【発売日レビュー】昭和に大流行した賛否両論・香水ガム『イブ』が29年ぶり復活! 噛んでみた【キンモクセイ】

レビュー

1972年に発売され、昭和時代に一世を風靡した香水ガム『イブ』が29年ぶりに復活! キンモクセイをベースにした華やかな香りと味わいが楽しめる、ノスタルジックな一品を実際に味わって紹介!

花の香りを口に入れるなんて!? 「香水ガム・Eve」がひっくり返したガムの香りの常識

ロッテから、かつて大ヒットを記録した香水ガム『イブ』(9枚入・想定小売価格 税込129円前後・2024年8月20日発売)が、なんと29年ぶり(※ECなど一部店舗での販売を除く)に復活した。もちろん「板ガム」だ。

パッケージの側面

1972年の発売当時、『イブ』は「香水ガム」として女性を中心に絶大な人気を博した。パッケージは香水の箱を模した縦型のデザインで、中身はキンモクセイをベースにローズやジャスミンを加えた華やかな香りが特徴だった。

 

当時はハーブティー普及以前、ジャスミンティーも中華街などにいかないと味わうことのない時代。口の中に入れるガムのフレーバーは、フルーツなどの食品由来というのが暗黙の了解だった。キンモクセイも、バラも、ジャスミンも口に入れるものではない。そう固く信じる旧来派と、花の香りも口に入れたい革新派が一騎打ちの論争になったのが、この香水ガム『イブ』なのだ。

パッケージ下の囲み文字は「香水の魅惑」から「香水の記憶」へ

 

ロッテ チューインガム研究課の海老原 京太氏によると、「イブ」の開発が行われた1970年代初頭は、女性を中心に身だしなみやエチケットに対する意識が高まっていた時代だった。そこで「お花の香りが漂う香水のようなガムを作れないか」と考え、香水の本場フランスの調香師と共同で「イブ」を開発したという。
「香水の香りをガムで表現するのは難しいが、調香師との共同開発により、華やかなフローラルの香りとおいしさの調和のとれた味わいを実現することができた」と海老原氏は振り返る。

 

また、パッケージにも香水を意識した工夫が施された。当時珍しかった縦の箱型形状を採用し、化粧品のようなデザインに仕上げた。SNSなどでも、高級感のあるパッケージと華やかな香りが特に印象に残っているという声が寄せられているそうだが、筆者もそのひとりだ。

その後、『イブ』の成功を受けてシリーズ化され、花香ガム『ローラ』(1976年)、森の香り『ロブ』(1980年)、バラの香り『ドナ』(1984年)も発売された。しかし1995年頃に惜しまれつつ販売終了。

 

だが今回、ガム市場の回復と若者のレトロブームを背景に、満を持しての復活となった。

「発売当時を再現した板タイプの発売は29年ぶりですので、ぜひこの機会に噛んでみていただきたいと思います」と海老原 氏は言う。

当時と違う、レトロ感漂うきれいな包み紙!

 

実際に『イブ』を噛んでみると、29年の時を経ても色あせない「キンモクセイ」の香りが口いっぱいに広がり、懐かしくてテンションが上がった。当時は、キンモクセイの香りがベースになっているとは知らなかったけれど。また、思いのほか歯に付きにくく、噛みやすかった。

製品を手に取って感じた正直な感想を言えば、箱タイプでなかったことが惜しいと感じた。見た目と、手に持ったときの高級感だったり、ちょうつがいのような上フタを、噛む度に開け閉めするのが大人っぽくて、仰々しい所作が妙に楽しかったので。

それでも、当時の懐かしい思い出が甦ってきた。筆者の父は新しもの好きで、仁丹(じんたん)や飴・ガム、それこそイブも好きだった父の影響を受けた筆者も『イブ』が大好きだったが、母は香水を食べているようだと積極的には食べなかったっけ。

当時も賛否両論あった香水ガム『イブ』を、ぜひ試してみてほしい。初めて口にする世代にもきっと、新鮮な驚きがあって楽しいはずだ。

 

製品サンプル提供●ロッテ

 

公式サイト

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