「また家系食べちゃった…」そんな罪悪感、感じていませんか?濃厚なスープ、こってりチャーシュー、太麺。どう考えても太りそう…。でも、ちょっと待ってください!医師によると、家系ラーメンは工夫次第で「完全栄養食」になるというのです。特に注目したいのが、しょうがに含まれる「ショウガオール」。体を芯から温める”摂るサウナ”効果で、実は健康的な一杯だったのです。
「罪悪感フード」は誤解だった
日本人の9割以上が「ラーメンが好き」と答えるほどの国民食である一方で、「太るのでは?」「脂っこい・塩分が多そう」「体に悪い」という健康面での不安や罪悪感を抱く人が多いのも事実です。

しかし、イシハラクリニック副院長の石原新菜先生は、こう語ります。
イシハラクリニック副院長 石原新菜先生(いしはら・にいな)
日本内科学会会員。日本東洋医学会会員。秋田栄養短期大学特任教授。2006年3月に帝京大学医学部を卒業、同大学病院で2年間の研修医を経て、現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察の他、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。
「ラーメンは”塩分やカロリーが高い”といった面だけで語られがちです。しかし、栄養学的に見れば豚肉のビタミンB1や卵の良質なたんぱく質、海苔・野菜のミネラルや食物繊維など健康に寄与する要素が多く含まれています。飲み会後の一杯も、水分・塩分補給や肝臓のサポートになる面があります」
つまり、家系ラーメンは「罪悪感フード」どころか、食べ方次第で健康をサポートする一杯になるのです。
家系ラーメンの具材は栄養の宝庫

それぞれの具材が持つ驚きのパワー
家系ラーメンの定番トッピングには、実はこんな栄養素が詰まっています。

家系ラーメン 大解剖 – 2
チャーシュー(豚肉)
ビタミンB1が豊富で、疲労回復や糖質代謝をサポートします。仕事で疲れた体にうれしい栄養素です。
卵
良質なたんぱく質とビタミンDの供給源となり、免疫力を支える重要な役割を果たします。
海苔
ビタミンB12が豊富に含まれ、貧血予防や神経ケアに効果的です。
ほうれん草
鉄分とβカロテンが豊富で、抗酸化作用と貧血予防に役立ちます。女性に不足しがちな鉄分を補えます。
スープ
発酵成分とシステインが含まれており、腸内環境を整え、アルコール代謝をサポートします。
しょうが
ショウガオールが含まれており、血流を促進して体を芯から温めます。代謝を高め、二日酔いの不快感を和らげる効果も期待できます。
飲み会後の”締めラーメン”は理にかなっていた
「飲んだ後にラーメン食べちゃった…」という罪悪感、実は不要かもしれません。石原先生によると、飲み会後の一杯には二日酔い対策として理にかなった一面があるといいます。
スープで水分・塩分を補給し、豚肉や卵に含まれるアミノ酸が肝臓をサポート。麺の炭水化物でエネルギーをチャージします。アルコールで消耗した体を回復させるには、実は最適な組み合わせなのです。
医師推奨!家系ラーメンを健康的に食べる3つのコツ
せっかくなら、もっと健康的に家系ラーメンを楽しみたいですよね。石原先生が推奨する、罪悪感ゼロで食べる方法をご紹介します。

1. オーダーは「硬め・薄め・少な目」で
麺は硬めにすることで咀嚼回数が増え、満腹感を得やすくなります。味は薄め、油は少な目を選べば、塩分と脂質を抑えられます。
2. 野菜や卵をトッピングして栄養を補完する
ほうれん草やネギを追加すれば、ビタミンやミネラルをプラス。卵を追加すれば、良質なたんぱく質で満足度もアップします。
3. スープは飲み干さない
どんなに美味しくても、スープを全部飲むのはNG。塩分の大部分はスープに含まれているため、残すことで塩分摂取を大幅にカットできます。
これらの工夫により、脂質や塩分の摂取を抑えながら、必要な栄養素をしっかりと取り入れることができます。
注目の成分「ショウガオール」とは?

出典;2つの辛み成分(株式会社あさの)
生姜が”摂るサウナ”と呼ばれる理由
ここで、石原先生が最も注目する成分が登場します。
「そして、1番のポイントとなるのは摂るサウナ『ショウガオール』です。生姜に含まれるショウガオールは体を温めて代謝を促し、二日酔いの不快感をやわらげる助けにもなります。ぜひ家系ラーメンを食べる際には、生姜をトッピングして罪悪感を解消しましょう!」

ショウガオールとは、生姜を加熱することで生成される成分です。生の生姜に含まれる辛味成分「ジンゲロール」は、加熱や乾燥によって「ショウガオール」へと変化します。ラーメンのような熱々の料理にすりおろし生姜を加えると、効率よくショウガオールを摂取できるのです。
ジンゲロールとショウガオールの違い
生の生姜に含まれるジンゲロールは、抗酸化作用や抗炎症作用を持っていますが、体の末端を温める一方で、体の深部を冷やす効果(解熱作用)もあります。風邪の引き始めには良いのですが、冷え性の改善には不向きです。
一方、加熱によって生成されるショウガオールは、ジンゲロールよりも辛さが強く、血流を促進して体を芯から温める効果があります。燃焼効果を高めて熱を作り出すと共に、血流促進を行うため、体温そのものが低い冷え性の方に効果的です。
まるでサウナ!深部体温を上げる効果

ショウガオールの最大の特徴は、深部体温を持続的に上昇させることです。この体温上昇効果は、まるでサウナに入っている時と同じような作用を示すため、「摂るサウナ」とも呼ばれています。
深部体温を上昇させることで、手足の冷えや代謝低下を防ぐだけでなく、免疫細胞の働きを活性化し、便通も改善します。冬は気温低下や乾燥によって免疫力が落ちやすく、身体の冷えからくる不調や風邪など、季節特有のトラブルが増える時期ですが、ショウガオールは血流を促して不快感を和らげ、二日酔いの症状改善にも役立ちます。
冬こそ家系ラーメン×生姜で温活しよう
冬に家系ラーメンを食べることで、ショウガオールがもつ身体を温める効果と食材の栄養が組み合わさり、まさに“摂るサウナ・温活食”となるのです。
家系ラーメンの豚肉や卵、海苔には良質なたんぱく質やビタミンが豊富に含まれ、スープやしょうがは腸内環境や血流を整え、体を芯から温めます。中でも注目したいのが、しょうがに含まれる「ショウガオール」です。加熱により生成されるこの成分が血流を促し、深部体温を持続的に上昇させます。
飲み会のあとに食べる”締めラーメン”にも、二日酔い対策として理にかなった一面があります。スープで水分・塩分を補給し、豚肉や卵に含まれるアミノ酸が肝臓をサポートし、麺の炭水化物でエネルギーをチャージします。ショウガオールが血流を促して不快感を和らげることで、翌朝の体調管理にも役立ちます。
まとめ:罪悪感ゼロで家系ラーメンを楽しもう
家系ラーメンは、工夫次第で”健康にいい一杯”に変わります。オーダーの際には「硬め・薄め・少な目」を選び、野菜や卵をトッピングして栄養を補完し、スープは飲み干さない。そして何より、生姜をたっぷりトッピングして「摂るサウナ」効果を取り入れましょう。
石原先生の言葉を借りれば、「生姜をトッピングして罪悪感を解消」です。冬の寒さに負けない体づくりに、ぽかぽか温まる家系ラーメンで、美味しく健康的に温活してみてはいかがでしょうか。
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