テキスト入力に特化したデジタルメモツールが、キングジムのポメラ。シリーズ発売10周年となるポメラに、電子ペーパーディスプレイを搭載したニューモデルが登場した。
キングジム
ポメラ DM30
実売価格例:3万9850円
しっかりとしたキーボードの作りはさすがだが、電子ペーパーにはそれほどの特徴を感じない
文字が打ち込める以外の機能をいっさい排除して、小ささと動作の軽快さ、操作のわかりやすさを追求しているのがポメラだ。
原稿を書いたりメモを取ったりなどの用途に割り切った潔さから、特定の根強いユーザー層からの支持を集めている。
私はふだん、モバイルノートパソコンを持ち歩いているが、その重さは約0.9キロ。
対してこのDM30は約0.45キロ(電池は含まず)なので、約半分の重さとなる。
キーボードは観音開きの折り畳み式で、パタンと開くと電源オン(設定が必要)、閉じるとオフになる。
これは非常に明快な作りで、文書作成専用マシンの面目躍如といったところ。
立ち上がりの時間は約6秒だ。
ノートパソコン並みのキーピッチやストロークを確保しており、しっかりとした打鍵感を実現しているところはさすが。
キーボードを開くと左右にキーフットが出てきて安定するというギミックも好ましい。
ディスプレイにはE Inkの電子ペーパーを採用。
バックライトがなく、長時間の使用でも目に優しいことをうたうが、実際にその差を体感するのは難しかった。
電子ペーパーらしさを感じるとすれば、画面を改行して下にスクロールしたときに、前の文字の残像が残る点。
特に気になるほどではないが、画面のリフレッシュ機能を使えば、クリアになる。
日本語入力は、初期状態ではかなり心もとないが、USBでパソコンにつなぎ、ATOKの辞書をインポートしてやることで実用性が向上する。
カーソルの移動や各種メニューの選択を上下左右の矢印キーで行うのは、いわばマニュアル車を操るような感覚。
しっかりとしたキーボードや電子ペーパーなども考え合わせると、デジタルガジェットというよりは、「執筆道具」という趣きで接するべきツールだといえる。
編集部員の本音コメント
満足度
40%
ノートパソコンやスマホ、タブレットを携行している身としては、あえてこの一台を追加するという気にはなれない、というのが本音。
実売で4万円近い価格も、得られるであろうメリットから考えると、かなり高いと感じた。
折り畳み式のキーボードを採用しているため、携帯時には33ミリという厚さになる点も気になった。
文/編集部員
※価格は記事制作時のものです。