「なぜ年齢とともに太りやすくなるのか」その主な理由は、基礎代謝量の低下・やせホルモンの減少・血糖値が上がりやすくなるの3つ。これらの太る理由を解消する鍵となる栄養素が、たんぱく質と、ビタミン・ミネラル・食物繊維です。
解説者のプロフィール
松田リエ(まつだ・りえ)
看護師・保健師・ダイエット講師。Belle Lus株式会社代表取締役。BelleLifeStyle協会代表理事。1986年生まれ。2児のママ。看護師としてがん患者のケアを担当後、保健師として成人の健康教育やメタボリックシンドローム、糖尿病患者への保健指導を行う。自身が食生活だけで12kgやせた経験を生かし”食べやせダイエット”専門講師として起業し、受講生2000名をダイエット成功に導く。YouTubeチャンネルやAmebaブログ、SNSでダイエットに関する情報を発信。著書に『ずぼら瞬食ダイエット』(小学館)、『1日1杯でデブ味覚をリセット!やせ調味料ダイエット』(マガジンハウス)などがある。
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本稿は『ずぼらに健康、やせ体質! 瞬食オートミールダイエット』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
食事改善で基礎代謝を上げる!
現代人は食の欧米化や外食が多い食習慣へと変わったため、糖質と脂質を過剰に摂りがちです。だからこそ、体に本当に必要な栄養をバランスよく選ぶことが、やせやすい体の土台を作ることにつながるのです!
瞬食でやせ体質を作るポイントを知るには、まず年齢とともに「なぜ太りやすくなるのか」を考えてみましょう。その主な理由は次の3つ。
1つ目は「基礎代謝量の低下」。
呼吸などに使う、生きていくために消費する最低限のエネルギーを基礎代謝と呼びます。そして年を重ねると、筋肉が落ちたり、細胞が老化したりして基礎代謝が低下していきます。自然に消費するエネルギーが少なくなれば、当然太りやすくなります。
2つ目は「やせホルモンの減少」です。
女性ホルモンの1つ、エストロゲンには脂肪燃焼を促し、内臓脂肪がつくのを防ぐ働きがありますが、更年期など加齢によって減ってしまうのです。
そして3つ目は「血糖値が上がりやすくなる」こと。
食事をすると、分解された糖分が血液中に取り込まれて血糖値が上がります。加齢によって、この血糖値をコントロールする力が低下。上がりすぎた血糖値を下げるために分泌されるホルモン「インスリン」は、エネルギーを消費する際に余ったブドウ糖を脂肪に変えて溜め込む働きがあるのです。
これら3つの「太る理由」を解消する鍵となる栄養素が「たんぱく質」「ビタミン・ミネラル・食物繊維」です。
「たんぱく質」は肌、髪、そして筋肉を作る大切な栄養素。筋肉量を維持して、基礎代謝をアップさせるためには、たんぱく質は欠かせません。
そして、「ビタミン・ミネラル・食物繊維」は、代謝やデトックス力のアップ、血糖値の急上昇の抑制、満腹感を高めるなど、ダイエットの味方となる力を発揮してくれる栄養素。
これらをまんべんなく摂ることが、「太る理由」を解決してくれるのです。
解決!
たんぱく質を毎食摂る!
糖質・脂質・たんぱく質は人間の体に必要な3大栄養素ですが、現代人はたんぱく質が不足しがち。糖質・脂質とともにバランスよく摂るために、成人女性なら毎食20gのたんぱく質が理想です。
解決!
ビタミン・ミネラル・食物繊維を意識する!
ビタミンやミネラルはエネルギー代謝を助け、食物繊維は排泄を促し、デトックスしてくれます。これらの栄養素は、体の巡りを良くしてくれるため、積極的に摂ることが大切なのです。
本稿は『ずぼらに健康、やせ体質! 瞬食オートミールダイエット』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
マネするだけでやせ体質に!「瞬食習慣」5つのルール
「正しく食べること」さえできれば、勝手に即やせ体質になる!それが「瞬食」です。 瞬食を習慣にするために必要なルールはたった5つ。 マネすれば、あなたも今日からやせ体質に変身します。
瞬食習慣ルール 1
たんぱく質+ビタミンB群の力でやせる!
瞬食の基本は、基礎代謝をアップさせること。不足しがちなたんぱく質と、ビタミンB群を意識的に食事に取り入れることで、効率よくやせやすい体質に瞬時に変わります。
瞬食習慣ルール 2
体に必要なもの、不要なもの食材を正しく食べ分けてやせる!
人の体はすべて食べたものでできています。ダイエットと健康をサポートしてくれる体に必要な栄養素と、不要なものを見極め、正しい食材を選ぶことは、意外と簡単にできます!
瞬食習慣ルール 3
発酵食品&ミネラルで代謝アップ!
