〈離乳食の作り方〉フリージングの基本 冷凍保存の仕方と調理グッズ|簡単な方法でおいしく作る

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簡単な方法でおいしく作る「離乳食の作り方の基本」、手間なし離乳食には欠かせない「フリージングの基本」について紹介します。離乳食ならではの下ごしらえの方法や、離乳食作りにそろえたい調理グッズ、フリージングのためにそろえたいグッズについても、書籍『まねしてラクラク迷わない! 365日のフリージング離乳食』著者で管理栄養士の川口由美子さんに解説していただきました。

解説者のプロフィール

川口由美子(かわぐち・ゆみこ)

管理栄養士。一般社団法人 母子栄養協会 代表理事。母子栄養指導士。女子栄養大学生涯学習講師。小児栄養学研究室にて離乳食の研究をし、育児用品メーカーで離乳食やベビーフード開発に携わる。管理栄養士として独立後は、テレビ、雑誌、WEBなどで離乳食や幼児食のレシピ提案、コラム執筆などを行う。主な著書に『1週間分作りおき! フリージング離乳食 5カ月~1歳半』(大泉書店)、『赤ちゃんのための補完食入門』(彩図社)など多数。

本稿は『まねしてラクラク迷わない! 365日のフリージング離乳食』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。

簡単な方法でおいしく作る 離乳食の作り方の基本

米がゆなどの主食やだし、野菜スープなどはベビーフードを利用してもOK。
手作りに挑戦したいなら、簡単でおいしく作れる方法がおすすめです。

主食の作り方

米がゆ

鍋で米から作る

(1)米を洗って水にひたしておく
米はといで鍋に入れ、作りたいおかゆのかたさに合わせて水を入れ(下の水かげんの目安を参照)、30分ほどひたしておきます。

(2)ふたをして加熱、沸騰したら弱火に
ふたをして強火にかけ、沸騰したらふたを少しずらして弱火にし、20~30分加熱。火を止めてふたを戻し20~30分程度蒸らします。

電子レンジでごはんから作る

レンジ加熱してラップをかけてむらす
ごはんと水を耐熱容器に入れ、ふんわりとラップをして電子レンジで3~5分加熱。レンジから取り出したら、そのまま10分ほどむらします。

すりつぶし方

つぶしがゆは、裏ごすほうがラク
ブレンダーが簡単ですが、なければすり鉢を使っても。つぶしがゆなら、すり鉢を使うより、裏ごし器で裏ごすほうがラクでしょう。

離乳時期別・水かげんの目安

離乳時期 初期(5~6カ月ごろ)

形状
つぶしがゆ ヨーグルト状のなめらかさに

鍋で米から
米1:水7 例)米大さじ2:水210㎖

鍋でごはんから
ごはん1:水3 例)ごはん大さじ2:水90㎖

電子レンジでごはんから
ごはん1:水2.5 例)ごはん大さじ2:水大さじ5

離乳時期 中期(7~8カ月ごろ)

形状
全がゆ 粒のやわらかいおかゆ

鍋で米から
米1:水5 例)米1/2カップ:水500㎖

鍋でごはんから
ごはん1:水2 例)ごはん100g:水1カップ

電子レンジでごはんから
ごはん1:水2 例)ごはん100g:水1カップ

離乳時期 後期(9~11カ月ごろ)

形状
軟飯 少しやわらかいごはん

鍋で米から
米1:水2 例)米1カップ:水400㎖

鍋でごはんから
ごはん1:水1 例)ごはん200g:水1カップ

電子レンジでごはんから
ごはん1:水2 例)ごはん150g:水150㎖

離乳時期 完了期(1才~1才6カ月ごろ)

形状
ごはん 大人と同じごはんでOK

鍋で米から
米1:水1.2 例)米1カップ:水240㎖

本稿は『まねしてラクラク迷わない! 365日のフリージング離乳食』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。

