多枚刃シェーバーの高価格帯機種には、肌に負担をかけないためのさまざまなヘッドコントロールシステムが搭載されていることが多い。しかし最適な剃り心地を実現するのに最適なシステムは、すでにこの手にあった! そう感じさせてくれたのが、『ラムダッシュ パームイン ES-PV6A』だった。
「ラムダッシュPRO」搭載の高性能5枚刃を自分の手加減・さじ加減で操ることができる贅沢
深剃りと肌へのやさしさの両立に定評のあるパナソニックのハイクラスシェーバー・ラインが「ラムダッシュPRO」だ。その2種4枚の極薄深剃り「5枚刃システム」と、14,000ストローク/分の「最速リニアモーター」と、ヒゲの濃さに合わせたパワー制御を行う「ラムダッシュAI+」を、バッテリーや各部品を含めてギュッとしたのが、パナソニック『ラムダッシュ パームイン ES-PV6A』(80×133×90mm/145g・税込41,580円・発売中)である。
見た目的にはもうほぼヘッドしかない感じだが、トリマー刃(キワゾリ刃)や角度調整のための密着5Dヘッドなどは搭載しないものの、内部パーツの小型化などの工夫で、全部入り。手のひらにポンと入るサイズ感に収まっているのは、最初は違和感しかない(洗浄機無しで4万円超えのハイエンド機種に迫る価格も)。
しかし実際に使用してみると、パナソニックが実現した”なで剃り”の快適さに驚いた。剃り心地はハイエンドレベルなのは間違いない。
深剃りも、痛くないシェービングも自由自在なのは、つまむように持つことができるコンパクトさが鍵になる。肌に当たれば爆剃りしてくれる5枚刃の加減を、使い慣れた自分の手指、手首で調整できるから、くせヒゲも追い込みやすいし、手首の可動域がそのまま角度調整に使える。片方の手で肌を伸ばしながら、的確にヒゲに当てていく作業も、まるでちょっとした怪人のように、自分の手の先がそのまま5枚刃シェーバーになったようでコントロールしやすいのだ。
従来のヘッドシステムの限界を突破する卵形のコロンブスの卵シェーバー
思えば通常のシェーバーは、基本的にT字構造になっており、角度が付くとてこの原理で余計な力が入りやすく、痛剃りになってしまうことがある。その課題を解決するために縦横無尽に動くヘッドシステムなどを改良してきた。ただ構造として持ち手と刃の部分に距離がある。その分微妙なコントロールが難しくなる。
ところが『ラムダッシュ パームイン ES-PV6A』は、刃に近いところを掴んでコントロールすることができるので、距離が短い。まるで長く伸ばした爪でヒゲを削り取っているような距離感である。
使用はドライはもちろん、風呂剃りも可能だ。使用前に付属のオイルを必ず垂らすのを推奨したい。切れ味が高まるだけでなく、刃が摩擦で熱くなるのも防ぐことができる。おすすめは透明なシェービングジェルかクリームを使ったウエット剃り。撫でるように滑らせるためには、やはり濡れていた方が肌を傷つけにくい。
いままで重量のある高性能多枚刃シェーバーを使っていた人は、ヒゲを剃る行為にブルドーザー感を感じていた人も少なくないと思う。刃を肌に押し当てがちな人はとくに。『ラムダッシュ パームイン ES-PV6A』を使う際に推奨されている”なで剃り”は、押し当てるというよりは滑らせていく感覚。これが何とも楽しい。指先のちょっとした力加減、角度で剃れるヒットポイントが手に取るようにわかる。顔の凹凸に合わせてスルスルと動かすのは、コントロール欲を果てしなく満たす行為だ。
本体を滑らせまくって、剃っていく。もみあげあたりまで進出すると、駆動音が高めなので耳がキーンとするのには気をつけたい。
ヒリヒリしないシェービングは、おのれの手指と手首の角度次第。テクニックを磨きたくなる『ラムダッシュ パームイン ES-PV6A』
特徴的な本体は、海水由来のミネラル成分から生まれた素材「NAGORI」を採用し、大理石のような見た目と陶器のような手触りを実現し、滑りにくくなっている。充電はゴムのフタをめくり、充電用USB Type-C端子経由で行う。撮影に使用した「専用置台」はキャンペーンプレゼント製品。
一見ワイヤレス充電可能なようでいて、質感を合わせたただの置台なのが惜しい。フル充電までの時間は120分。1日1回約3分間の使用で約14日間持つというのが目安だ。
シリーズには他に、本体素材が違うスタンダードモデル『ラムダッシュ パームイン5枚刃(マットブラック) ES-PV3A-K』(税込33,660円)もあり。
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