キャンピングカーを仕事場にして、普段から車中で昼食を作っている筆者は、100均グッズとアウトドアグッズが大好きです。そんな筆者が、炊飯器具としてイチオシするのが、ダイソーの「1.5合用メスティン フッ素加工」(税込1,100円)。なぜ「炊飯」におすすめなのか?も含め、実際の使い勝手などを紹介します。
執筆者のプロフィール
齋藤千歳(さいとう・ちとせ)
元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9平方メートルの仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。
「1.5合用メスティン フッ素加工」とは
ダイソーのなかではちょっと高いがイチオシ
メスティンとは、アルミ素材でできた飯盒(はんごう)のこと。熱伝導率がよいので、ご飯を炊いたり麺類をゆでたりはもちろん、揚げ物や煮物など、さまざまな料理に活用できます。折りたたみ式の取っ手がつき、持ち運びも便利な四角型なのは、アウトドアグッズらしい特徴といえるでしょう。
筆者が知っている限り、現在ダイソーでは半自動炊飯ができることで人気のアウトドア調理器具・4メスティンが、4種類あります。「1合用メスティン」(税込550円)、「1.5合用メスティン」(税込880円)、「3合用メスティン」(税込1,100円)、そして今回紹介する「1.5合用メスティン フッ素加工」(税込1,100円)です。
「1.5合用メスティン フッ素加工」は、ダイソーのメスティンの中では高価な部類に入りますが、それでも他のアウトドアグッズメーカーのものに比べれば破格です。実際、在庫切れになることも多く、ダイソーのメスティンの中でも一番人気といえそうです。同じ1.5合用メスティンでも、フッ素加工がつくと220円高くなるわけですが、筆者は断然、「1.5合用メスティン フッ素加工」をおすすめします。
約17×9.5×6.5cmとコンパクトな本体
「1.5合用メスティン フッ素加工」の本体は、取っ手部分を除くと約17×9.5×6.5cm。取っ手部分は長さ約12.5cm。重さは実測で約187gです。最大で1.5合の炊飯が可能なわりには、コンパクトな印象。
筆者にとっての最大の魅力は、汚れの落ちやすいフッ素加工がされている点です。車中泊やキャンピングカー生活では、思うように水が使えないことが少なくありません。ウエットティッシュでも汚れを落としやすいフッ素加工は、本当に助かります。
実際に炊飯してみた
固形燃料を使うなら25gがおすすめ
メスティンの大きな魅力の一つに、固形燃料やアルコールストーブを用いて、火力調節不要の「半自動炊飯」ができることが挙げられます。「初めチョロチョロ、中パッパ」などが必要ないのです。
今回も、固形燃料を使って炊飯をしました。固形燃料は100均などで3個税込110円で買える25gタイプを選択しています。この25gタイプの固形燃料をミニストーブ(キャンドゥで税込330円)にセット。「1.5合用メスティン フッ素加工」に無洗米1合と水250mlを入れ、30分以上吸水させてから、加熱します。
厳密に言えば、水の温度や季節、お米の種類などによって、水加減や火加減は異なるでしょう。しかし筆者は、だいたいいつも、このやり方で炊いています。
また、固形燃料も20gや30gなど、さまざまな種類があるようですが、米1合を炊くには25gの固形燃料がちょうどよいと感じています。これは季節によって微調整が必要かもしれません。
パチパチとメスティンの中の水分がなくなったような音がしたり、水蒸気が出なくなったりしたら、ご飯が焦げる前にメスティンを火から下ろします。筆者の経験からいうと、25gタイプの固形燃料なら、ほぼ燃え尽きるのがそのタイミングになります。便利です。
火から下ろしたら、メスティンをタオルで包んで逆さまにし、15分ほど蒸らします。
15分蒸らしたら、完成です。
水の量を間違えず、しっかり吸水してから炊けば、火加減の調整をせずとも美味しいご飯が出来上がります。まさに、半自動炊飯といったところでしょう。
アルコールストーブなら30mlくらいがちょうどいい
ミニストーブと固形燃料の組み合わせ以外でも、メスティンで「半自動炊飯」ができます。筆者は、燃料用アルコールを入れた「アルコールストーブ 40ml」(ダイソーにて税込220円)と「燃料用五徳」(ダイソーにて税込110円)を使って、「1.5合用メスティンフッ素加工」も炊飯を行っています。
アルコールストーブを使うメリットは、コストパフォーマンスのよさ。25gタイプの固形燃料が3個110円だと、1合炊飯の燃料コストは約37円です。これに対して、500mlの燃料アルコールは1本300円前後で手に入るので、1合炊飯に30ml使用すると燃料コストは17円。半額で済みます。
ただし、「アルコールストーブ 40ml」(税込220円)のコストを取り戻すには11回ほど炊飯をする必要があるので、あまり頻繁に炊飯をしない人は、固形燃料のほうがコストパフォーマンスが高いかもしれません。
1合のお米を炊飯する場合、30mlの燃料アルコールをアルコールストーブに入れ、燃え尽きるまで加熱。そのあと、タオルに包んでメスティンを逆さまにして、15分蒸らして炊飯完了としています。
前述しましたが、頻繁に炊飯をしない人は固形燃料のほうが便利だと思います。しかし、アルコールストーブの場合、アルコールのの量を微調整すると、「お焦げ」をたくさん作ることができるなど、自由度が高くなり、奥が深く楽しいといえます
フッ素加工で後片付けも楽々
ウエットティッシュで拭くだけでもかなりキレイに
汚れが落ちやすいフッ素加工なので、ご飯を炊いたあとも、ウエットティッシュなどでふき取れば、かなりキレイになります。
車中泊やキャンピングカー生活では、好きなだけ水を使える洗い場が、いつもあるとは限りません。そんなときに、ウエットティッシュで拭くだけで後片付けができるのは、とっても助かるのです。自然と、「1.5合用メスティン フッ素加工」の使用頻度が高くなります。
おかず作りと同時に炊飯できる
半自動炊飯なので火加減を気にせずストレスなし
アウトドアでの調理に、カセットガスコンロを使っているという方は多いのではないでしょうか? 筆者も、メインの調理器はカセットガスコンロを使っています。
しかし、カセットガスコンロでご飯を炊いている間は、おかずの調理ができません。かといって、近接した場所でカセットガスコンロを2つ並べて使うのは、安全上の問題もあるわけです。
その点、アルコールストーブや固形燃料を使って、メスティンで半自動炊飯をすれば、同時にカセットガスコンロでおかずを作ることができます。炊飯は火加減調整が不要なので、同時並行の調理でもストレスはありません。
まとめ
ガスコンロで使う場合は五徳との相性に注意
「1.5合用メスティン フッ素加工」は、固形燃料やアルコールストーブなどで火加減の調整などがいらない半自動炊飯ができて、とても便利です。カセットガスコンロを使わないので、ほかの調理をしているときに炊飯ができるのもとてもいい。しかも、フッ素加工で後片付けも簡単。いいことずくめです。
しかし、実は1つだけ気になる点があります。「1.5合用メスティン フッ素加工」を、筆者の所有するイワタニ「カセットフー スーパー達人スリム CB-SS-1」(通常サイズのカセットガスコンロ)で使おうすると、五徳部分の幅と合わずに安定しないのです。ただし、ミニタイプの同じイワタニの「カセットフー プチスリムドゥ CB-JRC-PSD」だと、そこそこ安定します。カセットガスコンロでの使用を考えている方は、この点をチェックしたほうがよいでしょう。