パンがゆ

パンがゆ

ちぎって水などを入れて煮る
食パン(耳なし)はちぎって小鍋に入れ、離乳中期は形がくずれるくらい、離乳後期は多少ふやける程度に3~5倍の水分で煮ます。

食パンのやわらかさ

離乳時期 中期(7~8カ月ごろ)
こまかくちぎってやわらかく煮る

離乳時期 後期(9~11カ月ごろ)
1cm大ほどにちぎって軽くしめらせる

オートミールがゆ

水などを入れて弱火で煮る
水やミルクなどと小鍋に入れ、とろみが出てやわらかくなるまで混ぜながら弱火で煮ます。電子レンジの場合は、1食分につき、1分程度加熱します。
※オートミールは加熱処理してあるクイックタイプを。

オートミールと水の量

離乳時期 中期(7~8カ月ごろ)
オートミール1:水7 例)オートミール10g:水70㎖

離乳時期 後期(9~11カ月ごろ)
オートミール1:水6 例)オートミール15g:水90㎖

めん類

(1)やわらかくゆでる
沸騰した湯で大人用よりやわらかくゆでます。乾めんはゆでたあと、水にさらして塩分を取り除いて。

(2)刻んで食べやすくする
赤ちゃんが食べやすい形状にします。めんは長いとまる飲みしやすいので、こまかく刻みましょう。

すりつぶし方

ゆで汁を少々加えすりつぶす
ゆで汁を少々加えてブレンダーやすり鉢ですりつぶします。ゆでたあと湯の中でしばらくふやかしておくとつぶしやすいでしょう。

本稿は『まねしてラクラク迷わない! 365日のフリージング離乳食』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。

だし汁・野菜スープの作り方

だし汁・野菜スープの作り方

かつおだし

(1)沸騰した湯にかつお節を入れる
水500㎖を小鍋に入れ、沸騰したら、かつお節を10g程度加え、1~2分したら火を止めます。

(2)3分ほど置いたらざるでこす
3分ほど置いてかつお節が沈んだら、ざるでこします。冷蔵の場合の保存期間は2〜3日です。

昆布だし

昆布を水につけておく
10cm角の昆布の表面をかたく絞ったふきんでさっとふき、800㎖の水に半日程度つけます。昆布を取り除き冷蔵で、約2日保存できます。

野菜スープ

(1)切った野菜と水を入れて加熱
にんじんやキャベツ、たまねぎなどくせのない野菜を適宜刻み、ひたひたの水で煮ます。

(2)沸騰したら弱火で20分煮る
沸騰したら弱火にして20分ほど煮ます。途中アクが出たら、ていねいに取ります。

(3)野菜をざるでこす
ざるやこし器で野菜をこします。冷蔵だと保存は1日程度。小分けにして冷凍保存しましょう。

冷凍のしかた

粗熱が取れたら、製氷皿などに均等に入れ、ふたをして冷凍室へ。凍ったら製氷皿から取り出しフリージングバッグで保存します。

本稿は『まねしてラクラク迷わない! 365日のフリージング離乳食』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。

離乳食ならではの下ごしらえ

離乳食ならではの下ごしらえ

赤ちゃんは咀しゃく力や消化能力が未発達。そのため、一般の調理に加え、食べやすく消化しやすくしてあげるひと手間が必要です。
離乳食ならではの下ごしらえのしかたを紹介します。

調理をするときの注意
調理器具は消毒は不要ですが、きれいに洗ってしっかり乾燥させたものを使います。
調理中、生肉や生魚を切った包丁とまな板はその都度洗剤でしっかり洗い、手も洗ってきれいにします。

葉野菜

ほうれん草など

やわらかい葉のみ、取り分けてゆでる
ほうれん草や小松菜、キャベツなどの葉野菜は、歯ぐきでかめるようになるまで芯や軸は取り除き、葉のみを使います。
ほうれん草はゆでたあと水にさらしてアク抜きします。

根菜

にんじんなど

皮をむいて、水からやわらかくゆでる
にんじんや大根、かぶなどの根菜類は皮をむいて水に入れてやわらかくゆでます。
小さく切ってゆでるより、大きめに切ってゆでるほうが早くやわらかくゆであがります。

