高い。電源ボタンを押し、言語などの設定を終わらせると、撮影を開始できる状態になるのだが、説明書を見ることなく直感的な操作で設定が可能なのは、とても嬉しい。
キューブ状の形状は、カメラというよりアクセサリー感覚
設定が完了したので、まずは手持ちで簡易的な撮影をしてみた。キューブ状の形状で、とても小さいサイズだから、カメラを持っているという感覚ではなかった。しかしながら、手に馴染む感じがとても心地がよく、何となくワイシャツの胸ポケットに入れておきたいような、そんなサイズ感が個人的に好印象だ。カメラというよりは、アクセサリー類のような感覚だろうか。
ストラップタイプのアクセサリーで動画を撮影
次に、ストラップタイプのアクセサリーを使用して撮影をしてみた。せっかくなので、過酷なテストとまではいかないものの、屋外でそれも未舗装路を走行する機会があったこともあり、そこでじっくり使用してみた。別の記事で紹介する予定だが、先日、河口湖で行われたe-MTBのツアーに参加してきたので、その時の走行動画を載せたいと思う。
使用シーンは、完全な未舗装路でひたすら勾配のキツイ坂道を登り続けるというもの。路面状況が落ち葉などで滑りやすい状況であることと、深い轍などもあり、かなり、体も自転車も揺れる場面が多かったのだが、そんな場面でも、撮れた映像を見返してみると、とてもスムースな映像を撮ることができていた。撮った際の画角は標準モードを使用し、4K/30fpsで撮影をした。
次に、自転車に固定して街中を散策した際に使用してみた。これも、4k/30fpsでの撮影になるのだが、固定して撮影していることと、手振れ補正(RockSteady 2.0)の効果により全く揺れを感じさせない映像を撮ることができた。
標準・広角・超広角、それぞれの画角で撮ってみた
Action 2での動画撮影は、画角が3モード搭載されているので、撮りたいイメージに合わせた画角の設定が可能なのも嬉しい。搭載されている3モードの画角は、標準、広角、超広角となる。標準及び広角のモードで撮影した動画は、いずれも動画端部分がゆがむようなこともなかったのだが、超広角での撮影した動画は、動画の両端が、少しだけ間延びしているように見えてしまったが、これは仕方のないことかもしれない。それでも、手振れ補正をかけている状態でも155度の超広角で撮影できるから、より多くの情報を動画に収めることができる。
2つのモジュールをそれぞれドッキングさせれば、撮影時間の延長が可能
Action 2には、カメラの本体以外に、フロントタッチ画面モジュールと電源モジュールが用意されており、それぞれ、Action 2に接続する事で、バッテリーの駆動時間が延長されるようになっている。カメラ単体では70分の駆動時間も、画面モジュールの接続により160分まで、電源モジュールの接続により180分まで延長することができる。
microSDカードも256Gバイトまで対応するから、各モジュールを使用すれば、かなり長時間の動画を撮影することが可能だ。ただし、本体にもストレージが内蔵されているから、短い時間であれば、カメラ単体での使用も十分可能だ。撮影時に、ループ録画設定も可能で、5/10/20/30分、1/2/3/5時間と設定できるから、ドライブレコーダーのように、上書きしながら撮影を続けることもできる。今回は、ループで動画を撮ってみたかったので、あえて内蔵のストレージのみで撮影を試みた。
直感的な操作も、ちょっと慣れが必要?
手持ちで撮影、ストラップに取り付けて撮影などいろいろな使い方をしてみたが、撮影を開始するのは、ワンボタンと簡単で、設定も直感的な操作で簡単にできた。しかしながら画角を変更したり、画面の明るさを調整したりの操作においては、うまく操作ができないケースが数回あった。これは、慣れてくれば、スマホを使うように簡単に操作できるようになるレベルだが、初めての使用では、少し操作感覚を覚える必要があり、その点だけが少し気になった。とはいえ、慣れてしまえば、問題ないレベルではある。
別売のアクセサリーとなる延長ロッド
Action 2には同梱されていないが、Action2には、いろいろなアクセサリーが用意されている。その中でも、今回試したのは延長ロッドだ。これは、いわゆる自撮り棒のようなものになるが、自撮り棒と大きく違うのは、脚が三脚になることだろうか。この延長ロッドには、リモコンも付属しているから、ロッドを延長させてもリモコンのボタンを押せば撮影することができるから、とても便利に使える。スマホとAction2をリンクさせれば、スマホの画面を見ながら撮影することもできるから、モニターが見えない状態でも撮りたい動画や静止画を撮ることができる。
まとめ
今回、DJI JAPANから新たに発売されたアクションカメラ「Action 2」を実際に使用してみたが、アクションカメラの進化には関心するばかりだった。これまで、スマホでの撮影でも十分だと思っていた動画撮影も、改めてアクションカムを使用してみると、その使い勝手を含めてやっぱりアクションカムの方がより迫力のある映像を簡単に撮れるのだということを実感できた。
クオリティの高いVlogも手軽に作れる
デジタルながら手振れ補正技術の進歩によって、素人のわたしでも、映像酔いすることのない動画を撮ることができるのは、アクションカメラだからできる技だと思う。また、コンパクトなサイズながら、4K映像の高画質動画を撮ることができ、またその動画の編集もスマホがあれば簡単にできてしまう。その気になれば、YouTubeにVlogとしてアップすることだってできてしまうわけだから、今や、誰でもがYouTuberになることができる時代なのだと、改めて感じた次第だ。
そんなアクションカメラの中でも「Action 2」はかなりオススメだ!
しばらくの間「Action 2」でいろいろな動画を撮影してみて感じたことは、手の内に収まるようなこのコンパクトなサイズ感と、簡単な操作性で、さっと取り出してすぐに撮影できる手軽さがとても魅力的なカメラだということ。迫力のある映像を手軽に撮りたい人にはかなりオススメのアイテムだと思った。豊富なアクセサリー類を使えば、より独創的な映像を撮ることができるかもしれない。