ネット銀行を使ううえで心配な点の一つが、スマホの紛失や故障といったトラブルです。紛失したスマホが他人の手に渡って不正利用されるおそれもあるので、対処方法をしっかり覚えておきましょう。
不測の事態に備えて対処方法を知る
ネット銀行のアプリを使っているスマホを紛失した場合、まず考えるべきなのが、不正利用を防ぐ手段です。
IDやパスワードを知られない限り、不正ログインされる可能性は低いですが、念のためにパスワードを変更しておきましょう。別のスマホやパソコン、タブレットのブラウザーから銀行のサイトにログインして、変更の手続きを行います。
また、ワンタイム認証用に登録していたスマホの場合、紛失や故障で使えなくなると、振込などの操作ができなくなってしまいます。対処方法は銀行によって異なりますが、サイト上で登録を解除できる場合が多いので、事前に手順を調べておくと安心です。
買い替え後のスマホでネット銀行を使うには
ネット銀行の顧客情報や口座などのデータは、オンラインで管理されています。したがって、紛失や故障などが原因でスマホを買い替えても、新しい端末にアプリをインストールすれば、従来どおり利用できます。
正常にログインできないなど、何らかの問題が生じた場合は、銀行のサポート窓口に相談しましょう。
パスワードを変更して不正利用を防ぐ
パソコンのブラウザーからネット銀行のサイトにアクセスし、ログインパスワードを変更する。これで、紛失したスマホを他人が入手したとしても、不正利用される可能性が低くなる。
別のスマホのブラウザーから銀行のサイトにログインして、パスワードを変更することも可能。
代わりのスマホやパソコンがない場合は?
紛失・故障したもの以外にスマホがなく、パソコンやタブレットも持っていない場合は、お客様窓口に電話で連絡して手続きするしかありません。万一の場合に備えて、あらかじめ電話番号をメモしておきましょう。
なお、ほかの人にスマホを借りて手続きを行う場合は、入力内容が記録されないようにシークレットタブを使いましょう。
銀行のサイトからスマホ紛失時の手続きを行う
●アプリおよびワンタイムパスワードを停止
ソニー銀行の場合、ブラウザーから手続きすることで、スマホアプリの機能およびワンタイムパスワードの利用を停止できる。まずサイトにログインし、「各種手続」→「認証方法に関するお手続き」→「紛失」をクリック。
説明を確認して「次へ」をクリックし、手続きを進めよう。
●認証用スマホの設定を解除する
住信SBIネット銀行の場合、サイト内のフォームからスマート認証NEOの登録を解除できる。ただし、SMSまたは電話、メールによる認証が必要。登録済みの電話番号やメールアドレスが利用できない場合は、画面下部の説明を確認し、郵送による手続きを申し込もう。
紛失したスマホを遠隔操作でロック・消去する
iPhoneやAndroidには、GPSを利用してスマホを探す機能が用意されています。この機能をあらかじめオンにしておけば、別のスマホやパソコンを使って紛失したスマホの現在位置を探し、地図上で確認できます。
また、悪用を防ぐためにスマホをロックしたり、データを消去したりすることも可能です。ネット銀行の不正利用防止に役立つように、使い方を覚えておきましょう。
●iPhoneの「探す」機能を使う
スマホの「設定」画面で自分のApple IDをタップし、「探す」をタップ。「iPhoneを探す」などの各項目をオンにする。
紛失したiPhoneを探すには、ブラウザーで「https://www.icloud.com/find/」にアクセスし、Apple IDでサインインする。iPhoneをロックする「紛失モード」や、データをすべて消去する「iPhoneを消去」などの機能を利用できる。
●Androidで「デバイスを探す」を利用
スマホの「設定」画面で「セキュリティ」→「デバイスを探す」をタップし、機能をオンにしておく。
紛失したスマホを探すには、ブラウザーから「https://www.google.com/android/find」にアクセスし、Googleアカウントでログインする。メニューから「デバイスを保護」や「デバイスデータを消去」などの操作が可能。
◆この記事は2022年3月12日発行の「絶対得する!ネット銀行の賢い選び方&使い方」(マキノ出版)から掲載しています。記事内の情報は発行日のものです。最新の情報は各銀行の公式サイト等をご確認ください。