パソコンのHDDに保存してある大量の画像の中から、見たい一枚を探し出すのは大変な作業だ。ここでは、手間なく、効率よく、安全に保管するためのコツを伝授しよう。
「ピクチャ」フォルダーにすべて保存するのが原則
では、パソコンに取り込んだ写真ファイルの整理のコツを解説していこう。
まず、基本中の基本といえるのが、「1ヵ所に集めておくこと」。そのために活用したいのがWindowsの「ピクチャ」フォルダーだ。
これは、そもそもが写真を保存するためにWindowsに標準的に用意されているフォルダーなので、自動的にファイルがサムネール表示されるなど、使い勝手がいい。
各種の写真管理用ソフトが標準的な保存場所としているフォルダーも、この「ピクチャ」になっている場合が多いので、このフォルダーの中にサブフォルダーを作っていく形で、写真を整理していくのがいい。
サブフォルダーは、「年月日+キーワード」という規則で名前をつけておくと、日付順に並び替えができるので便利。
キーワードはフォルダーをいちいち開かなくても中の写真を判断できるような、具体的な言葉にしよう。例えば、「〇〇卒園式」「〇〇温泉旅行」といった具合だ。
それでもだんだん写真が増えてくると、サブフォルダーの数も増え、目的のファイルを探しづらくなるだろう。
その場合には、ウィンドウ右上の検索窓を利用しよう。日付やキーワードを入力することで、フォルダーの中の写真が検索結果として表示される。キーワードだけで検索すれば、日付の異なる写真を一度に見ることもできる。
さらにフォルダーが多くなりすぎた場合は、年や月ごとにまとめたフォルダーを作り、その中にまとめる。
検索はフォルダーの中身すべてを対象に行われるので、フォルダーを階層にしていても、同様に検索結果として表示される。
「XnView」を使って画像を整理・閲覧する
「ピクチャ」に整理した写真をもっと便利に見るためにおすすめなのが、「XnView」というフリーの画像閲覧ソフトだ。
Windows標準の「エクスプローラー」のように、ウィンドウの左側にフォルダーの階層構造が表示され、右上部にはサムネール表示、右下にプレビューや情報が表示される。
また、簡単な画像加工にも対応しているほか、デジタル写真を楽しむのに便利な機能がいくつか備わっている。
例えば、サムネール表示の下部には、保存形式やサイズなどの情報が表示される。プレビュー表示の大きさも変更できるので、写真を楽しみたいときと探すときとで、画面のデザインを使い分けるといい。
細かなExif情報を表示させることができるのも使いやすい点。フィルムやプリントをスキャンした画像も、取り込み時の解像度などが簡単に確認できるので便利だ。
さらに、「カテゴリ」という機能を使えば、フォルダーでの整理とは異なる形で、写真の分類ができる。
先に紹介した「ピクチャ」フォルダーでの整理と組み合わせれば、より快適に写真を閲覧することができる。
ハードディスクの故障に備えてバックアップを取る
こうして、せっかく整理した写真も、ハードディスクの故障ですべて消えてしまうことがある。その対策として必要なのが、バックアップだ。
バックアップの大原則は、保存してあるハードディスクとは別の記録装置を使うこと。同じハードディスク内でバックアップをしても意味がない。
バックアップは「ピクチャ」フォルダーを丸ごとコピーしてもいいのだが、定期的に実行するには忘れがちになるし、重複するフォルダーや写真のコピー確認をいちいち行う手間もめんどうだ。
そこでおすすめしたいのが、「BunBackup」というフリーのバックアップソフト。
保存元と保存先を設定しておけば、保存元に新しく追加されたフォルダーや写真だけを判別し、自動的にコピーをしてくれる。
自動バックアップ設定を使うと、決まった時間帯にバックアップが実行されるほか、処理性能がそれほど高くないパソコンでも、「省メモリーバックアップ」という、負荷をかけない方式を選ぶことができる。
●「BunBackUp」でバックアップを取る
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解説/内川功一朗(写真整理アドバイザー)