腸内環境の改善とむくみの解消は、ダイエットを加速させます。そのエンジンとなるのが発酵食品とミネラル。キムチや納豆などの発酵食品とともに、ミネラルが豊富な海藻類を積極的に摂りましょう。
瞬食習慣ルール 4
やせ調味料をかけるだけでデブ味覚をリセット!
糖分・添加物の少ないしょうゆや味噌などの「やせ調味料」を使うように意識しましょう。こってり甘い味付けに慣れてしまった味覚も、シンプルな調味料や薬味の風味をうまく使えばリセットできます!
瞬食習慣ルール 5
時短食材で手間を省けば、ダイエットは成功する!
缶詰や乾燥野菜、冷凍食材などを活用すれば、忙しいときも下ごしらえの手間が省けます。手軽に必要な栄養を摂れるので、ラクして瞬食習慣が続けられます。時短食材はストックしておくと便利!
もっと知っ得!
女性の場合、冷え性がダイエットの妨げになっていることがあります。それは冷えが基礎代謝の低下やむくみ、便秘などのトラブルを引き起こしてしまうから。体温が1度下がると、基礎代謝は12~13%、免疫力は30%も下がると言われています。
特に下半身がやせにくい人は要注意。毎日朝食をしっかり食べて、冷たすぎない常温の水や白湯をこまめに飲む「ちょこちょこ飲み」習慣を取り入れましょう。また、入浴で体を温めることも、体温を上げる方法の1つです。
本稿は『ずぼらに健康、やせ体質! 瞬食オートミールダイエット』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
調味料の選び方がやせとデブの分かれ道
食材だけでなく、調味料の中にも、糖分・添加物が多かったり、質の悪い油を使っているなどの「太る調味料」があるので注意が必要。
大切なのは、選ぶときに原材料をよくチェックすること。特に糖分が多いものでは、「果糖ブドウ糖液糖」を含む調味料に要注意です。
果糖ブドウ糖液糖は、強い甘みで美味しく感じさせるため、ドレッシングやソース、ケチャップなど多くの市販の調味料に使用されています。この糖分は体に吸収されやすく、血糖値が急激に上がってしまうという問題があります。
また、こってりとした濃い味付けのものばかり食べていると、味覚が狂ってしまい、一気に「デブ味覚」に。さらに濃い味付けを求めて、どんどん太りやすい体へ……という悪循環に陥ってしまうのです。
一方で、皆さんの身近には「やせ調味料」も多く存在しています。
例えば、下で挙げているようなしょうゆ、塩麹、味噌などの日本人に馴染み深いシンプルなものがそう。これらの調味料には、基本的に甘味料などの余計なものが含まれていないため、素材の味を生かした調理ができ、狂った味覚を正常化させることができるのです!
味覚が正常になれば、食欲もコントロールできるようになり一石二鳥。ドレッシングやケチャップなどは、やせ調味料で手作りするのが効果的です(後述)。
また、調味料の量を減らしたいときは、昆布や鰹節などでとっただしを加えたり、大葉やミョウガなどの薬味を加えたりするのがおすすめです。レモンや酢、ごまや干しえびなどで酸味や旨みを加えたり、スパイス・ハーブをプラスするのも◎
やせ調味料はこんなに身近なものばかり!
しょうゆ
無添加の本醸造がおすすめ。薄口を使う場合は、塩味が濃くならないよう使用量に注意。
酢
酢酸には脂肪を分解する効果があります。玉ねぎやキャベツを漬けておくとさらにやせ効果が!
塩麹
米麹に塩を加えた塩麹には整腸作用のある乳酸菌が含まれており、ダイエット効果も。
みりん
みりん風調味料は「果糖ブドウ糖液糖」を含む場合が多いので、本みりんがマスト。
味噌
本醸造の味噌には生きた酵母が入っているので、腸内環境の改善が期待できます。
塩
「天日・平釜」などと記載されたものは、天然のミネラルが豊富。なかでも海塩がおすすめ。
もっと知っ得!
白砂糖の代わりに無添加の甘味料&「手作り簡単調味料」がおすすめ!
