スマホを使っていると、操作方法や設定などで細かな疑問が生じてくるものです。でも、ちょっとした設定の変更や使い方の工夫で、スマホは格段に快適になる場合があります。ここでは、iPhone、Androidどちらでも、多くの人が悩みがちな基本テーマを取り上げて解説します。
※本記事に掲載している画面写真は基本的に、iPhoneはiOS 15、AndroidはAndroid 11のものです。また、Androidの画面は「シャープ・AQUOS R6」のものです。
「ホーム画面」の上手な使い方が知りたい
▶︎「ホーム画面」には、よく使うアプリを配置しておくと便利です。
iPhoneの「ホーム画面」には、インストールしてあるすべてのアプリが表示されます。よく使うアプリは、最初に表示される画面に配置しておくと便利です。
ホーム画面のいちばん右の画面(画面を左にスワイプして、最も右側にある画面)には、アプリがカテゴリ別に自動で分類される「Appライブラリ」が表示されます。ホーム画面からはアプリのアイコンを削除して、「Appライブラリ」だけに表示させることもできます。あまり使わないアプリは、ホーム画面から削除してもいいでしょう。
Androidのホーム画面には、よく使うアプリのアイコンだけを表示でき、画面を上方向にスワイプすると、すべてのアプリを表示できるというのが一般的。使用頻度が少ないアプリは、ホーム画面から削除しておきましょう。
ちなみに、iPhone、Androidとも、よく見るウェブサイトや連絡先などをホーム画面に追加して、ワンタッチでアクセスできるように設定することもできます。
●「ホーム画面」は使いやすく整理しておこう
iPhoneにインストールしたアプリは、ホーム画面のいちばん右にある「Appライブラリ」に自動で整理される。あまり使わないアプリは、ホーム画面に表示しないようにすることも可能。また、アプリのアイコンを長押しして「Appを削除」を選択すると、アプリを端末から削除できる。
Androidは、ホーム画面を上方向にスワイプするとアプリ一覧が表示。アイコンを長押しして、上の「ホーム画面に追加」にドラッグすると、ホーム画面に表示できる(機種によって操作方法は異なる)。ホーム画面から削除する場合は、アイコンを長押しして、上の「削除」にドラッグする。
画面の上部に並んでいるマークの意味がわからない
▶︎画面上部から下方向にスワイプすると、通知の内容がわかります。
スマホの画面の上端、現在時刻や電波の受信状況を示す「アンテナピクト」などが表示される部分を「ステータスバー」と呼びます。ここを見ると、Wi-Fiや位置情報のオン/オフ、電池残量など、端末の状態がわかります。
Androidスマホは、このステータスバーに多くのマーク(アイコン)が並ぶことがあります。電話の不在着信があったり、新しいメールを受信したりした場合にも、それを示すアイコンが表示されます。
アイコンの意味がわからない場合は、画面を下方向にスワイプして「通知パネル」を表示しましょう。通知の一覧を見ることで、アイコンが意味する内容が確認できます。
なお、通知を見るだけでは、アイコンは消えません。アイコンを消すには、通知をタップして詳しい内容を確認するか、もしくは、通知を左右どちらかにスワイプすると消せます。また、通知一覧の左下の「すべて消去」をタップして、一括して消すこともできます。
●多くのアイコンは通知があることを意味する
%%iPhone%%brwonのステータスバーには通知のアイコンは表示されないが、画面左上から下方向にスワイプすると、「通知センター」で通知内容が確認できる。