実野菜

トマトなど

皮をむいて、種などを取り除く
トマト、なす、ピーマンなどの実野菜は、大人は皮をむかずに食べますが、離乳食では皮に切り込みを入れて熱湯につけるなどして皮をむいたほうが食べやすいでしょう。トマト、ピーマンの種は取り除きます。

いも類

じゃがいもなど

皮をむいて芽を取る
じゃがいもやさつまいもなどのいも類は、皮をむいたらしっかり芽を取り除くことが大切です。
味や色をよくするなら、そのあと5分ほど水にひたしてもよいでしょう。

とろみづけのしかた

パサパサして食べにくそう、飲み込みにくそうなときはとろみをつけてあげると食べやすくなります。とろみづけに使いやすい食材を紹介します。

かたくり粉

2倍の量の水で溶いて加熱する
かたくり粉は加える水の量でとろみを調節できるのが利点。離乳食では、かたくり粉と水を1:2の割合にすると使いやすいでしょう。

じゃがいも

すりおろして加熱する
かたくり粉の原料はじゃがいもなので、じゃがいもをすりおろして加えても、とろみがつきます。やさしいとろみと甘さが加わります。

本稿は『まねしてラクラク迷わない! 365日のフリージング離乳食』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。

切り身

湯に入れてゆで、皮や骨を取り除く
魚の切り身を使うときは、湯に入れて中まで火を通したら、皮と小骨をしっかり取り除きます。
鯛など刺身で売っているものは、刺身を使うほうが皮も骨もなく調理がラクです。

しらす干しやツナ缶など

湯をかけるかゆでて塩けを取る
しらすは塩分が含まれているので、熱湯をかけるかさっと熱湯でゆでて塩抜きします。
ツナ缶は水煮にも塩分があるので、塩抜きしない場合は味つけを控えめにしましょう。

豆腐

さっとゆでて火を通す
豆腐は、大人は生でも食べる食材ですが、離乳食では、かたくならない程度にさっと湯にくぐらせましょう。
アレルギー抗原量※の軽減にはなりませんが、衛生面から安心でしょう。

※アレルギー抗原とは
アレルギー反応を引き起こす原因となる物質のこと。アレルゲンともいいます。

かたゆでにするか両面をしっかり焼く
卵は、しっかり加熱することでアレルギー抗原量の軽減につながります。
また食中毒の予防にもなります。ゆでるときも焼くときも、中までしっかり火を通しましょう。

調味料の「少々」

離乳食では素材そのものの味や、だし汁、スープの味を味わわせたいので、使い始めるのは離乳中期の終わりごろから。それでも使うのは「少々」です。
厳密になりすぎる必要はありませんが、小さじの計量スプーンにのせた調味料で、少々のイメージをつかんでおくといいでしょう。

塩「少々」

しょうゆ「少々」

みそ「少々」

本稿は『まねしてラクラク迷わない! 365日のフリージング離乳食』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。

手間なし離乳食には欠かせない フリージングの基本

手間なし離乳食には欠かせない フリージングの基本

離乳食は1回分の量が少ないので、まとめて作ってフリージングすると手間が省けて毎日の調理がラク。
フリージングは以下のルールを守りましょう。

フリージング離乳食のお約束

雑菌を繁殖させないよう衛生面に注意する

赤ちゃんは雑菌に対する抵抗力が弱いので、衛生面は大人用よりも注意が必要です。生鮮食品は、買ったらすぐに調理し、しっかり冷ましてから冷凍します。
食べさせる前には、必ず加熱し、1〜2週間を目安に使い切りましょう。

