今やEVの時代に、ハイブリッド車を買うメリットはある? 読者の”気になる疑問”にプロが回答!

知識

Q
現在、乗っているクルマ(軽自動車)が11年過ぎたので、買い替えを検討しています。いずれ電気自動車(EV)だけになるなら、今、ハイブリッド車(HV)を買うメリットはあるのでしょうか? (S・Eさん 神奈川県 71歳)

A
この質問は、カーライフアドバイザーの会田肇さんに聞きましょう。

会田
10年後には、確かに自動車の電動化は今より進んでいると思います。でも、電気だけで走る、いわゆる“ピュアEV”の台数は、それほど増えていないと私は予想します。

電池の性能しだいですが、現状のEVは、1回の充電で走れる距離がガソリン車に比べるとあまりに短かすぎます。

EVで少し遠出をしようものなら途中での充電は必須で、それも計画的に充電しないと、急激なバッテリー残量減に慌てることにもなるでしょう。

もちろん、自宅付近でしかクルマに乗らないなら、EVもありかもしれません。

ただ、“ご近所グルマ”として考えた場合、EVは、バッテリー代が車両価格に上乗せされているので、コスト的に見合わないように思われます。加えて、EVはバッテリーの経年劣化が必ずあります。

このように、家庭に一台だけ所有するならEVはあまりおすすめできません。弱点を十分知ったうえで買うべきでしょう。

一方、今後普及が進むと思われるのが、PHVあるいはPHEVと呼ばれるカテゴリーです。

充電残量がたっぷりあるときは電気で走れて、充電がなくなるとガソリン車として走れます。走行中に充電することもでき、出先で時間に余裕があれば充電して再びEVとして走ることもできます。

いってみれば、EVとして走れるようにバッテリー容量を増やした、HVの進化形です。ただ、機構的な複雑さとバッテリー容量も大きいため、現状では車両価格が高めです。

こういった事情を踏まえると、HVはすでに確立された技術として燃費も車両価格も良好なバランスといえるでしょう。

あと10年はHVのメリットを享受し、その後、次のステップを選んでも遅くはないと思います。

──今、HVを選んでも後悔することはないということですね。了解しました!

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特選街web編集部

1979年に創刊された老舗商品情報誌「特選街」(マキノ出版)を起源とし、のちにウェブマガジン「特選街web」として生活に役立つ商品情報を発信。2023年6月よりブティック社が運営を引き継ぎ、同年7月に新編集部でリスタート。

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