冬に手放せないのが、電気毛布や最近流行の電熱ウェア。ヒーターウェア、ヒートウェアなど呼ばれ方はそれぞれですが、電線が張り巡らされたウェアで、これがすこぶる暖かい。しかし、1ヶ月も毎日使っていれば気になるのが汚れ。電熱ウェアや電気毛布は、電気製品と違い「水洗い」ができます。手洗いか洗濯機洗いか、洗濯機の種類はどれがベストかなど、冬の電熱ウェアのメンテナンスについて解説します。
流行の電熱ウェアのメンテナンス方法は?洗濯できる?
12月。もう冬準備はお済みでしょうか?最近は地球温暖化でもあるためでしょうが、ウェアも全体的に薄手にしています。
断熱材の普及もあり、室内温度がふた昔前と比べると圧倒的に暖かいので、モコモコのダウンなどを着ると汗だくになることも多いですよね。このため、薄手の機能型の冬物が流行ります。中でも、今人気なのが電熱ウェア。発熱体が肌側にあるので、それは強烈です。背中一面にカイロを貼られたよう。やや前屈み気味になりやすい冬でも、背筋をピンと伸ばして歩けるという感じです。
ただし、いいことばかりではありません。使うと汚れてきます。「洗濯できる」を謳い文句にしている商品も多いですが、それでも、無闇矢鱈と洗えるわけではありません。今回は、電気毛布、電熱ウェアに関するメンテナンスレポートです。
電熱ウェアや電気毛布が水洗いOKな理由
電気製品は基本水気はNG。これは水が入り込むことにより、回路がショートし回路が正常に機能しなくなるからです。その理屈に沿ってヒートウェアを考えてみましょう。
電熱ウェアは、バッテリー、コントローラー、ヒーター、そしてそれらをつなぐ電線から成り立っています。この内、バッテリー、及びコントローラーは、内部に回路を持っています。これらを外すと、残りは、ヒーターと電線。確かに濡らしても、乾かせば問題なさそうです。
そう、電熱ウェア、電気毛布は、洗濯する部分に、電源、コントローラーを付けない、着脱できる構造になっているのです。このようにして、ヒーターを入れた毛布、衣類の洗濯適正獲得が始まりました。
手洗いするなら「押し洗い」で
さて次は、どんなことに注意すべきでしょうか。
それはヒーター、電線を「断線させない」ことです。断線させたら最後、使えませんからね。ここは細心の注意が必要です。
洗濯は、「手洗い」「洗濯機」と大きく2つに分かれるのですが、この特徴は「手洗い」のとき、顕著になります。手洗いは、大きく「押し洗い」と「もみ洗い」に分られます。しかし、OKされているのは「押し洗い」のみ。もむと断線の可能性があるからです。
ドラム式での洗濯はおすすめできない
二槽式、縦型、ドラム式洗濯機の違い
新しい家電は、基本進化しています。そして今の家電は、目的がちょっと違った方向へズレる時もあります。というのは、洗濯の目的は衣類ケア。ケアですから、衣類に優しいことがすこぶる重要です。しかし、今の進化ちょっと違いますね。「自動化」がトップにきます。誰でもその効果を享受できる様にしているわけですが、実は、衣類に優しい、洗濯自由度が高いとなると、最も古い「二槽式」がトップにきます。洗濯槽が脱水機能を持たない、また自動メニューがほとんどない二槽式は今や、洗濯のプロ、マニアが使っています。水温こそコントロールできませんが、その他洗濯の技を駆使しやすいのです。カタログの隅に二槽式が掲載されているのは、いまだに強いニーズがあるからです。
そして「二槽式」「縦型」に共通するのは、槽にたっぷり水を入れて洗うことです。洗濯物同士、もしくは洗濯槽に「擦るように洗う」ことです。一方、「ドラム式」は「叩き洗い」。洗濯物を高く持ち上げ、重力で下に叩きつけて洗います。
どちらが断線しやすいか。当然「叩き洗い」です。価格が高いドラム式洗濯機ですが、こと電気毛布、電熱ウェアを洗うということになると、不利に働きます。力が強すぎるのです。断線の可能性があります。特に電気毛布は水を含むと重くなります。今の取説を読むと、「手洗い」「洗濯機」という2つに分かれている場合がほとんどですが、「洗濯機は縦型に限る」と言うコメントをしているモノもあります。パナソニックのように、電気毛布を作り、なおかつドラム式洗濯機も作るメーカーが、問題ないとしているない場合は、いいのですが、電気毛布だけ、電熱ウェアだけ作っているメーカーは、正直どこまで検証しているのか分かりません。失礼な言い方になるかもしれませんが、双方のデーターを反映しながら設計、テストしているパナソニックほどではないように思います。
それはさておき、私は、電気毛布、電熱ウェアを洗うときは、押し手洗い、もしくは縦型洗濯機の「手洗いモード」をお勧めします。正直、ドラム式洗濯機はちょっといやですね。
実は、電気毛布は、ドラム式洗濯機を嫌う感じが見て取れるのですが、電熱ウェアに関しては、縦型、ドラム式洗濯機双方ともOK、もしくは双方ともNG(手洗いのみOK)と完全に二分割。これは電熱ウェアが軽いためだと思われます。水を含んでも電気毛布ほどの重さはありません。となると自重叩きつけもそんなに深刻なレベルになりません。
あと、付記しておきますが、断線は必ず起きるわけではありません。あくまでも起きやすいということです。
「乾燥」はダメ
こうなると、どのメーカーも「乾燥機」を良しとしない理由がわかると思います。洗濯機の乾燥機は基本ドラム式です。グルグル回すことにより、洗濯物をほぐしながら、熱風で乾かします。問題は、グルグル回すので、あちらに「ごつん」、こちらに「ごつん」と当たることです。洗濯時より派手です。初めは洗濯機のように、途中から風で浮いたところを叩きつける感じで、かなり激しい。洗濯ですら「手洗い」指定しますので、乾燥は当然NGです。
最後に
日本人は、かなりのきれい好き。特に女性はその傾向が強いです。このため洗濯できるできないは非常に大きなことです。流行りの電熱ウェアも、1ヶ月連続して着ると汚れます。そんな時、取説通りに洗うのは当たり前ですが、その意は、断線させないようにすることです。そのためには、ゆっくりと押し手洗いがベストです。洗濯機を使う場合は、取説を十分読み、自己判断で対応されることをお勧めします。
ちなみに、柔軟剤、漂白剤はNG。香り付けしたい場合は、洗濯以外の後付けでお願いします。
【電熱ベストのおすすめ】ワークマンのヒーターベストを実際に買って使ってみた体感レビュー! – 特選街web
「電熱ベスト」とは、名前の通り電気の力で発熱するウェアのこと。今、このウェアが売れまくっているという。例えば、ワークマンの「ヒーターベスト」や、プライムダイレクトの温熱ベスト「スピードヒート」、マキタの「暖房ベスト」などは、アウトドアだけでなく日常使いとしても人気が高い。今回は「ワークマン女子」デビューの私が、ヒートベストを実際に使ってみて、電熱ベストの魅力を探ってみた。
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◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京散歩とラーメンの食べ歩き。