新鮮な食材を使って調理する
調理道具や保存容器は清潔なものを
自然解凍はNG。しっかり加熱
保存期間内に使い、再冷凍は不可

冷凍保存のしかた

(1)なるべく空気に触れさせないよう保存

食材は空気に触れると乾燥し酸化が進みます。なるべく真空に近い状態で密閉保存します。

使う分だけ解凍できるよう筋目をつけるのもおすすめです。

(2)早めに使い切れるよう冷凍日を記して

冷凍しても、時間がたつにつれ品質や味は落ちていきます。1~2週間をめどに早めに使い切れるよう、冷凍した日付をわかりやすく記します。

(3)バットなどに置いて冷凍速度をアップ

早く凍らせるほど、味や食感を損ないにくくなります。急速冷凍機能を使ったり、熱伝導率が高いアルミ製などのバットに置いて冷凍しましょう。

解凍のしかた

(1)凍った食材に少量の水分をたす

レンジ解凍は水分が蒸発しやすいので、小さじ1程度の水分をたします。

(2)ふんわりとラップをかける

膨張した空気が抜けられるようラップはふんわり、ふたは少しあけます。

(3)加熱後、混ぜて加熱ムラを確認

電子レンジは、加熱ムラができやすいので、必ず混ぜて確認し、人肌程度に冷まして与えます。

水分を加えて加熱解凍しても

だし汁など多めの水分と一緒に小鍋に入れて加熱解凍してもOK。

本稿は『まねしてラクラク迷わない! 365日のフリージング離乳食』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。

離乳食作りにそろえたい調理グッズ

離乳食作りにそろえたい調理グッズ

離乳食作りに便利な調理グッズを紹介します。裏ごしやすりつぶしに使う道具は、使う期間が短いので100円ショップでそろえても。
熱湯消毒しやすい素材のものがよいでしょう。

小鍋
ミルクパン程度の小さい鍋が便利。ふたつきのものがおすすめ。

小さいフライパン
フッ素加工の18cm前後のものが便利。ふたつきのものがおすすめ。

すり鉢、すりこ木
小さめのサイズが便利。すりこ木はある程度太さがあると使いやすい。

計量スプーン、計量カップ
調味料を計る際、小さじ1/2、1/4など少量を計れるスプーンは便利。

はかり
1g単位で計量できるものを。デジタルスケールが便利。

おろし器
汚れを落としやすく、熱湯消毒できるセラミック製がおすすめ。

こし器
ざるとして使ったり、裏ごし用に。少量の食材には茶こしが便利。

キッチンばさみ
包丁で刻むより、はさみで刻んだほうがラクです。

あると超便利

離乳食セット
すり鉢、すりこ木、裏ごし器などがセットになっているので、個別にそろえる必要がなく、離乳初期に大活躍。

ハンドブレンダー
離乳初期のペーストが手間なく瞬時に作れます。まとめて作るときにとても重宝。

しょうゆさし(プッシュタイプ)
離乳食で使う調味料は、しょうゆ1〜2滴など少量。ボタンを押すと1滴ずつ出るタイプは便利。

フリージングのためにそろえたいグッズ

1回分ずつ冷凍するので、少量に分けられる容器を用意しましょう。離乳食専用のものもいろいろ市販されています。
耐冷・耐熱かどうかをチェックして選びましょう。

製氷皿
離乳初期の使う量が少ないペーストや、だし汁、野菜スープを入れるのに便利。ふたつきのものがおすすめ。

小分け保存容器
1回分の量が多くなってきたら、小分け容器が便利。繰り返し使えるもの、使い捨てのものもあります。

ラップ
水けのない固形食材を包んで冷凍するのに使います。小さいサイズも用意しておくと重宝します。

フリージングバッグ
食材の形状を選ばずに使え、しっかり空気を抜くと密閉できるため、食材の酸化を防ぐのに役立ちます。

◇◇◇◇◇

なお、本稿は書籍『まねしてラクラク迷わない! 365日のフリージング離乳食』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。赤ちゃんのお世話って本当に大変です。時間も人手も睡眠もたりない! 離乳食が始まると、さらに大変。だから、無理はしないで少しでも負担を減らしてほしい…。本書は離乳食開始から完了までの毎日のレシピ案を紹介しています。1週間分をまとめて作って冷凍しておくことで、毎日の負担がぐんと減ります。最新「授乳・離乳の支援ガイド」に対応。離乳時期別「この食材いつからOK?」チェック表付き。かんたん&時短な離乳食作りを豊富な写真とともに、やさしく丁寧に解説しています。

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