写真の仕上がりは、ちょっとしたコツで劇的に変わってきます。シャッターを押すほんの5秒前、たった一手間ですぐにできる撮影のテクニックを解説していきましょう。「光」を読んで「露出」を工夫すると、何気ない写真もドラマチックで雰囲気のある写真になります。撮り手のこだわりが際立つテクニックです。

黒い被写体はマイナス補正

被写体が黒っぽい場合、カメラが暗い被写体だと判断して、自動で明るく仕上げてしまう。だから、黒い被写体はマイナス側に露出補正し、画像の濃度を調整するのがセオリー。ちなみに、「黒い被写体はマイナス補正、白い被写体はプラス補正」という原則を「クロマイシロップ」と覚えておくと便利だ。

画像: マイナス側に1.3段補正することで、適度な画像濃度になった。

マイナス側に1.3段補正することで、適度な画像濃度になった。

画像: こちらもマイナス0.7段補正を行い、暗い夕暮れを表現した。

こちらもマイナス0.7段補正を行い、暗い夕暮れを表現した。

白い被写体はプラス補正

被写体が白っぽいと、カメラは明るい被写体だと判断してしまうため、そのまま撮影すると結果は暗くなることが多い。この場合はプラス側に露出補正して撮ろう。補正する量については、デジタルカメラの場合、撮影した画像がすぐに確認できるので、それを見ながら補正量を決めるといいだろう。

画像: 白い壁の前で露出補正なしで撮影すると、暗い画像になってしまう。

白い壁の前で露出補正なしで撮影すると、暗い画像になってしまう。

画像: プラス側に1.7段補正している。全体に明るい仕上がりとなった。

プラス側に1.7段補正している。全体に明るい仕上がりとなった。

横からの光で撮る

太陽などによるサイド光は、光の当たっている部分と光が当たらず陰となった部分の明るさが極端に異なることが多い。この高い明暗比を生かせば、撮影用の照明やアクセサリーなどを使用しなくてもドラマティックな写真になりやすい。ただし、露出には注意。被写体の明るさを確認しながら撮影を行いたい。

画像: 夕方、陽の傾いた時間に撮影。アンバー(こはく色)な光で、よりドラマティックな写真となった。

夕方、陽の傾いた時間に撮影。アンバー(こはく色)な光で、よりドラマティックな写真となった。

逆光にレフを当てる

逆光で被写体が暗くなるときは、プラスの露出補正で明るくするのが定番だが、レフ板で光を集めることでメリハリを出すという手もある。こちらのほうがグッと雰囲気ある写真に仕上がるだろう。ただし、レフ板は白を使うようにしたい。銀色だと人物の肌がギラついたり、コントラストが高くなったりする。

画像: 逆光でそのまま撮影を行うと、こんな残念な結果に。

逆光でそのまま撮影を行うと、こんな残念な結果に。

画像: 白いレフ板をモデルに当てて、柔らかくナチュラルな光線にした。

白いレフ板をモデルに当てて、柔らかくナチュラルな光線にした。

逆光を生かして撮る

画像: 日傘を高く持ち上げてもらい、印象的な写真に仕上げた。

日傘を高く持ち上げてもらい、印象的な写真に仕上げた。

逆光撮影の場合、露出補正で明るく仕上げるのもアリだが、あえてシルエットに仕上げてみるのもおもしろい。顔の表情はつかみづらくなるが、おもしろい雰囲気に仕上がることも多いので、太陽が低い位置にあったら、ぜひ挑戦してもらいたい。なお、わかりやすいポーズのほうがシルエットでは効果的だ。

あえて白飛びさせる

写真の一部が明るすぎて、真っ白になってしまう現象が「白飛び」。一般的には悪いことのようにいわれるが、写真は、限られた階調の中で絵を作るため、避けらないものでもある。むしろ、画面に真っ白い部分があることで、写真が明るく感じられることもあるので、被写体によってはあえて露出オーバーで撮影し、白飛びを積極的に活用する手もある。

画像: プラスに露出補正し、空が白飛びするほど明るく仕上げた。

プラスに露出補正し、空が白飛びするほど明るく仕上げた。

あえて黒をつぶす

「白飛び」同様、暗すぎて真っ黒になってしまう「黒ツブレ」も、好ましくないこととされるのが一般的。しかし、暗部を黒くつぶすことで、被写体をより際立たせるなどメリットも多い。結果を液晶モニターで確認しながらマイナス側に補正し、暗めに調整していくことで、作例のような結果が得られる。

画像: 陰になった部分をつぶし、光の当たった自転車を際立たせている。

陰になった部分をつぶし、光の当たった自転車を際立たせている。

画像: こちらも暗めに調整した作例。マイナス補正で太陽の光が差し込む部分を印象的に仕上げた。

こちらも暗めに調整した作例。マイナス補正で太陽の光が差し込む部分を印象的に仕上げた。

絞り込みすぎない

レンズの光学特性が最も発揮される絞り値は、F8前後といわれる。絞り込めば絞り込むほど画質がよくなると思っている写真愛好家もいるが、絞り込みすぎると回折現象が発生し、解像感の低下が生じ始める。特別な撮影意図がなければ、F11ぐらいまでで止めておいて、絞り込まないほうが得策だ。

画像: 絞りF22での撮影だが、解像感の低下に加え、手ブレが発生している。

絞りF22での撮影だが、解像感の低下に加え、手ブレが発生している。

画像: 絞りF8での撮影。解像感が高く、手ブレの発生も見られない。

絞りF8での撮影。解像感が高く、手ブレの発生も見られない。

写真・解説/大浦タケシ(フォトグラファー) モデル/いのうえのぞみ

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