天然甘味料のエリスリトールは砂糖の代用としてお菓子作りなどの際に便利!カロリー0で、甘さは白砂糖の70~80%と控えめ。また砂糖の代わりには「煮切りみりん」もおすすめ! ケチャップやマヨネーズの手作りも意外に簡単ですよ。
本稿は『ずぼらに健康、やせ体質! 瞬食オートミールダイエット』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
ずぼらでもできる調理法が長続きの秘訣
ダイエットにおいてもっとも大切なのは、「継続すること」。しかし、忙しい人や料理が苦手な人には、「自炊」が高いハードルとなってしまい続かなくなることも……。
自炊した方が効率的に必要な栄養素が摂れる、量の調整が利くなどのメリットがたくさんあるのは事実。そこで、ぜひ活用していただきたいのが、手間を省いて調理時間をうんと短くできる時短食材です。
続きの記事でご紹介するレシピでも缶詰、乾物、冷凍食材などの時短食材がたくさん登場しています。それぞれ長期保存ができる、下ごしらえいらず(洗わない、切らない)、栄養をちょい足しできる、などのメリットがたくさん。そして火を使わず簡単&時短で調理できるオートミールも、やはり頼りになる時短食材です。
また、コンビニの食材も正しい食品を選んでうまく食生活に取り入れると便利です。1食分なら「主菜・副菜・主食・汁物」という定食の形に。糖質・脂質・たんぱく質をバランスよく摂れるよう意識しましょう。コンビニ食材を使う場合は、なるべくシンプルな味付けのものを選ぶことがポイント。
おすすめの時短食材
乾物
乾燥野菜や切干大根、乾燥ひじき・わかめなど、水で戻して手軽に使える便利食材。包丁いらずで、ミネラルなどの栄養素もしっかり摂れます。
缶詰
手軽で長期間の保存が可能な缶詰。さば缶・サケ缶などは、たんぱく質やビタミンB群などの栄養素に加え、良質な油もたっぷり含まれます。
コンビニ食材
タレ付きの焼鳥などこってりした味付けではなく、焼き魚、サラダチキンなどシンプルな味付けのものを。きのこや海藻が入ったサラダも◎
冷凍食材
ブロッコリーやミックスベジタブルなど、野菜が下ごしらえいらずで手軽に使えます。旬の野菜を急速冷凍しているので、栄養価もキープ。
本稿は『ずぼらに健康、やせ体質! 瞬食オートミールダイエット』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
太る調味料太らない調味料を知ろう
オートミールの長所の1つに、「余計な味付けがされていない」という点があります。つまり体に不要なもの(添加物や油脂、砂糖など)が含まれていないのです。
だからこそ、せっかくのオートミールを、こってり濃い味付けにしたり、甘くしすぎたりするのは避けたいところです。濃い味付けや強い甘みはクセになりやすく、慣れてしまうと食欲のコントロールができない「デブ味覚」に陥ってしまうのです。
オートミールダイエットにおいても、前項で紹介した「酢、しょうゆ、本みりん、塩麹、塩、味噌」などのシンプルな調味料を使うことが大切です。
市販のドレッシングやマヨネーズ、トマトケチャップなどは糖質・脂質が高く、また添加物も多くなってしまいます。どうしても使いたい場合には、簡単に手作りできる自家製調味料で代用しましょう。添加物や余分な油、糖質・脂質が抑えられると同時に、味を感じるセンサーの衰えを正常に戻し、デブ味覚をリセットすることができます。
味覚を感じる細胞は、2週間で新しく生まれ変わるため、シンプルな素材で酸味や甘み、コク、旨みを料理にプラスする「やせ調味料」を習慣にすれば、味覚と食欲の働きも正常に戻してくれるのです。強烈な甘みなどの刺激を必要としなくなるとともに、ドカ食い、ヤケ食いの予防にもなります。
味付けや調味料のひと手間で、食欲を抑えるだけでなく、代謝が良くなり、脂肪を燃焼しやすい体に変化していきますよ。
食べても太らない! やせ調味料
煮切りみりん
保存期間:冷蔵2~3日
本みりん(200ml)を耐熱容器に入れ、電子レンジで7〜8分加熱する(小鍋で3〜4分沸騰させるのも◎)。砂糖やはちみつ、ガムシロップなどの代わりに使えば、糖質がカットできます。
みりんケチャップ
保存期間:冷蔵2~3日
耐熱容器にカットトマト缶〈50ml〉、煮切りみりん 〈大さじ1〉を入れて混ぜ、水分が飛ぶまで、ラップをかけずに電子レンジで30秒ずつ加熱する。手作りすれば、旨みも栄養もある調味料に変身しますよ。
豆乳マヨネーズ
保存期間:冷蔵2~3日
太る調味料の代表格、マヨネーズもオリーブオイルと酢、豆乳で手作りすれば「やせ調味料」に!(詳細な作り方は本書レシピ参照)
納豆ドレッシング
保存期間:冷蔵2~3日
良質なたんぱく質を摂れる納豆ドレッシング。ひきわり納豆と玉ねぎ、オリーブオイルと酢、しょうゆで作れます。旨みもしっかりあるので、物足りなさを感じさせません!(詳細な作り方は本書レシピ参照)
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本稿は『ずぼらに健康、やせ体質! 瞬食オートミールダイエット』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。本書では、簡単なのに瞬時にやせ体質になる食習慣「瞬食」に、栄養豊富で低糖質なオートミールを組み合わせた「やせ食事術」をバッチリ紹介!やせ食事術を使ったオートミールレシピもたっぷり紹介しています。ずぼらな人こそ試してほしい、食べながら健康的にキレイにやせる習慣を始めましょう!