Androidのステータスバーに多くのアイコンが並んだ場合は、画面上部から下方向にスワイプして「通知パネル」を開くと、アイコンの意味がわかる。
電源の切り方や再起動の仕方を教えて
▶︎本体ボタンの長押しなどで、電源オフや再起動の操作ができます。
iPhoneの電源の切り方は、機種によって異なります。iPhone X以降のホームボタンがない機種では、サイドボタンと音量調節ボタン(上でも下でも可)を同時に長押しします。画面上部に表示される「スライドで電源オフ」を右にスライドするとオフになります。
iPhone SEなどホームボタンがある機種は、サイドボタンを長押しすると「スライドで電源オフ」が表示されます。どちらも完全に電源が切れるまでに30秒ほど待ちましょう。その後、サイドボタンをアップルのロゴが表示されるまで押し続けると再起動できます。
Androidは、電源ボタンを長押しして「電源」をタップすると、「電源を切る」と「再起動」を選択できる画面が表示されます。
タッチの反応が遅いなどの不具合が生じた場合は「再起動」をタップ。電源がオフになったあと、自動でオンになります。なお、画面を下方向にスワイプし、「クイック設定」から電源をオフにする機種もあります。
●iPhoneとAndroidでは電源の切り方が異なる
iPhoneはサイドボタンと音量調整ボタンを同時に長押しすると、この画面が表示。「スライドで電源オフ」を右になぞると電源が切れる。
Androidは電源ボタンを長押してして、まず「電源」をタップ。続いて、「電源を切る」または「再起動」を選択できる画面が表示される。
画面が明るすぎて、まぶしく感じるときがある…
▶︎自動調整でもまぶしい場合は、オフにして手動で調整しましょう。
スマホの画面は、周囲の明るさに応じて、最適な明るさに自動で調整されます。しかし、手動で明るさを調整することもできます。
iPhoneは「コントロールセンター」、Androidは「クイック設定」で調整可能。ただし、「自動調整」がオンになっている場合は、再び、自動で調整される明るさに戻ります。
自動調整された明るさがまぶしく感じるのであれば、自動調整をオフにしましょう。
iPhoneは、「設定」→「画面表示と明るさ」→「True Tone」を選択。
Androidは、「設定」→「ディスプレイ」→「明るさの自動調整」をオフです。
●「コントロールセンター」や「クイック設定」で調整
iPhoneは、画面右上から下方向にスワイプし、「コントロールセンター」で画面の明るさを調整できる。
Androidは、画面を下方向に2回スワイプして表示される「クイック設定」で、画面の明るさを調整できる。
画面がすぐに暗くなってしまう…
▶︎電池の無駄遣いを抑えるための機能ですが、時間を長くすることもできます。
スマホは、一定時間操作をしないとディスプレイが自動で暗くなります。これは電池の無駄遣いを防ぐための機能です。自動消灯までの時間は、iPhoneが「1分」、Androidの多くは「30秒」に初期設定されています。
しかし、この時間が短く感じられるのであれば、設定を変更できます。
iPhoneは「設定」→「画面表示と明るさ」→「自動ロック」
Androidは「設定」→「ディスプレイ」→「画面消灯」
などに進んで、好みの時間に変更しましょう。ただし、画面が点灯している時間が長いほど、電池を消耗するので注意が必要です。
●自動で暗くなるまでの時間は変更できる
iPhoneは、「設定」→「画面表示と明るさ」→「自動ロック」で、画面が自動で暗くなるまでの時間を変更可能。
Androidは、「設定」→「ディスプレイ」→「画面消灯(スリープ)」などで、時間を設定できる。
