まずは耳鼻科で検査し、専門の販売店で相談
聞き間違いが増えたり、会話がうまく通じないなど、聴力の衰えに気づいたら、まずは耳鼻咽喉科で聴力の検査を行おう。
実は、難聴と一口にいっても、その症状にはいくつかの種類があり、いきなり補聴器を使うのではなく、治療によって改善する場合もあるのだ。ここで、「補聴器が必要」と診断されたら、補聴器を取り扱う販売店に行く。販売店は病院で紹介してくれるし、自分で信頼できる販売店を探してもいい。販売店には、公益財団法人テクノエイド協会が認定した「認定補聴器専門店」がある。補聴器を扱う技術者も「認定補聴器技能者」という認定資格があるので、これらの認定や資格を目安にするといいだろう。
こうした専門の販売店では、補聴器の専門家が、製品の選択を含め、詳しい相談に乗ってくれるので、聴力を測定したのち、それに合わせて機器を選ぶ。補聴器はかなり高価なものもあるが、いろいろな場所で支障なく会話をしたいとなると、やはり高価なモデルが優位だ。とはいえ、安価な製品でも、主に家の中で使うなど、使う場所を限定すれば十分使える。こうした使い方や使う場所について、じっくりと相談しよう。
最適な機器を選び、調整を行っても、まだ完了ではない。補聴器は、慣れないうちは使用者の負担も大きいため、最初は効果を少なめにしておいて、1ヵ月ほど時間をかけて微調整し、本来の効果が出るようにする。こうした「フィッティング」の期間があることも覚えておこう。
そして、本格的に使い始めてからも、定期的に再調整を行ったり、補聴器の保守・点検を行ったりと、メンテナンスの必要もある。こうしたフィッティングやメンテナンスの費用が補聴器の価格に含まれるかどうかは、販売店や補聴器のメーカーなどによって異なるので、事前によく確認しておこう。
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耳鼻科を受診し、検査を受ける
2
販売店で測定と補聴器選び
3
試聴と調整を繰り返す
4
フィッティングとメンテナンス
解説/鳥居一豊(AVライター)
イラスト/中山 昭(絵仕事 界屋)
取材協力/一般社団法人 日本補聴器工業会、ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba