世はキャッシュレス時代。コンビニをはじめとする実店舗での買い物は、カードやスマホを使って瞬時に決済できる。しかし、これが個人間のやり取りとなると、まだまだキャッシュレスは普及していないのが現状だ。そこで今回は、個人間送金の手段について比べてみた。

SNSのアカウントを知っていれば送金できる

現在、日本で使える個人間送金の方法は、おおむね以下の五つである。これらに共通しているのは、相手の口座番号や住所などを知らなくても、既存のSNSのアカウントやアプリのアカウントを知っていれば、それだけで送金ができる手軽さだ。

お金を扱うので、送金サービスを提供する業者は何かしらの資格や届け出が必要。それが以下の表の「業者形態」である。「楽天銀行フェイスブック送金」の楽天銀行は、従来からある「銀行業」だが、それ以外は三つの業種に分かれ、それぞれに利用時の制限事項が設けられている。「LINE Pay」と「Yahoo!ウォレット」は「資金移動業者」で、事前の本人確認が必要。送り手側の支払い手段としてクレジットカードが使えないという制限がある。「paymo」は「収納代行業者」、「Kyash」は「前払い式支払い手段発行業者」で、本人確認は不要だが、チャージ方法はクレジットカードがメイン。「前払い式〜」というのは、簡単にいうとプリペイド方式で、受け取り側がポイントを現金化することができないという制限がある。

LINE Pay
LINE Pay

おなじみLINE Payで個人間送金が可能。資金移動業者の制限があるため、クレジットカードを登録していても送金には使えない。受け取り側はLINE Payのチャージとなり、JCB加盟店で利用可能。自分の銀行へ振り込む形で現金化ができる。

Yahoo!Japan
Yahoo!ウォレット

ヤフオクの「Yahoo!かんたん決済」などに使われる「Yahoo!マネー」で個人間送金が可能。Yahoo!マネーにチャージされる残高は、Yahoo!関連の支払いに使えるが、利用範囲が狭い。現金化の手数料は出金額の2.16%なので少額なら割安。

AnyPay
paymo

割り勘専用のアプリだ。インストールするだけで、事前登録なしでも使えるが、収納代行業社のルールとして、領収書を撮影する必要がある。受け取り側(幹事)が、送金側に割り勘金額を請求するスタイルとなっている。残高に有効期限がある。

Kyash
Kyash

買い物に使えるプリペイドのポイントを相手にプレゼントするスタイル。送受信者双方がアプリをインストールしていれば、事前登録なしで使える。ポイントはVISA加盟店のオンラインストアで使えるほか、モバイルSuicaにチャージも可能。

楽天銀行
楽天銀行 フェイスブック送金

銀行振込の新しいバリエーション。フェイスブックの「友達」なら、相手の口座番号を知らなくても送れる。受け取り側は送金通知が届いたら入金する口座を指定(楽天銀行以外も指定可能)。一度指定すれば、次回以降は自動入金になる。

●基本的にはスマホのアプリで送金や受け取りを行う。現金化できるものとできないものがある

画像: ●基本的にはスマホのアプリで送金や受け取りを行う。現金化できるものとできないものがある

割り勘に特化したサービスもある

それでは、個別のアプリを見ていこう。「LINE Pay」は、おなじみLINEが提供する支払い手段で、コンビニでも利用できるところが増加中。その仕組みを利用し、LINEの「友だち」に送金ができる。本人確認の事前登録が必要だが、これは日ごろからLINE Payを利用している人なら済ませているはずなので、大きな壁にはならないだろう。

「Yahoo!ウォレット」はYahoo!のウエブサービスだが、「割り勘・送金─Yahoo!ウォレット」というアプリで個人間送金ができる。こちらも事前の本人確認が必要だ。受け取り側の現金化には手数料が発生するが、これが2.16%というのも独特。高額だと、ほかのサービスより割高になってしまうので注意が必要だ。

「paymo」は割り勘専用のアプリで、宴会の幹事が飲み会のレシートを撮影し、それを添えて各人に金額を請求するという仕組み。収納代行業者のルールとして、レシート撮影が必要になる。ちょっとしたことだとはいえ、一手間かかるのは弱点ともいえる。

「Kyash」は、クレジットカードでKyashのポイントを購入し、送金したい相手に対し、それをプレゼントするという形になる。ポイントをもらった側は、それを現金化することはできないのだが、VISA加盟店のオンラインショップでの支払いに使用できるので、使い道は幅広いといえる。

「楽天銀行フェイスブック送金」は、銀行振込のバリエーションといえる。「楽天銀行」アプリと「フェイスブック」アプリを連係させ、楽天銀行アプリでフェイスブックの「友達」に送金する。受け取り側にはフェイスブックの「メッセンジャー」で、送金されたことが通知され、その指示に従い、自分の銀行口座に入金する手続きを行うことになる。受け取り側の状況にもよるが、送金手数料が無料になるのは大きなメリットだ。

現状、どれも一長一短で、完璧なものはないが、どのサービスも、アプリをインストールすれば使えるのはうれしい。受け取り側が現金化はできないが、VISAのオンラインショップでの支払いなど利用範囲が広く、本人確認が不要で手軽に使えるのはKyashだろう。

解説/福多利夫 (フリーライター)

※価格は記事制作時のものです。

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