スマホを動かすと、画面が勝手に回転しちゃう…
▶︎画面が回転して困る場合は、「自動回転」をオフにしましょう。
スマホは、横向きにしても使えます。横画面で表示できるアプリは、スマホを横向きにすると画面表示も自動で回転します。
日常的には、そのままで使って差し支えありませんが、自動回転をオフにして、縦向きの画面に固定することもできます。ソファーやベッドに横たわってスマホを使いたい場合は、自動回転をオフにするといいでしょう。
iPhoneは、「コントロールセンター」を表示させて、「画面縦向きのロック」のアイコンをタップしてオンにします。
Androidは、「クイック設定」にある「自動回転」をタップして、オフにしましょう。
●画面表示は縦画面で固定できる
iPhoneは、「コントロールセンター」で「画面縦向きのロック」をオンにすると自動で回転しなくなる。
Androidは、画面を下方向にスワイプして「クイック設定」を表示させると、自動回転のオン/オフができる。
画面の壁紙を好みのものに変更したい
▶︎自分で撮影してスマホに保存した画像も設定することができます。
iPhoneの壁紙は、「設定」→「壁紙」→「壁紙を変更」で変更可能。内蔵されている壁紙には、「ダイナミック」「静止画」「Live」があります。
「ダイナミック」は本体を傾けると変化する画像を設定でき、「Live」は長押しすると動く画像を設定できますが、内蔵素材は多くはありません。自分で撮影して「写真」に保存した画像も設定できます。
Androidは、ホーム画面の何もない部分を長押しして「壁紙」を選択すると、壁紙を変更可能です。あらかじめ用意された壁紙だけでなく、自分で撮影した画像なども設定することができます。
●簡単な手順で、好きな壁紙を設定可能
iPhoneは、「設定」→「壁紙」→「壁紙を変更」で設定できる。ロック画面とホーム画面の壁紙を変えることも可能。
Androidは、ホーム画面を長押しして「壁紙」をタップすると、このように壁紙を選択できる画面に進む。
文字が小さくて読みにくいんだけど何とかならない?
▶︎「設定」で拡大表示にしたり、文字サイズを大きくしたりできます。
スマホに表示される文字を大きく、読みやすくする方法は二つあります。
一つは、文字だけでなく、文字を表示する枠やアイコンなども一括して大きくなる「拡大表示」にすること。もう一つは、文字サイズだけを大きくする方法です。
拡大表示にするには、iPhoneは、「設定」→「画面表示と明るさ」に進み、初期設定で「標準」になっている表示を「拡大」に切り替えましょう。
Androidは、「設定」→「ディスプレイ」→「表示サイズ」で5段階から選択できます。バランスよく拡大されるので、まずは、この方法を試すことをおすすめします。
文字サイズの変更は、iPhoneは「画面表示と明るさ」→「テキストサイズを変更」で7段階からの選択が可能。文字を太く表示させる設定も行えます。
Androidは、「ディスプレイ」→「文字フォント設定」→「フォントサイズ」などで設定できます。選べるサイズは機種によって異なり、フォント(書体)を変更できるモデルもあります。
●文字の太さや書体も変更可能なモデルもある
iPhoneは、「設定」→「画面表示と明るさ」で、画面全体を見やすくする拡大表示に切り替えたり、文字の大きさや太さを変更したりできる。
Androidは、「設定」→「ディスプレイ」に進んで、すべてのメニューを展開し、「文字フォント設定」や「表示サイズ」の項目で好みの画面表示に変えられる。
文字種の切り替えなどキーボードの使い方を教えて!
▶︎左下のキーで、「かな」→「英字」→「数字」などが切り替わります。
通常、iPhoneのキーボードは、「ABC」と記されたキーをタップすると「☆123」「あいう」の順に切り替わり、入力できる文字種が、「かな」→「英字」→「数字・記号」の順に替わります。
また、キーボードの左下の地球のアイコンをタップすると、キーボードの種類を変更することができます。
Androidのキーボードは、機種によって異なります。多くの機種に搭載されている「Gboard」というキーボードでは「あa1」キーをタップすると、入力できる文字種が、「かな」→「英字」→「数字」の順で切り替えられます。
「○記」または「!?#」のアイコンをタップすると、記号を入力できる画面に切り替わります。顔のアイコンをタップすると、絵文字も入力可能です。
なお、iPhoneは地球のアイコンを長押しして「キーボード設定…」を選択、Androidはキーボードの上部にある歯車のアイコンをタップすると、キーボードの設定画面が表示できます。
●キーボードの切り替え方や設定方法を覚えておこう
iPhoneの文字種は、「あいう」「ABC」キーなどをタップして切り替えられる。また、地球アイコンの長押しで、キーボードの種類も変更可能。
Androidは、左下の「○記」「あa1」キーをタップして文字種を切り替えられる。また、上部の歯車のアイコンをタップすると、キーボードの設定画面に進める。
画面が大きくて、片手で文字入力がしにくい
▶︎キーボードを右寄せや左寄せにしたり、「片手モード」を選んだりできます。
iPhoneのキーボードには、キーボードを縮小して、右寄せまたは左寄せで表示できる機能があります。キーボードの左下の地球のアイコンを長押しすると、右寄せと左寄せを選択できます。
Androidのキーボード(Gboard)は、「…」をタップしてメニューを表示し、「片手モード」を選択すると、キーボードが縮小表示になります。なお、「フローティング」を選択すると、キーボードのサイズを自由に調整して、画面上の好きな位置に表示できます。
また、Androidスマホの中には、画面全体を縮小表示できる機能を備えた機種もあります。
●キーボードの表示やサイズは変更できる
iPhoneは、地球のアイコンを長押しすると、キーボードを縮小し、右寄せまたは左寄せ表示に切り替えられる。
Androidは、キーボードの右上の「…」をタップすると、「片手モード」や「フローティング」などを選択できる。
音声で文字入力するにはどうやるの?
▶︎マイクのアイコンをタップして話すだけで、文字が入力されます。
スマホは、音声で文字を入力することができます。
iPhoneは、キーボードの右下のマイクのアイコンをタップすると、音声入力が起動。話した言葉が入力され、句読点は「まる」「てん」などと話せば入力できます。
Androidのキーボードは機種によって異なりますが、多くの場合、マイクアイコンのタップで音声入力が起動します。
また、iPhoneはサイドボタンの長押しで起動する「Siri」、Androidは専用ボタンの長押しなどで起動する「Googleアシスタント」を利用して、声でメッセージを入力して送信することもできます。
●話した言葉がそのまま入力できる
iPhoneは、キーボードの右下にあるマイクのアイコンをタップすると、この画面に切り替わり、声で入力できる。
Androidは、キーボードの右上にあるマイクのアイコンをタップすると、「お話しください」と表示される。
指紋認証や顔認証がうまくいかない
▶︎顔も指紋も2回登録しておくと、認証の精度が高まります。
スマホを安全に使うためには、「指紋認証」や「顔認証」などの生体認証を設定するのが効果的です。しかし、指紋や顔を素早く認識してくれず、結局、パスコードの入力を求められるという経験をした人は少なくないでしょう。
指紋でのロック解除がスムーズにいかない場合は、同じ指の指紋を複数回登録してみましょう。本来は別の指の指紋を登録するための機能ですが、そこに同じ指紋を登録するわけです。1回めの登録では記録されなかった指紋の特徴が、2回めには記録されることがあり、ロック解除の確率が向上します。
顔認証も同じように、顔を2回登録するのが有効。iPhoneには「もう一つの容姿を設定」という項目があります。髪型を変えたり、眼鏡をかけたりした場合の顔を登録できる機能ですが、顔認証で失敗することが多い人も試す価値があります。
なお、顔認証は、顔の登録時の状況によっても認識精度に差が出ます。なるべく明るく、顔に影が入らない場所で登録しましょう。
●顔の登録時は明るい場所で登録しよう
顔認証に対応しているiPhoneでは、「設定」→「Face IDとパスコード」で自分の顔を登録したあとに、「もう一つの容姿をセットアップ」を行おう。明るい場所で登録するのがおすすめ。
Androidは、指紋認証と顔認証の両方に対応する機種が多く、指紋認証のほうが安全性が高い。同じ指紋を複数回登録すると、素早く認証される確率が高まる。
■解説/村元正剛(ITライター)